急成長を続けるZyngaを中心に拡大を続ける米Social Game市場ですが、その内実をみるとまだまだ磐石とはいえないようです。

懸念の大きな原因はその収益モデルです。

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Social Game各社は、ユーザーが何かするとバーチャル通貨をプレゼントするシステムを採用している。Netflixに加入するといくら、着メロをダウンロードするといくら、エネルギードリンクを買うといくら、という具合だ。クレジット・カードに加盟しましょう、保険に加入しましょう、と勧める。IQテストをやっても結果を見るには月$9.99の携帯会費を払わなければならない。関節炎の薬の販売なんてものまである。こんな具合だ。私が話を聞いた幹部によると、こうしたソーシャル・ゲーム・アプリから収入の70%はリード〔見込み顧客〕紹介料で、ユーザーからの直接の売上ではないという。Netflixだけでも無料お試し版の申し込み(クレジットカードは必要)に$30-$40を支払っている。

ちなみにリード紹介市場は、TrialPay (中ではいちばんまともな商売をしているようだ)、Offerpal、 SuperRewardsの3社がほぼ牛耳っている。

もちろんリード紹介を収入源としてビジネスを展開すること自体に問題はない。とはいえ、一部のリード紹介契約には相当いかがわしいものが混じっているのも事実だ。(ほとんど価値のないプレゼントと引き換えに長期の携帯やクレジットカード契約に誘い込もうとするものなど)。FTC〔連邦通信委員会〕は時折一斉取り締まりをやっている。しかし、本当に重大な問題はこうだ。こうしたゲーム・アプリへの広告は一般広告主に十分な効果を上げていない。まともな広告主がこうしたアプリへの広告を避けるようになるとインチキな広告がはびこる環境ができてしまう。via:Techcrunch
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これらは日本はモバイル市場で既に経験したことですね。日本ではいかがわしいサイトはかなり排除されましたが、キャリア公式サイトがアフィリエイトの大きな受け口として存在しているのでダメージは限定的でした。

そして現在ではユーザーが直接課金に慣れてきはじめて、アフィリエイトから直接課金に大きくシフトしているので、かなり健全な市場になりつつあります。

09年1Qを見るとざっくりですが、
・モバゲー 課金率70% 直接課金21億円 アフィリエイト9億円
・GREE 課金率78% 直接課金52億円 アフィリエイト15億円

Techcrunchいわく米Socail Gameの課金率が30%らしいので、日本の課金市場の健全性が際立ちますね。

日本の課金率が高いのはキャリアが代行課金してくれるために、小額支払が圧倒的に安全かつ簡単というところにあると思います。

今後、Facebook上の課金市場が順調に成長するかどうかは、Facebookの課金代行サービス「Pay with Facebook」の成否に掛かっていると思います。