大切なのは・・・3 | 恋愛小説 くもりのちはれ

『ミキちゃん、ケーキがあるのよ。こっちに来て一緒に食べましょ。』


母さんは、にっこり微笑み強引に、ミキをリビングへと招きいれようとする。


「ちょっ、俺たち上に行くから、ほらミキ行くぞ」


そう言って、ミキの腕を掴んで2階に上がろうとする俺に


『お兄ちゃん、私もミキちゃんと久しぶりだから、お話したい!』


と、アキが母さんの援護をしてきた


『ハル・・・お母さん達とケーキだけでも一緒に食べよう?』


ミキは、腕を掴んでる俺の手を、もう片方の手で握り『いいでしょ?』と下から


覗き込むように、俺の顔を見る。その表情はずるい・・・反則だ。


「しかたねぇな・・・少しだけな・・・それで良いか?」すると、ミキはコクリと頷く。


そんな俺たちのやり取りを見て、顔を見合わせ喜ぶ母さんとアキ。


そして・・・ミキとリビングへ行きソファに二人並んで座ると、母さんとアキは


紅茶とケーキをテーブルに置き、矢継ぎ早にミキに質問を始める。


『ミキちゃん、驚いちゃったわよ・・・でも、ハルで良いの?ホントに・・・』


身を乗り出すように詰め寄る母さん。仮にも息子で良いのかってどういう事だよ。


『あっ・・・ハル君が・・・』ミキの返事の途中


『でも、いつから付き合ってるの?お兄ちゃんが告ったの?もちろんそうだよね?』


今度はアキの質問・・・あっ?でも何で、もちろんなんだよ・・・まっ、当たってるけど


『そりゃそうよ・・・ハルったら小学の時から、ミキちゃんのこと好きだったのよ!』


だから、どうして母さんが答えてんだよ?てか・・・


俺の片思いを、だから何で知ってんだよ?


『えぇーお兄ちゃんって、純なの?それとも執念深いの?』


おい・・・執念深いって・・・まっ・・・ハズレちゃ無いけど・・・


『あのぉ・・・私からハル君に好きだって言いました。』


ミキの突然の発言。


その瞬間・・・「はぁー?!」『ええっー?!』『うそぉー?!』


俺と母さんとアキの声が重なった。


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