先日、宮崎で開催されていた、Infinity Ventures Summit(インフィニティ・ベンチャーズ・サミット。以下IVS)に参加してきました。

参加回数も増えてきたので色々と知り合いも多くなり、最近では海外勢もかなり知り合いになってきたので、勉強をしにいくというよりは旧友と親睦を深める目的が俄然強くなってきた気がしますw

IVSの良いところは東京から離れた場所で泊り込みで行うので、参加者全員がかなりフランクな感じで交流できるところにあると思います。さらに、主催の小林さんたちの努力もあり、その時期に、海外で話題のベンチャーの参加も多く、今回でも、Facebook、RockYouUS、PlayFish、Admob、中国勢のFive Minutes、Rekooなどと多士多才でした。

今回の話題の中心はやはり「SNSのオープン化&ソーシャルアプリ」で、mixi、モバゲー、GREEの熱いバトルも繰り広げられていましたw ウチのgumiでも、mixiアプリに全力で取り組んでいますが、ソーシャルアプリをやっていて面白いなーと思うのが、この市場が世界と直結していると実感できるところです。サンシャイン牧場の大成功で有名になったRekooなどは、日本に支社すらない状態で日本でNo1をとったり、ヨーロッパのPlayfishがFacebookでNo2になったりと、面白いものをつくれば世界のユーザーに使ってもらえる可能性がある、mixiでオリジナリティのあるいいアプリを作るとそのまま世界をも狙える可能性があるところのビジネスとして大きな可能性を感じます。(もっとも最近は単純に面白いものを作るだけでは厳しくはなり始めていますが)


以下IVSのまとめ&感想です(非公式な場所なのでリップサービスもあるかとw)

【mixi】
mixiオープン後PCのPVが40%増
mixiアプリ導入によって滞在時間は倍になった
mixiアプリ登録数は2ヶ月で1500万人を突破
サンシャイン牧場 DAU50% WAU80%
予想収益規模 100万円~300万円/月 年間10億円あげるアプリが数多く出てくる可能性あり
広告200億円、課金200億円くらいの市場になるのではないか
Facebookは過当競争:PlayfishとEAがくっついていたりで海外は相当きついと思うので、まずは日本に集中すべき

【モバゲー】
mixiの不満点が2つ。中国人に席巻されている&アプリが落ちすぎ(すみません・・・苦笑)
CPAのポイントインセンティブを提供:直接課金と同じくらいの規模になる
モバイルだけど、パートナーが自由に広告掲載が可能に。外部リンクも中間ページを挟むけどOK(mixiとの違い)
ゲームと3Dアバターの連動。これが一番のモバゲーの特徴だな。かなり面白いものが作れそう
インフラ・デバック・カスタマーサポートサービスも提供(すごいけど高い:値段は検討中らしいので安くなるかも)
メッセージフィードに友達のアクティビティ以外に、ゲームからのお知らせもプッシュできるように。これもmixiにはない機能でとても重要
内製ソーシャルゲームを4つリリース:
25日間の売上3億円。1タイトル1億円を軽く突破。ヒットの条件は月3億~5億円。累計PV 50億PV
モバゲーのプラットフォームはオープン。GREE以外にはw
モバゲーのゲームは他のプラットフォームにも展開予定。GREE以外はw

【GREE】
ソーシャルゲームのせいで、リアルな友達中心だったmixiのソーシャルグラフが崩れつつあるのでは
mixiユーザーがアプリでゲームの面白さに気づいてGREEをやるのでは
SNSは検索やメールに並ぶ、WEB利用にキラーアプリになる
モバイルのみではなく、PCやiPhoneなどのクロスプラットフォームに

【PlayFish】
世界でのビデオゲーム市場は500億ドルで音楽と映画をあわせたより大きい(何故かハード売上もいれてるW)
ゲームは人の感情に訴えかけるのが強い
ヘビーゲーマーが対象なのではなく、普通の人がターゲット
ソーシャルゲームは運用が鍵
ソーシャルゲームはユーザー・課金のシステム・開発環境などが整っているので、通常のゲーム制作会社が苦労した部分が解決されているので、いい商品を作ることに専念できる環境がある
Pet Societyは1700万MAU、World of Warcraftは1200万MAUなので既に上回っている
通常のゲームでもそうだが、ソーシャルゲームは友達と一緒にPlayしないと楽しくないというネットワークの外部性が働くので一つのゲームジャンルでの独占が強くなる。なので、オリジナルを作ることが重要

【RocyYou】
Facebookの収益は最低15億ドル
日本のユーザーのARPUはアメリカの2倍
中国は開発にはいいけど、すぐにパクルからビジネスとしてはダメ
韓国は14個しかアプリがなくて、ローカルのディベロッパーが出てきていないのでまだ盛り上がっていない
Zyngaは4,5億ドルを稼いで半分を宣伝に使っている
Game Cycle:ゲームをつくる→ユーザーがお金を支払う→アプリが儲かる→SNS内で宣伝する→ゲームのユーザーが増えてもっと儲かる
アドネットワークは月2000億インプレッション

【Rekoo】
Rekooの1200万DAU プロモーション費はゼロ(Facebook)
QQで40M、51.comで8M、renrenで12M、Kaishin001で15M、Taobaoで20M
合計のDAUは、約9500万人か
Eコマースもソーシャルと凄くあう
ソーシャルゲームは「ゲーム」ではなく「コミュニケーション」なので、モバイルがPCを上回るのは当然

【Facebook】
MAU3億人突破!
Facebook connectはDSやXboxにも対応
日本PC100万人、モバイル20万人
2010年に日本の本格的に進出。モバイルとかではローカルのプロダクトもだす予定

【ドリコム】
ネット事業が規模からセンスの時代へ変化。事業の成否は個人のセンスに
優秀な社員の数だけしかサービスは作れない
100万インストールが無いアプリはとめる予定
海外で勝負するには1億円の宣伝費を、頭でぶち込む覚悟があるか。ドリコムは腹をくくった

【サイバー】
ピグのARPU1500円~2000円
ソーシャルアプリの市場規模は3年後どうなる? A. PC課金で500~1000億円見込み
アメーバのオープン化は、何も決まっていないけど温度感は上がってきている
ピグをFacebookアプリとしてだす

【個人的な雑感】
ソーシャルゲームの面白さは、気軽に誰かと一緒にゲームを楽しむところにあると思うので、リアルな友達かどうかはそれほど重要ではないと思う。ゲーム友達とでも充分楽しい
こういったセミナーでのTwitterに勝るエンタメはないな。 これもソーシャルゲームと名づけよう
ソーシャルゲームは友達がPlayし始めると、他の友達にもバイラルで伝播していき一気に広がる。友達がやっていないと面白くないのでネットワークの外部性が凄く働くので同じジャンルでもTop1人勝ちになりやすい。ただ、これには逆の効果も働いて1人が飽きて止めると一気にみんなが止めるようになる。
世界についていく為に、キャリアの助成金を復活させてスマートフォンの普及を急ぐべきだと思う。このままだと、モバイルソーシャルアプリもガラパゴス化する可能性大
モバゲー上での最大のライバルはモバゲー純正アプリ。正直、今mixiにあるソーシャルゲームとモバゲー純正は同じレベルにない
リアルなものにソーシャルを加えていくものが増えていく
ネットは現実と重なってもっと進化する
ソーシャルゲーム以外のソーシャル○○が近い将来に流行るのは間違えないけど、問題はビジネスモデル(クックパッドは参考になるか?小さすぎ?)
サイトとしてのFacebookの重要性はどんどんと減っていって、ソーシャルグラフ&情報のハブとしてのFacebookが重要になる
ソーシャルゲームはどこまで複雑化するんだろう?今でているものは3ヶ月もあれば大体作れるからコピーが横行する。コンソールゲームのように開発が大型化すればコピーできにくくなる。けど、そのレベルのゲームをユーザーが望んでいるのか?
スマートフォンに特化したGREEみたいなゲームSNSだとアメリカでFacebookに張り合える可能性があるんじゃないかな
ソーシャルゲームの寿命は最大6ヶ月、平均3ヶ月



感想を書こうと自分のTwitterを見返していると、殆どコピペになってしまいましたw

今回の自分的な宿題は「ソーシャルゲーム」以外の「ソーシャル○○」でのビジネスモデルを見つけることでした。

まだ、これだ!というものは見つかっていないのですが、色んな人の話を聞いて何となく見えてきた部分もあります。この分野ではFacebookでもパッとしたプレイヤーがおらず、これといったビジネスモデルが見つかっていません。

それに比べソーシャルゲームはアイテム課金という大金鉱を掘り当てたので、もはや収益を上げるための、ビジネスモデルは問題ではなくなり、どうやってユーザーを獲得するか、どうやって面白いゲームを継続的に作るか、どうやって世界展開するかが課題になっています。こういったアメリカの事例&日本ではGREEの事例があるので、ソーシャルゲームをやる限りはビジネスモデルを考える必要は特にはありません。

確かにゲームは市場としては大きいです。ただ、テレビ、映画、音楽、出版、ショッピング、ファッション、旅行、飲食、就職、結婚、不動産、金融、イベントなど全てのことがソーシャル化され、ゲームがそうであったように新たな価値を生みはじめると思います。

WEB2.0はGoogleがAdsence・Adwordsという小額広告システムを作り出したことで一気に花が咲き、ソーシャルプラットフォームはユーザー課金で一気に花開きました。確かにユーザー課金というのは魅力的なビジネスモデルだとは思いますが、いまだにネットで一番高い収益性を上げているのは広告モデルのGoogleです。ビジネスモデルには正解・不正解はなく、提供するサービス・プロダクトにあったものが正解なんだと思います。「ソーシャル○○」がこれから花開いていくために絶対的に必要なのは、高収益なビジネスモデルだと思います。ここには圧倒的な金鉱があることを信じて、ビジネスモデルを追及していきたいと思います。

そしてこの分野で新しいビジネスモデルを見つけた時には、世界市場も一気に見えてくるんじゃないかと思います!


この分野で意見をもってらっしゃる方、コメントでもメールでも直接あってでも大丈夫なので、色々と情報交換できればと思います!