友人Mの証言1 | 恋愛小説 くもりのちはれ

『加奈、最近付き合い悪いよ。今回だけは、お願い!』


春休みも終わりに近づき、桜の花もほぼ満開。


体育館横の水飲み場、女子の話声が響く。


近づいていくと・・・やっぱり・・・私の中学からの親友ふたり。


バレー部マネの加奈と私と同じサッカー部マネの奈緒。


『男も一緒って言っても、中学の同窓会みたいなもんだよ。


花見、お・は・な・み。目的は、桜を見てお食事っ!


合コンに行こうって言っているわけじゃないんだから』


実のところ・・・私も加奈を誘うように頼まれて此処に来た。


中学の同窓の男の子達から、


『必ず斉藤を連れて来い』って数件のメール。


きっと無理だろうなと思いつつ、此処に誘いに来たけど・・・


やっぱり、奈緒の説得にも・・・


『だって、先輩と約束しちゃったし・・・』と彼氏優先の加奈。


加奈の彼氏は、誰もが憧れるバレー部のキャプテン。


その彼氏は、顔は抜群にカッコいい、背も高い、頭も良くて、モテ男。


だけど・・・私は、加奈には・・・似合ってないと思ってる。


そりゃあ実際の彼氏さんは、評判どおりの良い男だけど・・・


私的には・・・あの人は、絶対にウラの顔を持ってると思うわけ。


いつだったか、加奈と駅で奈緒を待ってるときに見かけた彼氏さんは・・・


まったく学校での好青年とは、かけ離れたグループの中で馴染んでたし・・・


女慣れしてるって言うか・・・遊んでんじゃない?って感じ。


加奈には言えないけど・・・


ちょっと加奈も遊ばれてんじゃないの?って心配なんだよね・・・本当は。


まだ中学の時の元彼のアキラの方が、加奈には合ってる。


とにかくモテ子の加奈は、選びたい放題なんだから・・・うらやましいよ。


わざわざ胡散臭い人を選ばなくても、良いんじゃないのかな。


私は、本当に加奈が友達として大好きだから・・・今の彼氏は反対。


奈緒も同じ気持ちなのかな?


『ほらっ・・・彼氏べったりじゃなくさ、たまには別の人と話するとか・・・


あっ、そうそう、アキラも来るっていうし・・・』


いまだ説得を続ける奈緒。


よしっ。私も加奈を救うぞ。


今回の花見で他にも良い男はいるって教えてあげよう。


そう意気込んで、奈緒の加勢に入ろうと声を掛けようとした・・・けど・・・


加奈と奈緒を挟んで向かいに現れた人・・・私は一瞬で金縛り状態。


その人が二人に声を掛ける。


『斉藤。何してんの?ミィーティング始まんだけど。』


加奈の彼氏だ。


奈緒に誰もが見とれるほどの笑顔で会釈をする彼。


でも、でも・・・やっぱり彼は危険人物。私は見てしまった。


二人に話しかける前に見せた彼の表情・・・


加奈を誘う奈緒に向けたそれは・・・もう・・・震えが止まらない・・・


氷点下何度?5桁くらい簡単にいっちゃう?って程の冷たい視線。



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