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Lさんは80代の女性です。

認知症はまったくありません。

大きな持病がありますが、状態はそんなに悪くなく、食事はダイニングで取れるし、排泄もトイレでします。

ただ、自分では歩けない、立位を取るのが不安定、なので介助が必要です。

Lさんは大変トイレが近く、1時間に1回は必ず行きます。

30分に1回というペースの時もあり、それは真夜中でも変わりません。

たまに明け方に2時間行かないことがあり、そういう時は、熟睡しているんだな、良かった~、とホッとします。

最初の頃、Lさんからのナースコールに、私はマニュアル通り 「どうされました?」 と出ていました。

するとLさんは蚊の鳴くような声で 「あの・・・おトイレ・・・」 と申し訳なさそうに言います。

特に夜勤の時間帯は、スタッフが少ないし、バタバタしていることを知っているので、ますます小声になり、気を使っているのがわかります。

1時間に1回トイレに行くのは、体に負担がかかり、かなりしんどいはずで、そのうえさらにスタッフに気を使っていたら、何倍も疲れが増すのではないかと思いました。

Lさんのトイレ介助は時間がかかります。

ベッドから車椅子に移乗する時、なるべく自力で立ってもらうため、スタッフはそこでじっと待たなければなりません。

やっと立ち上がって車椅子に座り、トイレまで押して行くと、今度は便座に移乗するまで時間がかかります。

排泄が終わった後、便座は低くくて1人で立つことが出来ない為、手を貸しますが、ズボンは自分で上げてもらうので、そこでまた待ちます。

それから手を洗い、ベッドまで連れて行き、再びベッドに移乗するのをじっと待ち、横になったらお布団をかけます。


そういう状況も、Lさんに気を使わせてしまう原因の一つだと思います。

私はまず、ナースコールを取ったら、明るく 「Lさん、おトイレですか~?」 と聞くことにしました。

すると、Lさんは 「はい」 と言うだけで済みます。

すぐに行ける時は 「すぐ行きますね」 と答え、すぐに行けない時は 「今、1階なので、3分だけ待ってもらっていいですか?」 と具体的に言うようにしています。

夜間だと 「他の人のパットを交換していますから、5分くらいかかりそうです」 とどれくらい我慢してもらうことになるかも先に言っておきます。

今何をしていて、あとどれくらいかかりそうだということを伝えると、Lさんは10分くらいならそのまま待ってくれます。

スタッフの中には 「はーい、行きます~」 と答えていながら、それまでしていた仕事の続きをしたりする人がいます。

Lさんは ”待てるから” というのが理由なのですが、それが重なると、認知症がないLさんは、自分は面倒くさがられている存在なのだろうか、と不安を抱くようです。

わざと放っておかれているのかもしれない、と心配するのか、3分もしないうちに、またナースコールをしてくるのです。

トイレは待てるかもしれませんが、Lさんの気持ちは傷つくのに・・・と思います。

時々、ナースコールが鳴っていても、Lさんだから待てるしー、となかなか誰も取らない時もあります。

結局、他の人のパット交換で陰洗をしていて手が離せない私が取ったこともあるくらいです。

Lさんのトイレ介助をして、部屋を出る時も 「Lさん、また呼んで下さいね」 と言って、にっこりすることも心掛けています。


トイレ介助に呼ばれても、全然面倒くさいなんて思っていないですよ、と理解してほしいからです。

すると、Lさんは 「ありがとうございました」 と言います。

時々 「ありがとうございました、お世話になりました」 と丁寧にお礼を言うこともあります。

その心境を思うと、なんとも言えないやるせない気持ちになります。

そんなある日、私が夜勤の挨拶に行くと 「あー、よかった、あなたでよかったー」 と言われました。

夜勤の時はスタッフの人数が少ないため、時間帯によっては、同じスタッフが何回も介助に行くことになるのです。

「気軽に呼んで下さいね」 と言うと、Lさんはちょっと躊躇して、言いました。

「うち、あの男の人、好かん!」

無口なLさんが、こんなことを言うのは珍しいです。

どうしたのか聞くと、ある男性スタッフはものすごく面倒くさそうに介助をするのだそうです。

Lさんの動作を待っている間もイライラしているのがわかると言います。

スリッパをはくのにモタモタして手間取ったりしていると、 「はあぁー!」 と、これみよがしにため息をつくというのです。

それを聞いて、どうしてそんな態度をするのだろう、と腹が立ちました。



もう一件、別のケースがあって、これは違う入居者さん、Oさんの少し前の話です。

Oさんは軽度の認知症がある女性です。

ですので、排泄がうまくコントロール出来ません。

寝る時はリハパンにパットを重ねていますが、その日の水分の摂取量によって、たまに夜中に漏れることもあります。

ある日の夜中です。

Oさんの部屋から大声が聞こえたので、行ってみると、掛け布団を床に広げ、その前で腕組みしている男性スタッフがいました。

Oさんが 「なんやの! それがアンタの仕事やないか!」 と怒鳴っています。

その男性スタッフには、他にしなければいけない仕事がたくさんあって、時間が足りないとバタバタしていました。

そこに、Oさんが尿失禁したとナースコールをしたのでした。

尿は体に巻きこんでいた掛け布団にまで染みていました。

そうなると、パジャマと肌着を着替えさせ、防水シーツとシーツを交換し、掛け布団を遠いリネン庫から持ってきて、さらにカバーをかけなければなりません。

かなりの時間を要します。

多分、それでイラッとしたのでしょう。

男性スタッフは、Oさんの前で思い切り、大きなため息をついたのだそうです。

この人は20代の先輩なのですが、この時も本気で腹が立ちました。

Oさんは失禁したことを恥ずかしく思っているだろうし、その処理をしてもらうことを申し訳ない、とも思っているはずなのです。

そこでイヤミのようにため息をつけば、傷つくのは当たり前です。

「なんや、面倒くさそうに! 私かて、漏らしたくて漏らしたんちゃうわ!」 そう言って、Oさんは泣いていました。

失禁したものを気持ちよく片付けるのが、私たちの仕事なのに・・・と思いました。

やっていた他の作業が妨げられてイラつき、ため息をつくのは本末転倒だと思います。


消防士さんが事務処理をしていて、119番通報があったからと、ため息をつくでしょうか?

販売のお仕事の人が、店内清掃をしていて、 「これ下さい」 とお客さんに言われ、お客さんに向かってため息をつくでしょうか?

どうして介護職だけ、こんなに失礼なことを平気でするのでしょう。


やっていた他の作業が妨げられてイラつくのはわからないでもありません。


ですが、私たちは介護のプロです。

介助をするのが仕事であり、それを承知で入社しているのです。

入社当時は誰もが、失礼がないように、丁寧な仕事をしますが、慣れてくると気が緩みます。

一生懸命さがなくなって、適当になったり、楽に仕事をしようとし、面倒くさいことは避けようとします。

私ももしかしたら、自分で気づかないうちに失礼をしているかもしれず、時々自分を振り返ってチェックすることも大事だと思いました。

自分が選んだ介護職なのだから、手間を惜しむような仕事はするまい・・・と改めて心に誓った出来事でした。



追記:

この男性スタッフは態度や仕事の仕方に関して、施設長から個人ミーティングをされたり、主任からもよく注意されています。私が関わったこの二件は、入居者さんから直接訴えがあった正式なクレームなので、報告済みです。




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