海外→富良野で田舎暮らしをして思ったこと(1) | 現役翻訳者が教える、世界に羽ばたく翻訳者になるレッスン

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在米英日翻訳者。英語・日本語教師。著書『写真で見る 看板・標識・ラベル・パッケージの英語表現』(クロスメディア・ランゲージ社)が発売中。翻訳者志望者・世界で輝きたい方・海外市場に進出したい翻訳者を応援します。

皆様、こんにちは~♪

10月から、私の住んでいる地域でも、テレビジャパンが見られるようになりました!(パチパチ)
念願の「マッサン」を毎日見られるようになり、大喜びしておりますクラッカークラッカークラッカー

いや~、エリーを見ていると、異文化で奮闘している姿が、身につまされます。
何しろ、飛行機で自由に行き来できる今とは、時代が違いますからねぇ。
しかも都会じゃなくて、田舎で国際結婚でしょ?
大変だっただろうなぁと思いますよ。

うちもエリーとマッサンほどじゃないけど、2003年に、2年間暮らしたアラスカから北海道に引っ越して、最初の半年は旭川市、その後で富良野市に建売住宅を購入して、10年間富良野市で暮らしたわけですけど、最初は戸惑うことが多かったですね。

米国で暮らしている間も、ネットで日本のニュースを読んだりはしていたので、時事問題とか、日本で何が起きているか、ということは、それなりにわかっていたつもりでした。
だけど、あくまでも外から見ている部外者という立場だったので、表面的なことしかわかっていなかったんですね。
米国にいるときは、そのことに気付いていませんでした。

米国人のダンナと日本に行ったときに、自分は日本人なんだから、割とすぐに日本に溶け込めると思っていたんですが、想像していた以上に大変でしたね。

一番戸惑ったのは、「年を重ねた自分」というのを日本の社会のどこに置いたらいいのかわからなかったことです。

結局、自分の頭の中では、最後に日本を出てきた「○×年前の△月□日」の時点で、日本での記憶が止まってしまっているわけですよ。

簡単な例を挙げると、私は20代の頃、「WITH」って雑誌を読んでいたんですけど、日本に住んでれば大多数の人が、結婚して子育てとかをするようになると、そろそろ「WITH」は卒業かなと思って、自然に別の雑誌に切り替えていくんじゃないかと思うんですよ。

だけどそういう自然な流れがないまま、いきなり30代後半で日本生活を再スタートさせると、不時着した飛行機みたいな衝撃があるんですね。

ちょうど記憶喪失の人がタイムマシンを下ろされて、「はい、今日からあなたは30代後半ですよ」と言われても、何をどうすればいいのか途方に暮れる、みたいな?

だから本屋に行って「WITH」を手に取ると、何か違う、何かちぐはぐだという違和感はあるんだけど、代わりに何に切り替えたらいいのか、というのがわからない。

ショーウィンドウに映る自分はしっかりオバサンなのに、頭がついていってないんですね。
このショックは大きかったですね。

それから慌てて、実年齢に追いつくために、10倍速ぐらいの早送りで自分を育て直す、みたいなことをしなければいけませんでした。

それに加えて、逆カルチャーショックもあり、「日本に暮らす実年齢の私はどうありたいのか?」というのがはっきりと自分でつかめるまでに、結構時間がかかりました。

まあそんなこんなで、私は私で必死になっていたわけですが、今思えば、富良野市側も私たちみたいな夫婦に、目を白黒させていたんじゃないかと思いますよ。

得体のしれない国際結婚夫婦が突然住みついて来て、移住するって言うから農業でも手伝ってくれるのかと思ったら、そうでもない。

片方が外国人だって言うから、英会話でも教えてくれるのかと思ったら、それもない。

地元でお店でも開くのかと思えば、看板も出ていないし、集客もしていない、でしょ?

そうかと思えば、夜とか早朝とか、とんでもない時間にこうこうと明かりがついている。

向こうが想定していた「移住者」のパターンと受け皿から、ここまでかけ離れた移住者も珍しかったんじゃないかと思います。

今でこそ人気ブロガーが田舎に移住したりして、ネットで稼ぎながら田舎で暮らすというライフスタイルが浸透しつつありますけど、当時はネットで稼ぐなんて「???」でしたからねえ。

怪しいと思われても仕方がなかった。

富良野に住んでいた頃、当時70代だった私の父が、昔の友人に会って「おう、ハンナちゃん最近どうしてるんだ?」と聞かれたことがあったそうです。

何と言っていいかわからない父は、「何だかよくわからんが、富良野に住んで、世界と働いてる」と言ったそうですが・・・。

父の世代で、そんな話を聞いても、意味不明だと思うので・・・。

ひょっとしたらお友達、「あいつはついにボケたか」と思ったかもしれないですねえ。

今思えば、お互いに「未知との遭遇」だったんだなぁ。

富良野の皆様、その節は、ずいぶんとお騒がせいたしました・・・と、今になって思っております。




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