リコⅡ3 | 恋愛小説 くもりのちはれ

わたし、いつ優にあったのかな?あの時、以前から知ってたって・・・言ってた。


いつから?入学式からってこと???


『麻井さん、ちょっと聞いてる?』


「えっ・・・あー・・・」


『もう、見た目こんなに綺麗で、天然って!


神様は不公平だよ・・・まったく』栗原さんは、頬をふくらます。


「・・・何の話だったかな・・・って・・・あっ優の話だったね」


『そうそう、黒岩君のこと。名前呼び捨てって・・・やっぱり、あれかな・・・


付き合ってるの?普通科とか英語科とか・・・気をつけたほうが良いよ。


ほら女はさ、男が絡むと怖いから。これ私の経験から得た忠告』


あっ先生きた・・・そう言って自分の席に戻ろうとする栗原さんに


「あっでも・・・私、別に優とは、付き合ってなんて・・・いない」


聞こえたかな?聞こえてないな・・・きっと・・・友達と談笑する優に視線を向ける。






「えっと・・・靴下とシャツと下着・・・あとはタオルに・・・うん、OK」


今日は木曜。手術の出頭日。


いつも木曜の放課後は、お父さんの病院に着替えを届ける。


立て続けに何件かの手術をこなすそうだ。


ほとんど家に居ても、仕事のことに縛られているお父さんは、お母さんの死から


まったく休み無しで、働いている。


『リコに心配されるようじゃ、お父さんも落ちたな・・・』って笑って言うけど・・・


ちゃんと食事とってるのか・・・あやしいものだ。


医者の不養生・・・だよね。少しは休んでほしい・・・だって、もう・・・私の家族は


お父さんだけだから。


そんなこと考えながら・・・裏口から院内へ足を踏み入れ、いつものように顔見知り


の看護士さんに荷物とお弁当を預け、病院のロビーを歩いていたら・・・


「優???」


優が制服のまま、正面向いのエレベーターから降りてきた。


走り寄って声をかける。


「優!!!」




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