監督:若松節朗
出演:渡辺謙、三浦友和、鈴木京香、松雪泰子、香川照之、宇津井健、清水美砂
魂が、震える。
「国民航空の社員の恩地はかつて労働組合の委員長を務めていた。その結果、9年もの間通常では考えられない海外僻地勤務を強いられた。同期でかつて副委員長として一緒に戦った行天は会社折れ、エリートコースを歩んでいた。
やっと帰国後、史上最大の飛行機事故を起こした国民航空。恩地は遺族のお世話係を務める」
原作を読んだのは7年前
アフリカ篇上・下、御巣鷹山篇、会長室篇上・下という全五冊の長編です。
恩地という一人の人間の壮大なドラマ、色々な思いで溢れかえるとても感情が揺さぶられ涙が止まらない印象的な作品。
特に御巣鷹山篇なんか、これでもかっていう位泣きました。
号泣して、喉が痛くて痛くて・・・
映画化を聞いた時、渡辺謙さんはとても合っているしとっても期待したものです。
でも実際に公開になると躊躇してしまう気持ちもあって・・
又あの悔しくやり切れない恩地の気持ちを体感するかと思うとなかなか動けなかったのですが見てきました。
とにかく観客年齢層高い作品でした。
若い人ほとんど見当たらなかった~
期待以上、とっても良かったです!!!
原作のとおりに進むと、恩地の不遇の時代、悔しくて辛い思いがダイレクトに伝わってきて見ているのキツイな~って思っていたら、海外勤務の部分は回想として振り返る形を取っていて、とても巧い構成でした。
それでも十分、恩地の心情は伝わってきたし、会社にそこまでされて尚会社に残る恩地の気持ちもちゃんと共感できました。
映画も泣きました。
やっぱり遺族の人たちの姿を見るともうダメです。
どんなに切ないだろう、哀しく悔しいだろうと思うと今でも泣けてしまいます。
特にお母さんに見送られ、一人で乗った男の子・・・
揺れる機内でどんなに心細く恐ろしい思いだったか。
最愛の息子を一人で乗せてしまったお母さんはきっと生涯自分を許せないことでしょう。
あ・・又泣けてくる。
そしてきっと誰もが同じ思いで見る、これだけの事故に対しての全く責任感のない企業の役職者たちと政府への怒り!
どうして大切な人を失った痛みを感じられないのでしょう。もし自分だったら・・・と誰もが思うはずなのに。
国見会長や恩地のような人たちばかりだといいのに・・・
原作でも感じたラストには「え・・?!」と納得いかないスッキリしないものも残りはしましたが、でもこれが恩地という人なんですよね~
途中休憩10分入るという長い作品でしたが、全く飽きずダレることなく堪能しました。
とーーーーっても良かったです!