入社式(その1) | ノムラ證券残酷物語

入社式(その1)

Vol.2「入社式」


4月1日の入社式は、確か前日から世田谷の研修センターに全員泊まりこみとなりました。当時の入社人数は155人。前年(57年)と我々の翌年(59年)がそれぞれ270人の採用であったことを考えると若干市場環境が悪かったことを物語っているのでしょう。前年10月の内定式以来の顔ぶれで、懐かしくもあり、また全員が競争相手という意識もあり、緊張の中入社式当日を迎えました。


研修センターからバスで日本橋の本社に向かい、どんな内容の入社式だったかはほとんど覚えていませんが・・・一つだけ覚えていることがあります。入社式の席順は、北海道の確か旭川支店の人から、南は鹿児島支店の配属の人まで前から順番に横に並びました。私は都内の虎ノ門支店でしたからちょうど真ん中位だったでしょうか。虎ノ門支店に配属の私を含めて3人が並んで座り、入社式の中で「配属命令」を読み上げる儀式?があり、「旭川支店・○○君」とか呼ばれてこれに対して「はい!」と立ち上がり、延々と155人の配属が発表されました。当時のN証券は東大を出ていようが、どんなに優秀な大学を出ていようが全て配属は支店営業からのスタートでした。


N証券の原点は支店営業にありということなのでしょう。まず営業を経験し、その後適正を見ながら、様々な部署に転勤していくということが基本でした。強烈な社会人生活のスタートでした。

その夜も研修センターに泊まりでした。翌朝、羽田から飛行機で新天地に着任するもの、上野駅から東北、上信越地方の支店に着任するもの、東京駅から新幹線などで着任するものなど、数箇所に分かれるため、翌朝、人事部と研修部のスタッフが手分けして、それぞれの出発駅(空港)にバスで送っていくことになっていました。私は都内の支店なので、同じ支店に配属される2名と共に3人で大きな荷物(2日分の着替え等)を持って朝早く研修センターを出て、電車で虎ノ門支店に向かいました。