『緊張する・・・私がお邪魔する事、ハルのお母さん何か言ってた?』
いつもとは違うテンションのミキ。
「イヤ、何も・・・てか、ミキが彼女だって知らねぇんだ」
わざわざ話す事もないかと、彼女ができた事すら言ってなかった。
『何も言ってないの?私が彼女って知ったらどう思うかな?
どうしよう嫌われたら・・・あーもう余計、緊張する。
ハル、先に言っておいてくれたら良かったのに・・・』
ミキは両手で頬を軽く叩く様に『顔も強張ってきちゃった』と、
不安げな眼差しを俺に向ける。
「あのさ、俺の部屋にすぐ行きゃいいから、そんな緊張しなくて良いって」
そう言う自分も、今朝の母親の様子から、ミキを見たときの母親の反応が怖い。
ミキに余計な事、言わなきゃ良いけど・・・まっ、言わないとしても驚愕するだろうが。
そして俺の家の玄関前、振り向くとミキは立ちどまり、深呼吸を繰り返してる。
ポケットから鍵を出し、ドアを開けると『いらっしゃい』と、目の前に母さんが・・・
待ち構えてたのか、にっこり微笑み立っている。
そして俺の背後のミキを見て、一瞬にして固まる母さん。
『おっ、お兄ちゃん、マジで連れてきたの?』と、リビングから少し顔を出すアキ。
『あっ・・・どうも、こんにちは・・・お久しぶりです。』
俺の横に来て、頭を下げるミキ。
「ただいま。俺の部屋2階だから・・・行こう」
靴を脱ぎ、ミキの前にスリッパを出し、さっさと階段を上ろうとする俺を
『ちょっと待って』と、ミキが腕を掴み引き止める。
そして、鞄から可愛らしくラッピングされた袋を取り出し
『あのコレ、私が作ったクッキーなんですけど、食べてください。』
と、母さんの前に差し出すと、リビングにいるアキに向かって
『アキちゃんも、食べてね』と微笑んだ。その瞬間、母さんもアキも・・・
一瞬にして俺同様、強烈なミキのスマイルパワーに心奪われる。
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