朝日町のM様はお嬢様ご夫婦との同居予定からご自宅を大幅に改装されました。






■基本データ


住所  : 朝日町境


ご家族 : 4名


ご予算 : 約1,600万円


工期  : 約4ヶ月(2012年12月~2013年3月)




M様邸は旧北陸道の宿場町にあり、ご近所が密集した地区にあります。家の裏手には海岸線まで田んぼや畑、そしてJR北陸線が通っています。日本海まで遮るものが無く、眺望が極めて良好です。






■今回の改装箇所


【一階居室】


・ 水周り(キッチン、バスルーム、洗面)


・ リビング・ダイニング、寝室


【二階居室】


・ 水周り(キッチン、トイレ)


・ リビング、寝室


【外回り・その他】


・ 外壁張替え工事


・ 屋根補修工事


・ オール電化工事


・ サッシ入替工事


・ 構造体補修工事


・ 断熱工事


※ 工事箇所は床・天井・壁などほぼスケルトン状態にしています。


   重貼に比べ費用はアップしますが、ほぼ新築と同じ仕様に


   なります。


※ フローリング材、壁材には無垢材を用いています。








■潮風で痛んだ外壁の補修


M様邸のリビングやお部屋からは日本海の眺望が良い反面、海からの潮風がまともに当たります。これまでに何度か、外壁を重ね貼りして補修してきましたが、最も下にある外壁もかなり傷んでいることから、今回は古くなった外壁を取り除き張替えをすることになりました。

北陸富山の大工棟梁『肥塚建築』 建物・自然探訪-外観




北陸富山の大工棟梁『肥塚建築』 建物・自然探訪-1階リビング01






■ナチュラルテイストの広々したリビング


 M様邸の1階リビングご家族全員が集まる団欒の場所です。家族にとって居心地の良い場所になる様にいくつかの工夫がされています。その一つが木目の美しい壁と床です。床には無垢材が張られていて、足裏の感覚が気持ち良いです。テレビが見やすい様に壁面は小さな窓で明かりを抑えつつ、換気を良くする小窓を設置しました。


 元々、縁側だった場所をリビングに繋げ、広々した空間にすると共に採光を十分に取り入れ明るいリビングになりました。縁側部分からは日本海の大海原が見えます。




北陸富山の大工棟梁『肥塚建築』 建物・自然探訪-1階リビング04






■家事がしやすい明るいキッチン


1階キッチンはリビング側に対面になっており、広々としているのが特徴。キッチンの隣には洗濯スペースがあり、大きな掃出窓からは屋根付ウッドデッキに出れて家事がしやすい間取になっています。

北陸富山の大工棟梁『肥塚建築』 建物・自然探訪-1階リビング02




北陸富山の大工棟梁『肥塚建築』 建物・自然探訪-1階リビング03









■室内干もできる洗濯・洗面室


 キッチンの隣は洗濯・洗面室になっており、家事動線が短く効率的になっています。キッチン脇の掃出窓からは屋根付ウッドデッキに出れて、外でも洗濯物が干せます。

北陸富山の大工棟梁『肥塚建築』 建物・自然探訪-洗濯室










■高齢者に優しい脱衣室


 ちょっとした小さなスペースですが、無垢材を使った安らぐ雰囲気の脱衣室です。衣類の抜着しやすい様に手作りの椅子と棚を用意しました。冬の寒い日には、浴室に入る前に浴室との間の扉を空けておけば、浴室暖房機で脱衣室も温められるため、ヒートショックの予防にも繋がります。北陸富山の大工棟梁『肥塚建築』 建物・自然探訪-脱衣室







■暖かいバスルーム


タイル張りの浴室からユニットバスに交換しました。サッシは断熱性の高いものを使用し、浴室乾燥暖房機も設置していますので、冬は暖かく、洗濯物も干せます。

北陸富山の大工棟梁『肥塚建築』 建物・自然探訪-浴室






■木の香りが漂う海辺の部屋


【窓・採光】


 洗濯室の奥にある部屋は以前は物置として使用していましたが、間取りを考えると最も眺望の良い場所であるため、奥様の寝室として改装しました。以前は北側(上写真の窓の壁面)には収納がありましたが、視界を遮ることがなく海が見えるので、窓を設置しました。代わりに西側は隣家の壁が近接しているので収納にしました。東・北面の窓から採光が十分採れ明るい部屋になりました。北側に窓があるため、断熱性の最も高い窓を使用しています。


 因みに西側のクローゼット扉は以前、二階で奥様が使用していたものを再利用しています。

北陸富山の大工棟梁『肥塚建築』 建物・自然探訪-寝室01





【無垢材の使用】


床のフローリングには無垢材を使用しています。リビングと同じ材料を使用しているため、統一感があります。また、腰高までの壁面にも板張りをしていて、木の香りが部屋中にしていて癒されます。

北陸富山の大工棟梁『肥塚建築』 建物・自然探訪-寝室02








■眺望の良い二階LDK


【採光の工夫】


 二階は主にお嬢様ご夫婦が使用されます。リビングは北側ですが、眺望がとても良い部屋になっています。北側の窓だけでは採光が十分とは言えないので、西側のテレビボードの上部に小さな採光・通風兼用の窓を設置すると共に、南側の隣の部屋(寝室)からも採光が取れる様に室内引戸もアクリル製のものを採用したので、とっても明るい部屋になりました。




【部屋の使い方】


 セカンドキッチンということもあり、ダイニングよりもリビングを重視した間取りになっています。ダイニングテーブルの代わりにカウンターを設置していますので、リビングを広く利用できます。


 また、収納を分散させて、テレビボード脇などたくさん設置していますので、収納量は豊富です。

北陸富山の大工棟梁『肥塚建築』 建物・自然探訪-2階リビング01




北陸富山の大工棟梁『肥塚建築』 建物・自然探訪-2階リビング03




北陸富山の大工棟梁『肥塚建築』 建物・自然探訪-2階リビング02




北陸富山の大工棟梁『肥塚建築』 建物・自然探訪-2階リビング04








■大きなバルコニーのある南向きの寝室


 寝室は南に向いており、日当たりが良く大きなバルコニーを設置しています。この場所にLDKを持ってくる提案もしましたが、眺望の良さからLDKを北側、寝室を南側のプランを選択されました。




【コスト削減のポイント】


 床の張替えや壁面のTV台の造作など部屋の内装を大幅に変えましたが、この部屋は元々奥様が使用されていて綺麗な内装だったので、コスト削減の面で工夫もしています。

・構造材は未変更


 壁や柱の位置が変わると大きくコストアップするので、構造材はそのままにしています。


・収納扉の再利用


 収納は綺麗だったので、扉はそのまま利用し、建具の分をコスト削減しました。内装も扉の色と違和感の無い様に選んでいます。


・バルコニー・サンルームをそのまま利用


 バルコニー・サンルームが元々設置されていたので、そのまま利用しています。壁面にTVボードを設置するため、内側に少し移動しているため、窓との干渉する場所を違和感無く収めました。



内装を良くしながら、コスト削減の工夫ができることがリフォームの醍醐味だと思います。

北陸富山の大工棟梁『肥塚建築』 建物・自然探訪-2階寝室01




北陸富山の大工棟梁『肥塚建築』 建物・自然探訪-2階寝室02




北陸富山の大工棟梁『肥塚建築』 建物・自然探訪-2階寝室03













■二階の洗面とトイレ


 二階にも洗面、洗濯室とトイレを設置しました。床面は二階のLDK、寝室と統一したフローリングにしています。天井には落ち着きのある色合いにしています。洗濯機上の棚やトイレの棚など収納スペースの確保にも工夫しています。

北陸富山の大工棟梁『肥塚建築』 建物・自然探訪-2階洗面01




北陸富山の大工棟梁『肥塚建築』 建物・自然探訪-2階洗面02











■階段の変更


 階段は真っ直ぐだったものを曲がり階段に変更しました。途中の踊り場を広く取っていますので、安全に昇りやすい様に設計してあります。






北陸富山の大工棟梁『肥塚建築』 建物・自然探訪-階段





この他に、屋根の変更や窓を断熱サッシにしたりと、かなり大きく手を加えましたので、殆ど新築と同じ様な住空間になりました。


また、後施工で屋根付きウッドデッキを設置しました。






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   肥塚建築(ひづかけんちく) 有限会社光建ホーム



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■ 世界の街を歩く vol.02 海の見える街 釜山海雲台地区(韓国)


 世界や日本各地には、その土地の自然や建築物、街並みが作る風景があります。そこには人の生活があり、映画のワンシーンの様に流れています。その土地に溶け込む建物・街並みはとても魅力的ですね。



 今回ご紹介するのは韓国第二の都市釜山。九州博多とは対馬海峡の対岸にあるこの街は古くから日本との交易が盛んに行われてきました。


 釜山の繁華街といえば、国際市場、チャガルチ市場といったエリアですが、山に囲まれ、土地が狭い釜山だけあって、周辺地域には高層ビルが多く建っています。


 今回は韓国映画のロケ地としても有名な海雲台地区を歩きました。




【海雲台ビーチ】

海雲台ビーチには多くの市民が集まってきます。海に突き出した丘の上には建物で埋め尽くされています。ジブリアニメ”魔女の宅急便”に出てくる街のようですね音譜
北陸富山の大工棟梁『肥塚建築』 建物・自然探訪



【ビーチでのんびりする人々】

砂浜では、走っている人、日向ぼっこを楽しむ人、ビーチバレーをしている人様々です。休日の楽しみ方は人それぞれなんですね。
北陸富山の大工棟梁『肥塚建築』 建物・自然探訪

北陸富山の大工棟梁『肥塚建築』 建物・自然探訪


北陸富山の大工棟梁『肥塚建築』 建物・自然探訪


【みんなの視線の先には何が・・・】

ビーチ沿いを歩いていると、座ってた人も、歩いていた人も立ち止まって、同じ方向を見つめていました。その視線の先には何が?



【その正体は・・・】

 みんなの視線を集めていたものの正体はパラグライダーでした。ちょっと見づらいのですが、二人で乗っていて、一人は顔の前にカメラを設置しています。テレビカメラも回していたので、どうやらテレビ局の企画の様です。
北陸富山の大工棟梁『肥塚建築』 建物・自然探訪



【高層ビルを背景に飛行】

 釜山には本当に高いビルがたくさんあります。特にこの海雲台地区や水栄地区は最近開発がされていて、高層ビルの他にも、大きなショッピングモール、映画施設などが集まっています。
北陸富山の大工棟梁『肥塚建築』 建物・自然探訪



【かわいらしい行進】

 トリックアートで写真を撮りながら遊んでいると、目の前に行進をする小さな犬が!?一生懸命飼い主に付いて行こうと小刻みに動く様子は何とも愛らしいですねラブラブ
北陸富山の大工棟梁『肥塚建築』 建物・自然探訪

北陸富山の大工棟梁『肥塚建築』 建物・自然探訪



【飛び立つ海鳥】

 ビーチにはたくさんの鳥がいます。自然の中を飛ぶ鳥も良いですが、高層ビルを背景に飛ぶ鳥も都会的で面白い風景だと思います。
北陸富山の大工棟梁『肥塚建築』 建物・自然探訪

北陸富山の大工棟梁『肥塚建築』 建物・自然探訪



【緑が多い街並み】

 このエリアは高級住宅地だそうで、緑が多く街並みがとても綺麗です。新しい建物も多いのですが、古い建物も多く、古さがむしろ風景に溶け込んでいて綺麗でした。
北陸富山の大工棟梁『肥塚建築』 建物・自然探訪-緑に囲まれた街並み

古い建造物は汚れもデザインの一部になっています。
北陸富山の大工棟梁『肥塚建築』 建物・自然探訪-歴史を感じる建物

道端には誰かの自転車が置かれていました。
北陸富山の大工棟梁『肥塚建築』 建物・自然探訪-道端に置かれた自転車



【光に包まれる広安大橋】

 釜山を特徴付ける風景のひとつに広安大橋があります。ライトアップされた夜景もとても綺麗ですが、日中の光に包まれた橋のシルエットもとても綺麗です。
北陸富山の大工棟梁『肥塚建築』 建物・自然探訪-広安大橋



【並木道を走る車】

 並木の坂道を歩いていると車が途切れることなく走っていました。他中にはお洒落なレストランも多くありました。
北陸富山の大工棟梁『肥塚建築』 建物・自然探訪



【坂道を登ると・・・】

 坂道を登りきると、ちょっとした公園になってました。休憩所として建てられた建物は韓国らしい雰囲気です。
北陸富山の大工棟梁『肥塚建築』 建物・自然探訪



【ベンチに刻まれた名前】

 こんな風に恋人たちが名前を残すのは日本も韓国も共通しているんですね。
北陸富山の大工棟梁『肥塚建築』 建物・自然探訪



【公園の広場のマーケット】

 公園の一角ではちょうどマーケットが開かれていました。雑貨が多いようです。
北陸富山の大工棟梁『肥塚建築』 建物・自然探訪



【かわいい植木?】

 ちょっと面白い植木を発見。
北陸富山の大工棟梁『肥塚建築』 建物・自然探訪


【雑貨を選ぶ恋人たち】

 マーケットには恋人、友人、ファミリーなどいろんな方々が売られている雑貨を見たり、買ったり楽しんでいました。
北陸富山の大工棟梁『肥塚建築』 建物・自然探訪



【肩の上のネコ】

 肩の上に乗っているネコがよほど気になったのか、お仕事は一旦休憩?
北陸富山の大工棟梁『肥塚建築』 建物・自然探訪



【最後にカフェで休憩】

 数時間の散歩でしたが、釜山の街並みを楽しみながら散歩するのもとてもイイですね。最後はお洒落なカフェでゆっくり休憩して帰りました。
北陸富山の大工棟梁『肥塚建築』 建物・自然探訪

北陸富山の大工棟梁『肥塚建築』 建物・自然探訪

■ 建築探訪 vol.01 東京駅


 日本や世界には自然や街並みと調和して、時代を超えて愛される建築物がたくさんあります。今回ご紹介する東京駅もそのうちの一つだと思います。


 先日、東京ステーションホテルがオープンし、駅機能だけでなく、商業・宿泊施設として、益々魅力がアップしています。


 東京駅は1914年に完成し、約100年の時を経て東京の玄関口としての役割を担ってきています。外観デザインはオリジナルの西洋建築と異なった美しさもあります。


 この様な素晴らしい建築物は後世にぜひ残して欲しいものです。



【晩夏の東京駅】

 写真は昨年の9月のものです。背後にそびえる二つのビルと真っ青な青空と入道雲のコンストラクトが印象的でした。
北陸富山の大工棟梁『肥塚建築』 建物・自然探訪



【黄昏の東京駅】

 この時間帯の東京駅が個人的には一番美しく、好きな景色です。淡い空の夕暮れとライトアップされた東京駅がとってもきれいです。
北陸富山の大工棟梁『肥塚建築』 建物・自然探訪


【夜景の東京駅】

 暗い夜空を背景にライトアップされた温かみのある東京駅が特徴的です。オフィス街の丸の内は夜遅くにもたくさんの人が行き交います。
北陸富山の大工棟梁『肥塚建築』 建物・自然探訪


【上から見た東京駅】

 東京駅を真上から見るとこんな風になっています。奥から東海道、東北、上越、長野の各新幹線ホームにたくさんのJRの路線が乗り入れているため、かなりの広さがあります。一部ホームの屋根には太陽光発電パネルが設置されています。
北陸富山の大工棟梁『肥塚建築』 建物・自然探訪


【工事中の東京駅】

 工事も終盤に差し掛かったときの写真です。工事改修の期間がかなり長かった印象があります。今回の工事では東京大空襲によって壊れた応急処置をした屋根を元の外観に復元しています。今回使われた屋根材は補修のため石巻に運ばれたときに津波の被害に遭っています。複数の災害に遭いながら甦る東京駅は不死鳥の様ですね。
北陸富山の大工棟梁『肥塚建築』 建物・自然探訪


【工事中の丸の内北口】

 工事の期間中は内装もずっと覆われていて内部が全く見えませんでした。
北陸富山の大工棟梁『肥塚建築』 建物・自然探訪-工事中の内装



【丸の内北口の天井】

 覆われていたものが取り去られて天井が現れました。とっても美しい装飾が施されています。
北陸富山の大工棟梁『肥塚建築』 建物・自然探訪-丸の内北口の天井


【天井の写真を撮る人々】

 たくさんの人がカメラや携帯で写真を撮っていました。その中の一人ではあったのですが、この光景が面白くって、つい写真を撮ってしまいました。
北陸富山の大工棟梁『肥塚建築』 建物・自然探訪-写真を撮る人々


【山手線】

 普段の山手線はシルバーのボディに緑のラインが描かれたシンプルなデザインなのですが、何周年かの記念で昔のデザインに戻されました。伊右衛門の広告は上手いですね。イメージがぴったりです。
北陸富山の大工棟梁『肥塚建築』 建物・自然探訪-山手線



【ドクターイエロー】

 まっ黄色に塗られた新幹線ですが、走りながら走行路線を点検するという、まさにドクター新幹線です。東京駅でも中々見る機会が少ないので、見れたらラッキーです。「幸せの黄色い新幹線」ですね♪
北陸富山の大工棟梁『肥塚建築』 建物・自然探訪-ドクターイエロー

旧家屋の古材を活用した I 様邸は周囲の風景に融け込む古民家スタイルの家です。











■受け継がれる家


 I 様はお父様と息子様ご夫婦の4人家族。今まで住んでいた家は過去に移築したもので、歴史のあるりっぱな造りでした。今回の計画では、そのまま全て解体するのではなく、旧家屋で使用されていた柱や梁を丁寧に取り出し、新築住宅に移築することになりました。








■基本データ


住所  : 魚津市坪野地区


ご家族 : 4名











■完成写真





外観


周囲の山並みや田園風景に融け込む様に2階は白壁、1階は板張りになっています。2階に用いているのは耐久性の高いガルバニウム鋼板です。伝統的な意匠と最新の素材を組み合わせた住宅建築です。

北陸富山の大工棟梁『肥塚建築』 建物・自然探訪





玄関


光沢のある漆塗りの柱と、艶を抑えた柿渋の天井を組合が、白い塗り壁とのコンストラクトを強調したデザインになっています。白熱色の照明が灯れば、温かく柔らかな雰囲気になります。 

北陸富山の大工棟梁『肥塚建築』 建物・自然探訪








シュークローク


玄関脇には、家族専用のシュークロークがあります。靴を脱いだままにしていても、来客の目を気にすることがありません。また、靴箱に扉を付ける必要がありませんので、湿気が篭らずカビ対策にもなります。また写真には写っていませんが、コート掛けも手前側にあります。今回は少し大きめの空間にしてありますので、冬場の雪かき用のスコップなど、外回りのものも置く事ができます。

北陸富山の大工棟梁『肥塚建築』 建物・自然探訪






温かみのある廊下


最近では廊下を作らない、少なくするという傾向がありますが、家族の空間と来客の空間を分けるなどの機能があります。廊下を利用する人が温かみを感じる様な雰囲気に仕上げています。


北陸富山の大工棟梁『肥塚建築』 建物・自然探訪








仏間


普段、家族が使用しない仏間や座敷は最近では空間を縮小する傾向があります。I 様邸ではリビングと続き間にすることで、普段の生活でも活用できる間取りにしています。また、古民家テイストリビングと違和感のない落ち着いた雰囲気になっています。

北陸富山の大工棟梁『肥塚建築』 建物・自然探訪





古材を活用した古民家デザインのリビング


旧家屋から解体して取出した柱や梁を再度加工、塗装しなおしてリビングに移築しました。昔ながらの雰囲気を残しつつ、照明、ブラインド、家具はモダンテイストのものを選ぶことで、現代風なお洒落な空間になっています。

北陸富山の大工棟梁『肥塚建築』 建物・自然探訪





コンストラクトの美しいダイニングキッチン


ダイニングキッチンの天井は明るい色で板張りがしてあります。そこに、色の濃い古材を化粧梁として用いることでメリハリのある雰囲気になっています。天井が明るい色なので、空間が広く感じます。


キッチンはトーヨーキッチンのモダンなデザインのものを採用しています。和のテイストの中に置くことで、空間全体が引き締まった感じがします。

北陸富山の大工棟梁『肥塚建築』 建物・自然探訪




北陸富山の大工棟梁『肥塚建築』 建物・自然探訪








ノスタルジックな雰囲気の家族専用玄関


家族専用玄関からは納屋に屋根付の廊下で繋がっていますので、雨の日でも濡れずに納屋まで行くことができます。また、ボイラー室が隣にあり、中にはエコキュートが設置されています。I 様邸は魚津市内でも標高が高い位置にあるため、冬は低温で雪深くなります。外気の熱を取り入れて加熱するエコキュートの効率を上げ、風雨に晒さない事で、給湯器の寿命を延ばす効果もあります。

北陸富山の大工棟梁『肥塚建築』 建物・自然探訪







白木貼りの温かみのある脱衣洗面室


 脱衣洗面室の壁はクロスではなく、白木を貼っています。お風呂からの湿気が気安い場所ですので、湯気が壁に付着するとクロスが剥がれ易く、カビの原因にもなります。天然木材にはある程度の調湿効果と抗菌作用がありますので、湿気の多い場所にはお勧めです。


 また、晴れた日には洗濯物を外にすぐに出て干しやすい様に勝手口が設置されていますが、ドアを閉めたまま喚起できるタイプのものが設置されています。


 他にも人工的に喚起できる様に空気の流れを計算して換気扇が設けられていますので、冬の雨雪が多い時期は室内に洗濯物が干せる様にもしてあります。

北陸富山の大工棟梁『肥塚建築』 建物・自然探訪








階段および二階ホール


階段や廊下は腰壁にしてあります。ものを運んでいるときに擦ったりすると、黒瀬では黒く汚くなって見えますが、木材では時間が経てば落ち着いた色に経年変化し、傷も味わい深くなります。


階段には壁を切り抜いて小さな収納があります。飾り物を置くことで、ちょっとした空間演出になっています。

北陸富山の大工棟梁『肥塚建築』 建物・自然探訪





1・2階トイレ


1階トイレは来客利用もあることから、少し高級感のある空間デザインにしてあります。木材の腰壁を採用して温かみを出し、横に長い鏡を採用することで空間を広く見せる演出をしています。


2階トイレはシンプルで使いやすいものにしてあります。

北陸富山の大工棟梁『肥塚建築』 建物・自然探訪




北陸富山の大工棟梁『肥塚建築』 建物・自然探訪





二階リビング


二階にはセカンドリビングが設置されています。隣には書斎スペースがあり、たくさんの書籍が収納できる本棚や広々使える机が設置されています。また、この部屋からはウォークインクローゼットを通じてベッドルームとも繋がっています。

北陸富山の大工棟梁『肥塚建築』 建物・自然探訪






日本の伝統的なデザインと最新のモダンデザインを組合せたとっても素敵な家ですね音譜


























日本のライティング技術は本当にレベルが高くなっていると感じます。多くの歴史的建造物が光に照らされ暗闇に浮き出た様子はとても柔らかく、凛々しく見えます。


古来から日本人は光や色に対しても、とても感受性が高かったのでは無いかと感じさせられます。例えば、赤一つとっても、紅、緋、茜、朱など、その種類は様々です。


また、光への探究心も諸外国の花火の色が単調なものに対して、日本の花火の色合いの豊富さには驚きます。



色や光もまたデザインを形作る要素に必要不可欠です。東京スカイツリーに見るライティングの色調は日本文化そのものだと感じます。


スカイツリー本体には日本の伝統色で最も薄い藍染の色である「藍白」が用いられています。白色にも種類があるんですね。



■東京スカイツリーの二つのライティング


『雅』 江戸紫をテーマカラーにしています。

    紫は日本では古来から最も高貴な色とされています。
北陸富山の大工棟梁『肥塚建築』 建物・自然探訪-スカイツリーのライティング『雅』



『粋』 隅田川の水をテーマカラーにしています。
北陸富山の大工棟梁『肥塚建築』 建物・自然探訪-スカイツリーのライティング『粋』


実際に間近でスカイツリーのライティングを見ると本当に綺麗です。『温故知新』とは、まさにスカイツリーに当てはまりますね。


スカイツリーのライティング

東京スカイツリーに使われている日本古来の地震制御技術の他にも、まだまだ日本古来の技法が使われています。


その一つが、『刀の意匠』です。


日本の刀は世界中にコレクターがいる程、美しく人気の高い刀剣です。その刀の美しさの秘密が「そり」です。刀の先端部が緩やかなカーブを描いているのが、その特徴です。


■日本刀の美しい「そり」


北陸富山の大工棟梁『肥塚建築』 建物・自然探訪-刀の「そり」


東京スカイツリーでは、日本の伝統美である「そり」と「むくり」が用いられています。「むくり」とは中央が緩やかに膨らんだ形を言います。こちらは日本の寺社仏閣で用いられています。


■寺社仏閣の屋根の「むくり」


北陸富山の大工棟梁『肥塚建築』 建物・自然探訪-寺社屋根の「むくり」


スカイツリーは基礎部は正三角形ですが、上部に向かうに連れ円になっていきます。スカイツリーを見る方向によっては膨らんで見えます。


東京スカイツリーの意匠(デザイン)


■スカイツリーの「そり」と「むくり」


北陸富山の大工棟梁『肥塚建築』 建物・自然探訪-スカイツリーの「そり」と「むくり」





「そり」や「むくり」は日本建築を特徴付ける伝統美と言えます。

日本の建築物は緩いカーブが美しく見えます。



一方、中華建築は極端な「そり」が特徴です。


■中華建築



北陸富山の大工棟梁『肥塚建築』 建物・自然探訪-中華建築




ちなみに、肥塚建築でも「そり」を採用しています。最近では、かなり手間が掛かる「そり」を屋根に用いる工務店は残念ながら地元ではかなり減少しています。


■屋根に緩やかな「そり」を採用(O様邸)


北陸富山の大工棟梁『肥塚建築』 建物・自然探訪-肥塚建築で採用している屋根の「そり」の意匠



最後に刀匠に関する小話


私の地元の魚津には豊臣秀吉によって天下三作と言われた刀匠が居ました。郷義弘です。義弘は南北朝時代(足利義満の頃)で魚津市の松倉地区出身です。


秀吉の時代の大名たちが、入手を競ったけれども、殆ど手に入らなかったそうです。その刀剣は国宝や重要文化財にも指定されています。


他にも富山には郷義弘の師匠とされる富山市五福出身の刀匠佐伯則重もいます。



郷義弘の刀剣


■松倉城付近の郷義弘の碑
北陸富山の大工棟梁『肥塚建築』 建物・自然探訪-郷義弘の碑



まだまだ話題中の東京スカイツリーですが、遠くから見ると余り高さを実感しませんが、間近で見ると本当に高いですね。



■真下から見上げた東京スカイツリー


北陸富山の大工棟梁『肥塚建築』 建物・自然探訪-下から見上げたスカイツリー


よくもまぁ、地震国日本で世界で二番目に高い(自立式タワーでは世界一)建造物を建てたものです。しかも、完成間近になった頃に東日本題震災の震度5強の揺れを経験したにも関わらずビクともしてません。本当に凄い建築技術だなぁと心から感心します。



■スカイツリーの下部


北陸富山の大工棟梁『肥塚建築』 建物・自然探訪-スカイツリー下部


さて、この東京スカイツリーですが、現在の最新の建築技術のみで造られたわけではありません。実は日本古来から伝わる建築技術で、五重塔にも用いられている『制振技術』が使われています。


五重塔は今まで地震での倒壊例が無いそうです。その秘密は塔の中心部にある心柱だと言われています。



■地震に強い五重塔


北陸富山の大工棟梁『肥塚建築』 建物・自然探訪-雨で霞んで見える五重塔
羽黒五重塔(山形)



東京スカイツリーもこの技術を応用し、中心部に設けられた鉄筋コンクリート製の円筒と外部の鉄骨造部分を構造的に切り離すことで、揺れを約40%抑制する様に出来ています。イメージ的にはお盆の上にボールを乗せて揺らすとボールは揺らした方向と別の方向に進む原理です。


東京スカイツリーの制振技術



よく我々は古い建物は地震に弱いという認識です。戦後、住宅不足のときに、とにかく供給を増やした住居は地震に弱い建物が多いのも事実です。しかし、寺社仏閣や昔の農家の家などは本当に強固に造られています。台地や自然堤防など地盤の安定した場所に建てられているのも特徴的です。


戦後の混乱期に建築技術は一時的に衰退していますが、今一度地震国日本の伝統建築を見直すべきではないでしょうか?



■スカイツリーと富士山


北陸富山の大工棟梁『肥塚建築』 建物・自然探訪-富士山とスカイツリー

現在、建築中の魚津市の I 様邸ですが、9月1日(土)、2日(日)の二日間、完成見学会を実施予定です。お施主様も楽しみにされています。


当日は晴れます様に・・・。




北陸富山の大工棟梁『肥塚建築』 建物・自然探訪-チラシ表


北陸富山の大工棟梁『肥塚建築』 建物・自然探訪-チラシ裏


現在、建築中の I 様邸の完成が間近です。


大工工事はほぼ終わり、あとは細かな工事と、トイレなどの設備を入れたりを残すのみです。


収納が豊富で、作り付けの収納も多く造っているのが特徴です。


旧家屋の古材を用いたリビングも雰囲気が出ていて、全体の完成がとても待ち遠しいです。




■ 完成間近の家


北陸富山の大工棟梁『肥塚建築』 建物・自然探訪-0814I様邸01



■玄関のシューズクローク

  玄関を入って隣に収納スペースを設置。中に入ったところに大工さんが造った靴棚。この収納には冬場のスキー板、スノーダンプ、自転車などが置けます。


北陸富山の大工棟梁『肥塚建築』 建物・自然探訪-0814I様邸02



■玄関からリビングの眺め

 まだ戸が入ってませんので奥まで見通せます。中央の柱は八寸もあります。


北陸富山の大工棟梁『肥塚建築』 建物・自然探訪-0814I様邸03



■古材を用いた箇所

 黒い柱が漆塗りをした新しい柱。赤茶色の柱が旧家屋で用いていた古材。再加工・再塗装しなおして組み上げています。



北陸富山の大工棟梁『肥塚建築』 建物・自然探訪-0814I様邸04



■キッチン&ダイニング

  キッチンはアイランド型で部屋の中央に設置してあります。奥には食品棚もあり機能的で使いやすいキッチンになっています。手前のダイニングの天井には意匠として古材を用いています。


北陸富山の大工棟梁『肥塚建築』 建物・自然探訪-0814I様邸06  北陸富山の大工棟梁『肥塚建築』 建物・自然探訪-0814I様邸07



■リビング

リビングには多くの古材を用いて旧家屋の雰囲気を再現しています。柱と針の組み方は古来から伝わる伝統的な工法です。梁が何十にもなっているので筋交が無くても地震に強い造りです。


北陸富山の大工棟梁『肥塚建築』 建物・自然探訪-0814I様邸08



■家族専用玄関

 こちらの玄関は家族専用で、外に出ると隣の納屋に繋がっています。納屋との間には屋根が設置されています。木の雰囲気を活かした腰壁を設置しています。


北陸富山の大工棟梁『肥塚建築』 建物・自然探訪-0814I様邸09



■書斎

寝室の隣には書斎があります。書斎には造作机と本棚があり、狭いながらも便利な空間になっています。机はパソコンやプリンターも十分に置ける広さで奥行きもあります。



北陸富山の大工棟梁『肥塚建築』 建物・自然探訪-0814I様邸15

北陸富山の大工棟梁『肥塚建築』 建物・自然探訪-0814I様邸16  北陸富山の大工棟梁『肥塚建築』 建物・自然探訪-0814I様邸17



■桐で造った寝室の収納


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■小屋裏収納

2階の廊下から、数段降りたところに引き戸があります。この中は収納になっているのですが、広さはかなり広いので部屋としても十分に使えます。中には更に収納スペースが造られています。


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北陸富山の大工棟梁『肥塚建築』 建物・自然探訪-0814I様邸14


■階段の飾り棚

ちょっとした小さなスペースですが、小物を飾っておくスペースです。照明を設置する予定です。


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賃貸 VS 持ち家 どっちが良い



これに対する答えは一つではありません。

そのご家族の考え方やライフスタイルにもよって異なるからです。


では、賃貸の場合と持ち家の場合でどんなメリット・デメリットがあるのか見てみたいと思います。



賃貸のメリット


・気軽に引越しできる

 引越しする場合の理由は様々かも知れませんが、転勤がある、親の面倒を見ないといけない、隣人に嫌な人がいるなどなど、この様な場合でも気軽に引越しが出来ます。


・大きな借金をしたくない

 住宅ローンはどんなにローコストな物件でも1,500万円くらいはします。通常35年ローンが主流ですが、ずっと払い続けるのは大変といった理由もあるかと思います。


・面倒な付き合いをしたくない

 最近は特にこの様な考えの方が増えていますが、家を建てれば当然、そのエリアの町会に入ったりする必要も出てきます。そういった付き合いが苦手な方にとってはメリットかも知れません。


・いろんな所に住みたい

 住まいも時間が経てば飽きがくるかも知れません。そんなときに引越しをして新しい場所や住まいに住みたいという方には良いと思います。




持ち家のメリット


・自分の資産になる

 賃貸はいくら家賃を払っても自分のものになることはありませんが、持ち家は自分の所有物です。資産として子どもや孫に残すことも出来ます。


・万が一のときの保険

 住宅ローンを組むときに必ず銀行から団体信用生命保険に加入する様に言われます。これは支払い者が万が一亡くなった場合、残された家族が代わりにローンの支払いをしないでも良い様に残債を生命保険で補填する制度です。賃貸の場合は払い続ける必要がありますので大きな違いです。


・信用

 もしご自分でベンチャーを立上たい、独立したいとする場合に銀行から融資を受けますが、土地や建物を担保にする場合が多くあります。金融機関に対する信用のアップにもなります・(※他の借金が多いなど、ケースによっては異なります。)


・自分たちのオリジナルのものを作れる

 住まいは最も多くの時間を過ごす場所です。この場所がリラックスできるかどうかは、ライフスタイルに大きく影響を与えます。自分たちの住みやすい家でリラックスできるメリットは大きいです。


・隣が気にならない

 賃貸の場合、アパートなどでは、隣の家と壁や床で区切られていますので、音や声が聞こえてくる場合があります。また、ペットを飼うときも配慮が必要だったりします。戸建の場合は、その様な心配が少なくてすみます。



他にも、いろいろあるかも知れませんが、自分たちの状況に合わせて住まいを考える必要がありますね。




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