天使の悪戯48*成の苦悩2 | 恋愛小説 くもりのちはれ

side成/成の苦悩2


『ナル君・・・アユムは?どうして、最近ずっと顔出さないの?』


化粧をベタベタと塗りたくった女が、甘えるように甲高い声を出す。


お前ごときの分際で、どうして歩を呼び捨てしてんだよ。


目の前にあるテーブルを蹴り飛ばし、女の髪の毛を掴み椅子から引き摺り下ろす。


青ざめ俺を見上げる女は『あっ・・・わ、わたし・・・何か悪い事したかな・・・』


「帰れ」一言告げると・・・


女は、不満げに『ただアユムに会いた「誰の名前呼び捨てしてんだ、てめぇは!」


叫ぶ俺の声を聞きつけて、周りの奴らが近寄り女を部屋から引きずり出す。


「厄介な事になんねぇ様に、少しきつく絞めとけよ」


あんな風に奈緒ちゃんに危害を加えられた今、同じような事がいつ起こっても、


おかしくねぇ。歩が初めて惚れた奈緒ちゃんは、間違いなく注目を浴びている。


そして少しでも怪しげな芽は全部、根こそぎ摘んだはずだった・・・それでも・・・


得体の知れない誰かが、奈緒ちゃんの身辺を調べていると情報が入る。


数も倍に増やし、手は一切出せないはず。そこまでしても、手薄になる場所が


一つある。奈緒ちゃんの高校だ。敷地内で何か起こると、かなり厳しい。


『奈緒が車に乗ってしまった・・・』


奈緒ちゃんのダチが告げた言葉に、一瞬・・・頭の中が真っ白になった。


だが、車に乗ると言う事は校門を出たと言う事。大丈夫だ・・・数人がバイクで


後をつけてるだろう。


『たぶん・・・彼氏さんの浮気相手?』彼女が告げる拉致犯の正体。


歩が浮気なんてありえねぇ・・・けど・・・摘んだと思っていた芽は、どこかで伸び続け


奈緒ちゃんに危害を加えるつもりなのかもしれねぇ・・・。


突然、鳴り出す携帯・・・あぁ車の後をつけてるバイク野郎からだ。


「で、誰だ?」


俺を出し抜くなんて、良い度胸だ・・・目に物見せてやる。


『成さん、参りましたよ・・・手、出せ無いっす。


実は、奈緒さん拉致ったの・・・アカリさんなんですが・・・どうします?』


その答えに・・・俺は・・・しばらく言葉もでなかった。



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