歯石除去の危険性！

ヨコハマヒーリングデンタル院長の小泉です。

知人の体験談をご紹介します。

ある時、前歯の虫歯の治療の為に歯科医院に通院していました。

その日は治療の合間に歯石をとるということになり、歯科衛生士さんが歯石をとることになったそうです。

ところが、その衛生士さんが経験が浅かったのか、虫歯のある歯をガリガリ、ガリガリと凄い力でスケーリング（歯石をとる為専用の器具で歯の表面を削る行為）し始めました

それでなくとも虫歯で少し痛みがあったのに、さらにｽﾞｷｽﾞｷと痛みが増してしまいました

さすがに「ちょっと痛いのですが」と伝えたそうですが、時すでに遅し、その歯はそれほど深い虫歯でなかったのに神経をとるはめになってしまったそうです

それ以来知人は歯石をとられることにすごい恐怖を感じるようになってしまったそうです。

こういうエピソードは時々聞くのですが、これにはそうなる理由が考えられます。

歯科衛生士さんは大学で徹底的に歯石をとる実習をさせられます。

その際の教官が鬼教官？のようにきびしい先生だったらどうでしょう？

とにかく、歯石が完璧にとれるまでガリガリとスケーリングをするようになってしまうでしょう。

歯石をしっかり取ること自体は間違いではありません。

しかし、歯石をとることにばかり目がいってしまうと患者さんの全身状態には無頓着になってしまう危険があるのです

以前もブログで話したことがありますが、物事を一面的に判断してしまうと思わぬミスをしてしまうものです。

今回のケースでは、知人は不運にも虫歯の治療をするために歯科医院を訪れたにもかかわらず、歯石をとるという本来の目的ではない治療行為により歯の神経をなくすという、まさに本末転倒の結果になってしまったわけです。

歯石除去は歯周病の患者さんには大切な治療です。

しかし、その時の患者さんの全体の状態を考えず、目の前の歯石だけをとることに夢中になると今回のような取り返しのつかない結果を招いてしまうということを多くの方に知っていただきたいと思い、知人の了解を得てご紹介しました。