『それって・・・幼馴染って・・・小さい時から近くに居たって事なのよね?』
「あ・・・ううん・・・そういう感じだけど・・・」
『そっか・・・そうなんだ・・・はぁ・・・ふふふ・・・ははは・・・笑える。』
彼女の頬には、さっきまでの涙の跡が残る。なのに突然、壊れたように笑い出す。
とは言っても、何だか投げやりな感じの笑い声ではあるけど・・・
一体、何が笑えるの?
「あのぉ・・・私、もう行っても良いかな?そろそろチャイムが鳴ると思うの。
チャイムが鳴った後だと、ココからだと走らないと間に合わないでしょ?」
教室に続く廊下に顔を向けると、廊下に佇む昨日の彼と目が合う。
うわぁ・・・朝から飽きもせず、ホント尚斗君に忠実なんだ。
彼女は、彼の存在に既に気がついていた様で、またクスッっと笑い
『アンタの事、一度だけ聞いたことがある。』
そう言って、短い前髪を触る。
『はぁー・・・結局、出会いの早さ?じゃ、アンタに勝つためには前世で逢ってなきゃ
駄目だったんだ・・・無理だし・・・てか、アイツこんな風に人の彼女の見張りばかり
して楽しいのかな?人の髪の毛、何の躊躇もなくバッサリとカッターナイフで切って
おきながら、よく平気な顔していられるよ。そんなアンタも、アンタよ。
昨日の今日なのに、簡単に警戒もせず、どうしてついてくるの?今度は何されるか
わかんないじゃん。あぁ、もう・・・さっさと行って。聞きたい事は聞いたから。』
幼馴染という答えで、納得できたって事なんだろうけど、彼女の聞きたかった事って
私と尚斗君の関係だけ?
「あの・・・髪の事なんだけど・・・・私と関わったせいだと思うから、ごめんなさい。」
そう言って彼女に背を向け、慌てて駆け出した私に向かって彼女が叫ぶ。
『やった後に、高宮さんの一番は誰?って質問したの!絶対に真実を答えてって!』
立ち止まり振り替える。
『高宮さんの答えは、幼い時から一番の存在はココにあるって、胸に手を当てた。』
叫びながら、私の前に来た彼女。
『何をどうしても変わらない変えられない運命なんだって言ってた。私を諦めさせる
嘘だと思ってた。だからアンタも直ぐに捨てられて終わりだって、そう言ってやろうと
思ってたのに・・・無理じゃん。出会いの早さは、どう足掻いても勝てないじゃん。』
さっき貸したハンカチを差し出す。
『でもね、私はまだ序の口だから・・・簡単に呼び出されて出て行っちゃ痛い目
見るから・・・あぁ、もう私・・・何、言ってんだろ・・・とにかく、気をつけるのね』
私がハンカチを受け取ると、彼女は先ほどとは違う優しい笑顔を見せて、
立ち去った。
えっと・・・これって・・・もしかして・・・彼女は、私を認めてエールしてくれたって事?
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