いよいよ紫禁城(故宮博物院)に入ります。
21年前に訪れた時は、あまり時間に余裕がなかったので、
南の午門から北の神武門まで、
主要な建物の説明を聞きながら、まっすぐ歩いただけでした。
それでも2時間かかりました。
見にくいですが、これが紫禁城の見取り図です。
すごいでしょ~。部屋の数、どれくらいあると思いますか?
ガイドさんが教えてくれた部屋数は、9999部屋と半部屋。
皇帝に関するものには、一番大きな「9」の数字が欠かせないのです。
実際は、故宮博物院発刊の資料によると、1927年現在で8707間。
当たらずも遠からずですよね。
それでは、地図も見ながら、一緒に入ったつもりになって下さいね。
入る前には、もちろん手荷物のチェックがあります。
最初の門は、紫禁城の一番南に位置する午門。
南=午(うま)の方角にあるためこの名が付けられました。
ここが入口になります。
トンネルを抜けると・・・紫禁城らしい建物が見えてきました。
この先、同じような建物がいくつも続きますよ。
先に進む前に、午門の裏側も見てみましょう。
手前にあるのが金水橋。
午門を抜けて最初に見えたこちらの門は太和門。
紫禁城を居城としていた明朝の歴代皇帝は、
ここで政務を執っていました。
右手はこんな感じ。広々してますね。
太和門に近づいてみます。
色鮮やかでしょ?
去年のオリンピック、今年10月の建国60周年に合わせて、
改修工事を行ったらしいので、今はピカピカなんですって。
太和門をくぐります。
この風景、どこかで見たことありませんか?
そう、映画「ラストエンペラー」の舞台になった所です。
実際にこの広場で撮影されたそうですよ。
また先に進む前に後ろを振り返っておきましょう。
太和門の後ろはこんな風になっていました。
こちらの建物は、太和殿。
明・清王朝の歴代皇帝の即位式や万寿節(誕生日)、
結婚、葬儀、元旦や冬至などを祝う時、出征など、
重要な儀式や式典を行った所です。
宮殿前の庭はレンガが深さ1.5mまで敷き詰められています。
3.4mと書いてある資料もありますが、
これは皇帝の暗殺のために、
穴を掘ったりできないようにしたのだそうです。
太和殿は、現存する中国最大の木造建築で、
高さ35m、幅63m、奥行き33m。
しかも、3段の台座の上に建っているので、
紫禁城の建物の中で最も大きく見えるのだそうです。
太和殿の前にあるこの香炉は、儀式の時に必ず使うもので、
白檀などの枝を焚いていたそうです。
太和殿の中を覗いてみます。
この目立つ柱は1本の楠から作られていて、
直径は約1m、殿内には72本あります。
床には濃緑色の正方形の石が敷き詰められていますが、
これは「金レンガ」と言われ、主に蘇州でつくられています。
8ヶ月を費やして泥煉瓦を作り、釜の中で約130日間焼き、
桐の油に419日間つけて完成するというもの。
玉座(寶座)の写真がうまく撮れなかったので、
Webから写真を拝借しますね。
天井中央には天帝の使いの竜が、
銀色の大きな球「軒轅鏡(けんえんきょう)」をくわえています。
天命を受けていない者が玉座に着くと、
竜がこの球を放って撃ち殺すと言い伝えられていたのです。
今の玉座が「軒轅鏡」の真下にないのは、
清朝を裏切り、孫文派をも欺いて「皇帝」を称した袁世凱が、
「軒轅鏡」に撃ち殺されるのを恐れて、
わざわざ玉座の位置をずらして座ったためなのだそうです。
この太和殿前の広場に地方官吏などが並び、
全員で三跪九叩頭の礼(さんききゅうこうとうのれい)を行います。
「ひざまずいて三回頭を地面につける」×3セットです。
この写真が、皇帝の目線から見た広場です。
まだまだ先は長いですよ~。
(つづく)