本当は明日ですが、明日は仕事の都合でブログを書く時間がないと
思うので1日早く書きます。
9月9日は重陽節または重陽の節句です。陰陽節では奇数が陽で
偶数が陰なので9月9日は一番大きな陽が重なる日だから重陽節
です。
この日は高い所に登り、茱萸(シュユ、ぐみ)を飾り、菊のお酒を
飲んで邪気を祓うと言われています。
高い山に登るのはこの季節のきれいな景色を愛でる目的だと思います。
先に種明かしをすると旧暦の九月九日は今年の場合10月23日で残暑とは
かけ離れた秋の気配がすっかりなじんだ、24節気の霜降で(そうこう、
しもふりではありません)日本では紅葉が真っ盛りの頃です。ですから
高い所に登ってもそんなに汗ばまず菊のお酒を楽しめる季節です。
さて茱萸ですが漢方で使うのには2つ考えられますひとつは山茱萸
(サンシュユ)という生薬です腎虚(ジンキョ)という漢方ではED的な
意味合いのある症状にはファーストチョイスである八味地黄丸や
六味地黄丸に配合されている生薬です。ミズキ科という植物の仲間で
果肉を使います。
呉茱萸
もうひとつは呉茱萸(ゴシュユ)という生薬です
これは山茱萸と違いミカン科の植物で生薬としては未熟果実を使い
ます。温中散寒という字を見ても解る通り体を温めて寒を散じます。
つまり冷えのひどい状態や冷えからくる痛みに効果があります。
漢方処方では頭痛等に使う呉茱萸湯や当帰四逆加呉茱萸生姜湯
(トウキシギャクカゴシュユショウキョウトウ)という手足のひどい
冷えやしもやけ(凍傷)に使う処方に入っていますがこの呉茱萸の味と
香りはかなり独特で私はあまり好きではありません。そこで重陽節で
食せずに飾るだけそして邪を祓うというのであれば茱萸は呉茱萸のこと
ではないかと思われます。また茱萸(ぐみ)はそれこそグミ科の植物で
山茱萸や呉茱萸とは違いますがこれもどちらかというと独特な風味を
持っています。定かではないのですが(ダッタライウナ)渋味のひどい
のをエグミと言いますがこの茱萸から来たのではないかと思います。
今日の1曲は董貞で「重陽」です。