Twitterの価値がリアルタイム検索 だという意見が目立ってきました。

なぜリアルタイム検索が価値があるかといえば、Googleが検索を通してもたらしている価値を見れば明白です。Googleのやっていることは「世界中の情報を整理して、ユーザーにとって必要な情報を教える。」この単純なことが広告になり、大ビジネスを築いていっています。

更に、ラリー・ページはこうとも言っています。「完璧な検索エンジンとは、ユーザーの意図を正確に把握し、ユーザーのニーズにぴったり一致するものを返すものだ」

ここで重要なのは「ユーザーの意図」というものは常に同じ状態で存在するものではないということです。

一般の生活を例にすると
・さっきまで豚骨ラーメンを食べたくて仕方が無かったかも知れませんが、次の瞬間には食べたくなくなる。
・その洋服が欲しくてたまらない。ゲームがしたい。遊園地に行きたい。甘いものが食べたい。映画をみたい。

このように、欲求とは永続するものではなくて、その瞬間、瞬間に発生するものなのです。

なので、完璧な検索エンジンを作るためには、過去を集積するだけでは不十分で、その人が今、何を思っているか、感じているかというデータが必要なのです。


更にこれを進めていった先にセンサークラウドがあります。

このセンサークラウドという概念はまだあまり語られておらず、これからも流行るかは分かりませんが、とても分かりやすい概念で説明されていましたので是非ご一読ください。
これまでのあらすじ
Heartlogic

***以下、興味深かったところを引用します***
センサークラウドとは、サーバーサイドのクラウドコンピューティングから、次はクライアントサイド、それもいままでのクライアントという範疇を通り越して、さらにさらに粒度が小さいセンサーレベルのクラウドコンピューティング時代が始まろうとしている。

GoogleがTwitterを買収する動機の一つが、彼らが集めまくっているネット空間上のテキストデータを考えた場合に、それが発生する場所としてマイクロブロギングがある、という考えだ。個々のTwitterユーザーが政府の行動について、有名人の発言について、テレビドラマのストーリーについて、スポーツ試合の結果について、地震大事故発生について、企業戦略について、商品について、さまざまなつぶやき、つまり「コメント」「速報」「ウワサ」、そして「リーク」を述べあっている。この微細な、ネット空間から見れば「センサー」とも言えるTwitterユーザーが捉える「微動」、まさしく「マイクロログ」が政府・政治にとって、企業にとって、一般大衆のマスな行動にとって、個人の意志判断にとって、今後大きな経済的、政治的、あらゆる価値を持っていく、持たせることが出来る、という信念だ。その意味でTwitterとはネット空間にばらまかれた「センサークラウド」なのである。

この「マイクロログ」をセンサークラウドから集めることをテキストデータだけではなく、数値データにまで範囲を広げたらどうなるか。IPv6によって、個別のクライアント端末、クライアント制御機器というレベルではなく、さらにその末端につながる周辺機器、センサーというレベルの端末までがネット空間に直接接続できる、接続されるようになるという時代、これを考えることは無意味ではない。

産業用センサーはいままで閉じたシステムの中にあって、システムの仕様にもとづいて、そのシステムが必要とするデータを集めるだけのために取り付けられてきた。ところがこのセンサーデータは決して固定化されたシステムの中に閉じている必要性はかならずしもない。例えば、昨今では気象データはさまざまなセンサークラウドから提供されているデータをネット空間で一般ユーザーであっても広く利用することが出来る。気象・雷雲レーダーの画像、降雨センサー、風向風量センサーのデータ、河川水位測定センサーのリアルデータ。こういったものが日本でも気象庁や国土交通省、東京電力のサイトから利用できるようになっている。

このようにして、センサーが集めたデータを広くネット上で利用できるようにし、そのデータをアクセス可能な形にするためインターフェースを構築していけば、新しい情報価値がいくらでも生み出せる。

GoogleのData Setという動きをご存じだろうか。ネット上であらゆる情報を集めると宣言しているGoogleが、今度は公共で公開されている統計データや生データをデータベース化して、それをネット上のどこからでもコンピューティングリソースとして利用できるようにするというものである。この動きは実はまだ初動的なものであって、次はData Setへの直接なインプット、それも望ましくはリアルタイムでのインプットとなる「センサークラウド」が必要になる。人が集めたデータを偶発的に事後的に蒐集(収集)=ボットでクロールしているだけでは足りなくなるのが明らかだからだ。

Twitterなるテキストデータのセンサークラウドを買収するのもまさしくこれが動機だ。

そしてGoogleにとっての次はテキストデータ以外の、データベースに抱えられるデータとしてはテキストデータを遙かに超える容量と多彩さを持つ、センサーデータがセンサークラウドのターゲットに入る。
*****

少し長い引用になってしまいましたが本文 は最高に面白いので是非ごらんになってくだいさい。

「世界中のありとあらゆるデータを集めれるだけ集めて、それらを徹底的にデータマイニングして、ものごとの相関関係を見つけ出す。」

世の中の見えてこなかった関連性を見つけ出していく、このことが人類の、自然界の因果関係に挑む人類の大きな挑戦だと思います。