海外→富良野で田舎暮らしをして思ったこと(2) | 現役翻訳者が教える、世界に羽ばたく翻訳者になるレッスン

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在米英日翻訳者。英語・日本語教師。著書『写真で見る 看板・標識・ラベル・パッケージの英語表現』(クロスメディア・ランゲージ社)が発売中。翻訳者志望者・世界で輝きたい方・海外市場に進出したい翻訳者を応援します。

皆様、こんにちは~♪

前回の記事からちょっと時間が経ってしまい、申し訳ありません。
皆様、お元気でお過ごしでしたでしょうか?

もう11月も終わりなんて、信じられませんねぇ。

さてさて、ちょっと間が空いてしまったのですが・・・

前回、米国で何年も暮らした私たち国際結婚夫婦が、北海道富良野市へ移住したときのことを書いたのですが・・・(前回の記事はこちら)。

反響が大きく、多くの方々にご来訪いただきました。
どうもありがとうございます(^-^)/!

海外に住んでいて、「日本に戻ったら、どんな感じだろう?」と考えておられる方や、

日本に住んでいて、「田舎で暮らしたら、どんな感じだろう?」と思っておられる方って、意外に多いのかな?と思いました。

まあ、国内外を問わず、海をまたいでの大がかりな移動というのは、それなりの覚悟を伴いますからね。

お金も時間も労力もかかりますし、「会社の都合で転勤」などというのと違って、物件探しから仕事探しまで、全部自分でやらないといけませんから、山積みの課題を1つ1つクリアして行くことになります。

それに、一回行動を開始してしまったら、中途半端に引き返せませんし・・・。
やっぱり「移住」というのは、人生の一大イベントですよね。

うちなんか、何度も引越ししているから、さぞ身軽で荷物も少ないと思われてるかもしれないけど、翻訳者って、本好きな人が多いんですね。

どうしても年々、本の数が増えて行ってしまう。
しかも愛着があって、なかなか捨てられない(泣)。

ネットがあればどこでも仕事ができる点では身軽だけど、スマートなノマドライフを送るにしては、いささか荷物が多い・・・。

荷物が多いので、ワンルームマンションというわけにも行かず・・・
生活空間だけでなく、仕事場や書斎も考慮すると、それなりの規模の家が必要でした。

そんな条件の下、日本に帰国して物件探しを始めた私たちですが、なかなかぴったりの物件が見つからなくて。

一応事前にネットで、不動産情報を下調べして、アパート探しをしたことはしたのですが、
何せ「お勤め先=なし」で、片方が外国人、という「怪しい素性」でしたからねぇ・・・えっ

あんまり「選べる」立場になかった。

まあ、父親が70代でしたけど、まだ生きていて仕事をしていたので、保証人になってもらえたことは救いでしたが・・・。

とりあえず、荷物の送り先が決まるまで、米国の家財道具は日本に送らずに倉庫に保管しておき、旭川市内に1DKの家賃2万5000円の小さいアパートを借りて、物件探しをすることにしたのです。

実際に家探しをしてみて、つくづく痛感させられたのは、いかに生活に直結する情報が、ネットに載っていないか、ということでした。

不動産情報は「住宅情報タック」という雑誌を見たり、ネットを検索したり、週末に折り込み広告と一緒に入ってくるコミュニティペーパーを見たりして入手していました。
市役所の空家情報もネットで見ていました。

で、モデルハウスのお知らせがあれば、レンタカーを借りて、美瑛町や東川町といった隣町に物件を見に行ったりしていたわけですが・・・。

何かこう、空家バンクなんかは情報が古かったり、片手落ちだったりして、あまりあてにならなかったんですね。

どうもパッとしない。

後から知ったんですが、どうやら地方の市町村というのは、空家とか仕事とか、生活に直結する情報があっても、まずは「ネットに出そう」とはならないようなんですね。

地元民の「つて」や「コネ」で解決できないかどうか、まずは当たってみて、それで解決しないようだったら、初めてネットに載るようで。

ネットができる以前から、そういう連絡網的な地域の強いつながりがあったんですね。

だからどうしても、ネットに載る情報というのは、地元の人が誰も欲しがらないワケあり物件だったり、代わりを探すのが難しい仕事だったりで、鮮度も高くないし、使えない情報が多くなってしまうようなんですね。

それを知らない部外者の私たちが、いくら目を皿のようにしてネットを見ていても、いい話が見つかるはずはなかったんです。

まあ、こう言った事情も、実際に移住が実現してから知ったことですけどね。

うちの場合も、結果的に、何が突破口になったかというと、地元の人の口コミでした。

日本に引っ越して来て半年ぐらいたった、ある週末のこと・・・。

例によって、レンタカーを借りてコミュニティペーパー掲載のモデルハウス物件を見に行ったのですが、やはり決まらず。

レンタカーを返却してアパートに戻った後、私一人札幌に行く用事があって、時間が迫っていたので旭川駅までタクシーを拾ったんですね。

で、何気なく運転手さんに、「いや~、家を探してるんですけど、なかなか決まらなくて・・・」と、世間話のつもりで話しかけたんです。

そうしたら、何と運転手さん。

「家を探してるって?

富良野でもいいのなら、うちの娘が富良野にたくさん家を持ってるよ。

大きいのやら小さいのやら、いろいろあって、好きなの選べるんだ。

娘に電話してみるかい?」

と言って、お嬢さんの携帯電話の番号を渡してくれたのです。

へ??
・・・たくさん家を持っているって、どういうこと??
・・・そんなお金持ちがいるの??
何それ??

・・・と、不思議に思いながら、とりあえず番号を受け取りました。

あんまり突飛だったので、捨てちゃおうかとも思ったんですが、ダンナに言ったところ、
「それは電話してみた方がいい」
・・・なんて真顔で言うんで、電話してみたんですよ。

そしたらそのお嬢さんというのは、住宅メーカーのモデルハウスの来場者の接待のお仕事をしている方でした。

場所を教えてもらって、(またもやレンタカーで)富良野に駆けつけてみたら、本当に運転手さんのおっしゃったとおり、新築の建売物件がたくさんあったんですね。

ちょうど住宅メーカーが農地をつぶして住宅を建てて、分譲しているところだったんです。

本当に何軒もある中から、好きなモデルを選べた。

いや~、新築物件なんて、中古の物件とは別扱いなので、すっかり見落としていたんです。

・・・しかも、新築住宅を買うなんて、半年しか日本に住んでいないので住宅ローンなんて通るわけない、と思っていたのに・・・。

営業の方がキャンペーンとかノルマの関係で銀行さんに話をつけてくださったのか、細かい裏事情はよくわかりませんが、融資が下りたんです。

あのとき、タクシーに乗っていなかったら・・・
あのとき、あの運転手さんに出会っていなかったら・・・
あのとき、お嬢さんに電話していなかったら・・・
あのとき、住宅メーカーが売り込みに力を入れていなかったら・・・

どの1つが欠けても、私たちは富良野に住んでいなかったかもしれないのです。

・・・それを思うと、とても不思議な気持ちがします。

「奇跡」とか、「導かれた」としか思えない展開でした。

そんなわけで、日本への移住を決行してから半年後、私たちは念願の大きな家を手に入れることができました。

それだけでなく、この件をきっかけに知り合った「お嬢さん」も、私たちが富良野で暮らし始めてから、とても特別な存在になっていったんです。

その件については、また別の機会にお話ししますが・・・。

・・・ですので、移住を考えておられる皆さん。

まずは勇気を出して、一歩踏み出すことが大切だと思います。

ネットに出ている情報は、本当に一握り。

ご自分の足で現地に赴いて、視察をし、現地の方と直接話をすることで、思いがけない話が聞けたり、「出会い」が「出会い」を呼んで、いろいろな化学反応が起こる。
その結果、不可能にしか思えなかったことが可能になったりすることもあるのです。

そして思いがけない出会いが、かけがえのない一生の宝物になることも・・・。

そんなわけで、まずは行動を起こしてみることをお勧めしたいと思います。
きっと多くの収穫があると思いますよ。

お読みいただいて、ありがとうございました。



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