DF 第15話




行方不明の少女、マドカのもとへ
旅立った4人、そしてヒナ。

5人は不思議な馬車に乗り込み
時空の歪んだ森へ向かう。

そして
ヒナとマドカは再会を喜びあう。


森を散策中、
3人の怪しい男達に出会う。


ウェイン
ジャイロ
アポロ


彼らは何者なのか?
敵なのか、味方なのか。。。



前回のお話はここから→★14話



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マドカの家


「さてと。。。」

「食事の準備ができたわ。
 グラスも出したし。。」














「。。で?
お前らはどこから来たんだ?」


「オレ達は時空の馬車に乗ってきた。
お前らもか?」













アポロ
「うん
そうだよ。


僕達はある調査に来たのさ。
まぁ、
秘密の任務なんだけど。

あっ、言っちゃった」








ウェイン
「アポロ
お前は黙っていなさい。

まだ素性も分からない同士なんだ。
敵じゃなさそうだけど。。。」





ミショネリー
「ん~~
お腹が空いて力が出ないよ。。。」









マドカ
「みんなで食事しましょう。
お腹が空いていると
ケンカもしたくなるしね。

それに。。。
ワインもあるし
出逢いに乾杯しましょ」













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ソラ
「これ、不思議だよな。。。
どういう原理で飛べるんだ?
こんな鋼の重さで。。」





ナツ
「だよな。

空中に浮かんで、しかも飛んでるなんて
信じらんねぇ。」















アポロ
「背中が痛くなることもあるけど
これが僕の最強兵器。

鋼の翼があれば
僕はどこへでも移動できるんだ。

ただ、さっきは
突風に煽られちゃって
木に引っかかっちゃったけどね。。。」

















ナツ
「へぇ~~
すごいな。


ミルメ、どう思う?」











アポロ
「君もフライングキャップをかぶってるけど。。。
 ミルメ、
 君も翼を持っているの?」




ミルメ
「オレは生身じゃ飛べないよ。
 オレは飛行機乗りなんだ。

 翼はない。
 あったらいいけどな♪」



「なぁ、お前さ
 飛ぶ時って助走つけて飛んだりすんの?

 いいなぁ~~
 生身で飛ぶのって、どんな感覚?」











ミルメ
「オレは飛行機乗りの学校に行って勉強した。
お前みたいに翼があって飛べたら。。。
すげぇ気持ちいいだろうな~~
それって、飛行機乗りの夢だぜ?」



アポロ
「何万光年の彼方の
渦巻き銀河を見てみたいよ。

星座や
星座に隠れる星雲。
星団も。。。」



「僕は小さい頃から飛べたんだ。
この羽根はもらったんだよ。
お姉ちゃんに。。。」




ミルメ
「へぇ、いいなぁ~!」









 














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ミショネリー
「君のこの香り。。。

椿と同じいい匂いがする」




















「はぁ?
椿ってなんだ。

人の名前か?
いきなりなんだよ?」
















ミショネリー
「君のこの香りは何だろう?
どこかで知ってる香りなんだ。
ねぇ、アポロ」




アポロ
「ミー君。

もしかして、これ
椿の香りに似てない?」




マドカ
「椿?」







アポロ
「椿は
 僕の彼女。」

「ナースなんだよ」















「えっ、
 椿って。。。

 あの椿かなぁ?」
 同じ看護学校に通っていた。。。」










「懐かしいね~~

 そっか
 椿、ナースになったんだ!」





「しかも彼もいるんだね」
「椿って元気な子だったわよね。
 元気かなぁ~」













「そうだ。。

匂いって言えば
学生時代、
すごくいい匂いの雨が降ってきたことがあったね!








マドカ
「私の頭の上に、
急にぼたぼた降ってきて。。。

しばらく降り続いたわよね。

でも
あっという間に止んじゃって。。。


あれなんだったんだろうね~」












ヒナ
「懐かしい名前聞いちゃった。
 会いたいなぁ。。。

 もし奇跡が起こるのなら、
 会いたい人に、すぐに会える呪文を知りたいよ」




マドカ
「7月の雨には、そんな力はないのかな?
あの不思議な雨の日も。。。
7月だったよね?」
















ミショネリー
「そうだな
 椿もそう言ってたことあったな」













ナツ
「いい匂いの雨が?
 本当に雨なのか?

 そんないい香りの水滴なんて
 聞いたことないぜ?」




「ところで。。。ミショネリー。。。
 なぁ、あんたさ」



「あんた。。。
 軍人なんだろ?
 何に仕えてるんだ?


 



ミショネリー
「私は何にも仕えていない。。

 私は体が動かない状態で過ごしていたんだ。。
 絶望の日だったな。

 そんな時にあったのが、アポロだったのさ。」







「アポロが私の体を心配して
 椿に会わせてくれた。
 椿も私の体を治してくれようとした。

 みんなには助けられた。。。

 だから
 私が仕えてるとしたら
 アポロなのかもしれないな。。」














「私は
 アポロが大好きだ」





ナツ
「いい友達、いんじゃねぇか。

 だよな!
 友達はいいよな。。」









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別室にて
キズキとウェイン






「キズキ
お前達はどこまで調査をしているんだ?

何か知っているのか。」





キズキ
「ウェインさん。

 さっきの話。。。どう思います?
 いい匂いの雨って。。

何か引っかかりませんか?」










ウェイン
「いい匂いの雨ね。。

それよりも、俺はあのお嬢さん達と
椿が同じ学校っていうのが気になる。。」



キズキ
「え、どうしてですか?」




「特に理由はないけど。
 ただの勘だよ」

「君らは、
 何で人のいない森にいるんだい?

 あの、マドカって子以外は住んでいるわけじゃないんだろ?」





キズキ
「自分達のことは秘密だと言って
 教えてくれないくせに
 ずいぶんと、突っ込んで聞いてくるんですね?
 ウェインさん。」








ウェイン
「そういう条件だろ?
 別に話したくなかったら、無理しなくていいんだぜ?」






キズキ
「いや。。。
 オレ達の調査に関しては別に隠すこともないです。
 あなたは信頼できそうだ。」


「実はオレ達の国で、
 同じ年頃の女の子が、いなくなる事件が頻繁に起きていて。。
 それについて調べているんだ。」


 あの、ヒナっていう女の子もさらわれそうになった。
 マドカっていう子もだ。」




ウェイン
「ふーーん。。。

 引っかかるな。

 今の話だと
 いなくなる=さらわれるって決めつけているけど
 いなくなっている子は全員さらわれているのか?」






キズキ
「そういうわけでは。。。」

「でもウェインさんに言われるまで
 いなくなっている子は、全員誘拐だと決めつけていました。」






「うーーん。。。
 何か引っかかる」















「俺達は正直、その事件には関係ない。。

 だけど、ここに来たのも。。。
 まぁ、ここに行けって言った奴がいるんだけどな。

 この話は
 何か、全て後からつながるような気がするんだよな」





キズキ
「でも、その何かとは。。。
 任務の内容は教えてくれないんですね?」





ウェイン
「教えないっていうわけじゃない。
 本当にここに、何があるのかって確認するっていうだけの任務内容なんだ」
 でも
 他に何か大きいことにつながる気がする。」



「まぁ、いいや。
 この話は、また後で。

 ビール!
 酒を飲ませてくれ。限界だ~







キズキ
 「やれやれ。。。
  聞き取りはここまでが限界か。

  じゃ、飲みましょう。」







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ソラ
「ねぇ、ナツ。
 こう考えたことはある?
 もしも自分が魚、だったら。。。って。」



ナツ
「魚?
 何だよ、急に」




ソラ
「人間にとって雨は”降る”ものだろ?

 でも魚にとっては決して”降るもの”ではないんだよ。」



ナツ
「は?
 何、それ。
 わかんねーーよ」





ソラ
「水面の光乱れれば、7月の雨を知らない魚は沈んで泳ぐ。。」

「7月の雨は、自分の上にある水面の光が乱れること。
 6月でもない、
 8月でもない。。。
 7月の清々しい水面の光。


 オレ達はまるで
 その魚みたいじゃないか。


 水の上で起こっていることが分からず
 そこが海なのか、川なのか
 湖なのか。。。
 気づかずにさまよってるのさ。」


 







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 マドカ
 「食事は十分かしら?
  まだたくさんあるから。。。
  たくさん食べてくださいね。

 (この森に、こんなにたくさんの人。
  みんな、とっても楽しそう。。。)


 (久しぶりに、なんだかワクワクしちゃうな。)










更けていく森の中の夜。
燭台の蝋燭の灯りが、暖かい。

笑い声
ケンカ
嘲笑
つぶやき
憶測

それぞれの気持ちを乗せて
7月の雨は
それぞれの上に降り注ぐ。

しめやかに
ひっそりと
音もなく
忍び込む。




To be continue!







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