夏祭り11 | 恋愛小説 くもりのちはれ

お店を出て、歩君がナル君に連絡を入れたり、私には分からない仲間内の事で


電話している間、私と花ちゃんは色々と話をした。


ミッキーは、さっき別れた花ちゃんの友達心配だと、誰かに連絡を入れている。


案外、細かいところに気が付くんだなぁ・・・と感心していたら


『奈緒さん、渡会さん程じゃないだろうけど・・・ミッキー君ってモテますよね?』


花ちゃんは、ミッキーを見ながら小さな声で尋ねてくる。


「えっ?花ちゃんとミッキーの関係って?・・・えっと・・・間違ってたらゴメン。


花ちゃんは、ミッキーが好きなの?」人事なのにウキウキした気分になる私。


花ちゃんは、コクリと頷いて、恥ずかしそうに話し出す。


『実は、私・・・ずっとミッキー君の事、見てたんです。始めはチャラチャラしてる


男の子って思ってたけど、本当は面白くて、でも優しくて・・・私には無い良いトコ


たくさん持ってて・・・さっきも、私を守ってくれたんです。カッコ良かったですよ。


でも、ミッキー君には、内緒にしてくださいね。恥ずかしいし友達になれただけで


嬉しいし、私なんて全然つり合わない素敵な男の子だから・・・』


と頬を真っ赤にさせる。


イヤイヤ・・・花ちゃんこそミッキーの良さが分かるなんて、凄く素敵な女の子だよ。


「私が言うのも変だけど、ミッキーは花ちゃんに夢中だよ・・・2人はお似合いだよ!」


そう笑った私に、『だったら嬉しいのですが・・・』と遠慮がちに微笑む花ちゃん。


『奈緒っ、花火が特別綺麗に見える場所、確保させたから行くぞ!』


いつのまにか歩君の仲間達が数人集まって来ていて、歩君が手招きしている。


私が歩君の元へ行くと、入れ替わりにミッキーが花ちゃんの元へ駆け寄る。


『花ちゃん、時間は大丈夫?無理なら俺、送っていくから。でも・・・あっ・・・お・・・


俺は花ちゃんを見たい!!・・・あれっ、違う・・・花ちゃんと花火が見たいっ・・・


ははは・・・噛んじゃった・・・』いつもと一緒のようで、少し違うミッキー。


『私も・・・ミッキー君と花火見たい。』花ちゃんの返事に、ミッキーは声も裏返る程


『ホントにホント・・・コレは夢か、うめぼしか?』と、興奮気味。


んっ・・・うめぼし?・・・何っ?・・・もしかして幻?の事かな・・・


歩君の隣で手をつなぎ歩きながらも、背後の2人の会話が気になっちゃう。


『フフフッ・・・ミッキー君ってやっぱり面白い。』


『花ちゃん、何か食べたいものある?あっ、かぎ氷は、リンゴ飴は?たこ焼きは?


『あっ、ミッキー君の食べたいもので良いよ・・』


『じゃあ、あっちに行ってみようか・・・あのさ・・・はぐれちゃ悪いから・・・手・・・』


がんばれ、ミッキー。手をつなごうって言っちゃえ!!心の中で応援していると


『奈緒、いい加減にしろ・・・俺以外の男の事、気にしてんじゃねぇよ。』


もう、大丈夫だから、ほっといてやれよ・・・と歩君。


結局、歩君も私と同じでミッキーの事心配してたみたい。振り返り二人を確認して


『アイツ、女見る目結構あったんだな。まっ、俺ほどじゃねぇけど。』と、微笑んだ。


そして・・・花火が終わった帰り道。


『奈緒、何でそんなに嬉しそうなんだ?』歩君が、私の顔を覗き込む。


「だって、ほらっ・・・ミッキー達、手つないでるっ♪いい感じだなって思って・・・」


ミッキーと花ちゃんを見ると、自然に手をつなぎ歩いている。


良かった・・・お互いの気持ちが通じ合ったんだね。



ポチッ↓としてくれると嬉しいです♪


 にほんブログ村 小説ブログ 恋愛小説(純愛)へ

にほんブログ村


目次 /