優が見えなくなると、すぐに涙が溢れ出した。
その場で、泣き続ける私に困った銀髪男が言う。
『あっ・・・クロには伝言を頼まれただけで・・・俺達が勝手にしちゃったから・・・
もしかして・・・クロ・・・怒ってた???悪かったよ・・・なぁ・・・』
赤髪男が銀髪男に『やべぇよ・・・俺らが何かしたみたいに周りに見られてるぜ』
まじ、やべぇ・・・ガードマンがこっちに来たっ・・・と騒ぎ出す二人。
『お前が目立ちすぎんだって!』
『はっ?お前だろ!』
『赤過ぎんだよっ・・・だっせぇ』
『おっ!お前にゃ言われたくねぇ!ギラギラ野郎!』
『トマト野郎っ・・・うっせぇよ』
泣いている私の横で揉めだす二人。
わざとじゃないその会話がおもしろくて・・・涙も止まる。
「クスッ・・・喧嘩しないでください・・・もう大丈夫です。」と涙をぬぐう。
そんな私の様子を見て、二人は安心した様に顔を見合わせる。
「優の伝言って何だったんですか?」
バスで帰ると言った私を、バス停まで送ってくれる二人に尋ねる。
すると、銀髪男は・・・
『ソラはひまわり園・・・あっ・・・クロん家の敷地にある施設に預けてるから、
ソラはさみしがりやだから、たまに会いに行って欲しいって伝えてって』
『それで・・・』赤髪男が話出す。
『クロは口にしては無かったけど・・・俺が勝手に感じた事だけど・・・
ソラの事を言いながら・・・会いたいって思ってんのはアイツじゃないかと』
「だから、私を優に会わせてくれたんですね」そんな私のセリフに頷く赤髪男。
「ありがとう」私は二人をまっすぐに見つめてから深く頭を下げた。
「優は、とても良い友達がいるんですね。」と顔を上げ笑う私に
『そそっそんなことねぇよ・・・やべぇ・・・可愛い・・・』と言う赤髪男。
『お前、手出したら殺すってクロに言われてんだろうが・・・』と
銀髪男は赤髪男の頭を叩き・・・『でも・・・まじ、やべぇ・・・』と頭を掻いた。
週末、私はコウ君と一緒に、ソラに会いに出かけた。
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