こんにちはニコニコ
 

この夏から秋にかけ、ぞくぞくと北欧映画の劇場公開の話題が入ってきています!

本日は8月5日(土)公開のデンマーク映画『オラファー・エリアソン 視覚と知覚』をご紹介。




デンマーク・コペンハーゲン生まれの芸術家、オラファー・エリアソンを追ったドキュメンタリー。視覚に訴える幻想的な作品で見る人の脳内を刺激する、現代のアートシーンのキーマンともいえる彼の作品制作の様子、各国での展示、出品作品の会場の模様、ドイツに構えるスタジオなど、世界が注目するアーティストから生み出される芸術の貴重な現場や人間ドラマを映し出した作品です。



「ザ・ニューヨークシティ・ウォーターフォールズ」(2008)※

 

2008年にNYのイースト川に4つの巨大な人工滝を作り、街全体を巻き込む大規模な代表作「ザ・ニューヨークシティ・ウォーターフォールズ」の制作を追いながら、NYや日本、ロンドンなどで開催された展示の模様、複数のアート作品が同時進行で制作されるスタジオの様子など、彼の作品の表舞台と裏舞台を興味深く見せてくれます。

※「ザ・ニューヨークシティ・ウォーターフォールズ」(2008)

高さ最大36mから毎分13万リットルの水が流れ落ちる4つの滝は、制作費約17億円、世界55ヶ国・140万人を動員。75億円以上の経済効果をあげ、アートシーンに衝撃を与えた。



 

幼い頃、アイスランドに住んでいたというオラファー。「アイスランドに望郷の想いはない」と言いつつも、定期的にアイスランドに足を運び、自ら大自然に身を乗り出し、静かに対話を重ねていたのが印象的。次なる作品へのアイデアに結びついているようで、幼少期の環境、アイスランドが密かに彼の中で大きな影響を与えていることがわかります。(NYの滝のアートは、アイスランドの滝からインスパイアされたのかも?)
 

オラファーは劇中で時折、私たち鑑賞者に向かって、不思議な視覚体験を促してくれます。そんな呼びかけに参加している私たち自身もまた、映画作品の一部に!私ももちろんトライしてみましたが、なるほど!説明より実践ですね。私たちが当たり前だと思っていた現実は、見ている人次第で決まってくる。

見る人の既成概念を取っ払うような、これまでにあった視点とは違う視点、異なる世界があることを教えてくれます。これは芸術だけの話ではないと。



 

また、随所に現れる彼のキャラクターの中で印象的だったのは、多忙な中でも、仲間や家族への気遣いを忘れていないということ。世界的に名を知られ、注目を浴びるアーティストとしての重圧を感じながらも、家族との時間はやはり幸せそのもの。息子のやり取りが微笑ましかったです。
 

日本では、東京・原美術館や金沢21世紀美術館での個展のほか、瀬戸内国際芸術祭2016ではベネッセアートサイト直島で作品を発表。近くでは、今年8月4日から開催されるヨコハマトリエンナーレ2017(8/4-11/5)での出展が決定しています。


『オラファー・エリアソン 視覚と知覚』は、8月5日、アップリンクほか全国にて公開!

 


オラファー・エリアソン 視覚と知覚
監督:ヘンリク・ルンデ、ヤコブ・イェルゲンセン
2009/デンマーク/英語、デンマーク語/77分
原題:Olafur Eliasson:Space is Process

Copyright: Jacob Jørgensen, JJFilm, Denmark

http://www.ficka.jp/olafur

 

8月5日(土)よりアップリンクほか全国劇場ロードショー!


北欧区記事:http://hokuwalk.com/News/page/page_id/012017061900015001

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劇中では登場しませんが、オラファーがデザインを手がけたコペンハーゲンの橋に関する記事もご参考に!(2015年8月22日にオープン)

コペンハーゲンに年内完成予定か!?旋回する円形の橋とは?』(北欧ニュース:2015/02/10)