無翼の天使20 | 恋愛小説 くもりのちはれ

『お前さ、ワザとか?その、得体の知れない間と魔球並みの変化球トークって


究極のボケのつもりか?それがマジだったら、ありえねぇんだけど。』


「・・・ボケって・・・そんなつもりないよ・・・」


私の膝ぎりぎりに詰め寄り、上から見下ろす威圧的な慶人・・・やっぱ恐いよぉ。


『とにかく俺の聞きてぇ事に、簡潔に答えろ!まずは、ナオトとお前の関係は?』


「えっと・・・お兄ちゃんと私の関係って言われても、何?」


またまた慶人の言う所の魔球トークで返事をした私に慶人は、眉間にしわを寄せ、


漫画なら額の端には、怒りマークが書かれるであろう程の苛立ちを、見せる。


助けを求めて、隣に座るお兄ちゃんをチラリと見ると、携帯を片手に含み笑い。


ちょっと、何か言ってよ・・・フォローしてよ・・・妹のピンチなのに・・・


その余裕、何なの?


「あのね、だから・・・私は、高宮尚斗の正真正銘の妹・・・だよ。」


『そっ、ならお前も、愛人の子か?』


「愛人?えぇ・・・愛人って、何?」


『愛人は、愛人だろ。』


「ちょっちょっと待って、慶人。どうして、そんな昼ドラちっくな話になるの?」


『お前の名前、高宮じゃねぇじゃん。だから・・・』


「あぁ・・・違う違う。だってパパは、ママだけだし・・・て言うか逆に恐いぐらい


執着してるから、ママが時々可愛そうな程だし、でもアレは完全に脳がママ


に犯されてるし・・・まっ、あそこまで愛されちゃったら本望だろうけど・・・


ちょっとウザイかなって感じで『だから、簡潔で良いって言ってんだろ!』


『フッ・・・』


隣の席のお兄ちゃんが、携帯に目を落としたまま、何が面白いのか軽く笑う。


『じゃ、夏樹は?』


「夏樹は、前も言った通り・・・ご近所さん?です。」


ブッー!!


私のセリフに突然、吹き出すお兄ちゃん。


『おもしれぇー!!はははっ・・・マジ?はははっ腹イテェ・・・ご近所さんって


真菜・・・お前、サイコー!』


『ナオト、いい加減にしろよ。お前は黙ってろ!』


んっ?何?二人とは又違う異様な視線を感じる・・・周囲を見回せば・・・


「嘘っ!!」


怒る慶人に笑うお兄ちゃん・・・どちらも長身の超イケメン・・・でもね、何コレ?


そんな目立ってる?私たち3人を遠巻きに見つめる、ありえない数の視線。



ポチッ↓としてくれると嬉しいです♪

 にほんブログ村 小説ブログ 恋愛小説(純愛)へ

にほんブログ村


19 /目次 / 21