こんにちはニコニコ


先週アイスランド大使館にて、映画『好きにならずにいられない』公開記念イベントが行われました。本日はその模様をレポート!




レストラン「ストックホルム」さんによるケータリングを楽しみながら、第1部は、東京国際映画祭にて上映される作品を選定する重要な役割を担う、プログラミングディレクター、矢田部吉彦さんと、毎年冬に開催される北欧映画祭トーキョーノーザンライツフェスティバルの細川典子さんによるディープすぎる北欧映画トーク。


第2部は、森百合子さん司会進行で、デンマーク男子イェンスさん、フィンランド男子ヨウコさん、アイスランド男子ラグナルさんによる北欧イベント「北欧ぷちとりっぷ」の人気コーナー、北欧男子トークで盛り上がりました。>>今年1月に開催された北欧ぷちとりっぷの模様


『好きにならずにいられない』は、2015年の北欧映画ナンバーワンを決める映画賞「第12回ノルディック映画賞」に輝いたアイスランド映画。いよいよ今週末、6月18日に公開されます。


矢田部さん(左)と細川さん(右)


人の闇を巧みに描き、容赦ないストーリー展開で人々の度肝を抜く北欧映画。カンヌ映画祭などの最新情報なども飛び出しました。


北欧映画を、「人の心の中にズカズカと土足で入ってくるリアリズム」と表現する矢田部さん。デンマークのラース・フォン・トリアー監督が提唱する「ドグマ95」には衝撃を受けたそうです。

北欧映画人では、デンマーク生まれ、ノルウェーで活動するヨアキム・トリアーやスサンネ・ビア(デンマーク)、日本でも公開された、スウェーデン映画『フレンチアルプスで起きたこと』のリューベン・オストルンド。脚本が上手いと、トビアス・リンドホルム(デンマーク)の名前も挙がりました。


5月のカンヌ映画祭に行って帰ってきたばかりの矢田部さん。今年のカンヌでの北欧映画は、「ある視点部門」でフィンランドの『HYMYILEVÄ MIES(THE HAPPIEST DAY IN THE LIFE OF OLLI MÄKI)』が最高賞を受賞。実在したボクサー、オッリ・マキをフィーチャーした作品で、受賞はちょっと意外だったよう。


『ロッキー』のようなスポーツドラマではなく、モノクロ画面のアートな作品という印象だとか。どうやら、まったく狙っていないところよかったのか(?)、「エンタメ的な映画を作る気ないでしょ?!みたいな映画(笑)」とツッコんでいた矢田部さん。東京国際映画祭で?それともトーキョーノーザンライツフェスティバルで上映されます・・・?(フィンランド映画祭という手も?)


馬々と人間たち』や『ひつじ村の兄弟』など、ここ最近日本でも続けて公開され、コンスタントに質の高い映画を排出しているアイスランド。


『好きにならずにいられない』は、脚本の良さから、「世界中のどこで撮影しても面白いと思う。とにかく“優しい”ですよね~」と矢田部さん。「ダーグル・カウリ監督作品には“ダメっぽい人”がいつも出てくるけれど、スクリーンから愛情が伝わってきますよね」と細川さんも絶賛していました。



第2部は、デンマーク(既婚1児のパパ)、フィンランド(既婚)、アイスランド(学生)男子たちが登壇。それぞれの目線で、事前に集まった質問に真面目に回答?!トーク内容をピックアップしてみました。北欧男子のトークに会場興味津々!


●北欧には、映画の主人公、フーシのような尽くす系男子が多い?

「自分が好きになった人には尽くすんじゃないかな」
「そういう人が多いと思う」
「男女問わず、好きな人のためだったら尽くすと思う。でも、フーシみたいな人、あそこまでの人はなかなかいないかも(笑)」


●見た目より、中身重視?

「そうだね、年齢とともに見た目は変わるけど、愛はそういうものに左右されない、もっと深いもの」
「うん、表情に出てくるよね。性格とかも」
「・・・そうだと思う」
→ここで「見た目重視」とか言える雰囲気ではないと察した?(森さんからツッコまれるラグナル)


北欧の結婚や事実婚についての話題では、法律や保険などを考えたり、社会的支援もあるので、結婚のほうが得なことが多く、楽かもという意見が。フィンランドでも10年くらい一緒にいて、結婚するカップルも多いとか。

家族への結婚の報告は特になかったり(1年後に知ったり)して、結婚に対して日本とはとらえ方がちょっと異なるよう。


●日本に住んでみて、男女差を感じることがある?

「自分の周りを見ていても、たくさん差があると感じるね」
「職場の人に子供が生まれたけど、休めないって言ってる」
「男子で集まると、『女だから』とか、『~のくせに』っていう言葉が聞こえてくるのが気になる。不思議」

 

最後に、どこで北欧男子に会えるの?という質問に、デンマーク人イェンスから、「それはヒミツだね」との答え。(森にいませんか?)


いえいえ、その後ちゃーんと教えてくれましたよ!皆様、メモのご用意を。


―飲む場所。最後までいるのは北欧人かも?
―国際イベント。ビアフェスなど。
―外国人が多いバー


なるほど・・・アルコールのにおいがするところ、のようです。(わかるわかる)


アイスランド人に関しては、現在日本に73人しかいないとか!Σ(゚д゚;)
出会うことが出来たら、かなりすごい確率ですね!

『好きにならずにいられない』を見て、久しぶりにアイスランド語を聞き、「90分間、心癒された・・・」と、嬉しそうに話すアイスランド男子ラグナル。

アイスランド人もおすすめ!映画『好きにならずにいられない』。ぜひ劇場で!



会場の皆さんとワイワイしながら、レストラン「ストックホルム」さんのお料理を囲みました。
ミートボールも美味しかったです!


【ストーリー】
アイスランドに住む43歳独身・オタク・女性経験ナシ・シャイで冴えない大男のフーシ。空港の荷物係として単調な日々を送るフーシの唯一の楽しみは、戦車や兵士の小さなフィギュアでジオラマを作って遊ぶこと。そんな息子を見かねた母は、出会いのチャンスを作ろうと誕生日にダンススクールのクーポンをプレゼントする。母親の期待にこたえようとしぶしぶ出かけたフーシだったが、そこで心に傷を負った一人の女性と出会い、孤独だった人生に変化が訪れるー。



好きにならずにいられない
監督・脚本:ダーグル・カウリ
出演:グンナル・ヨンソン、リムル・クリスチャンスドッティル、シガージョン・キャルタンソン、マーグレット・ヘルガ・ヨハンスドッティル
2014/アイスランド・デンマーク/アイスランド語/カラー/2.39:1/デジタル/5.1ch/94分
原題:Fusi/インターナショナル・タイトル:Virgin Mountain/日本語字幕:岩辺いずみ
後援:アイスランド大使館、デンマーク大使館
配給・宣伝:マジックアワー 
(c)Rasmus Videbæk
http://www.magichour.co.jp/fusi/


6月18日(土)、ヒューマントラストシネマ有楽町ほか全国ロードショー


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