監督:シドニー・ルメット
出演:フィリップ・シーモア・ホフマン、イーサン・ホーク、マリサ・トメイ、アルバート・フィニー
「ある土曜日、ニューヨーク郊外の小さな宝石店に強盗が入った。隙をみて犯人を発砲したところ撃たれ、犯人も倒れた。
その三日前、別れた妻に養育費が滞っていることを責められているハンクは兄のアンディから呼び出され強盗の話を持ちかけられる。アンディもドラッグのせいで会社のお金に手をつけマズイ状況に陥っていた。
最初は断るハンクだったが誘惑に負けてしまう。
盗む先は両親二人で営む宝石店、予定では保険金が入るから両親は困らず自分達の窮地も救える筈だった。
しかし、色々な手違いから強盗に撃たれたのは母で、もう意識の戻る望みはなかった」
これは・・
何とも救いのない後味の悪い映画です。
本当に・・どんどん落ちていく人間を見ているのは本当に辛い。
ちょっとしたことから、人間って坂道を転がるように落ちていくもんなんだな~って思うとやりきれない。
ハンクもアンディも元々は悪い人間じゃない。
家族との間に思うところはあったり夫婦間に問題を抱えたりしているけれど、娘を愛していたり妻を愛していたり、両親のことだって大切に思っていたはず。
「こんな筈じゃなかった」「時間が戻せるなら」
どれだけ思っても元にはもう戻れない。
どんどん状況が悪化していき、もう戻る術がないくらいにズブズブと泥沼に~
構成的にはとても面白いです。
視点も入れ変わり、時間軸もバラバラ、ストーリーが交差していきます。
それにしても、冒頭いきなりフィリップ・シーモア・ホフマンの裸体・・!!!
白くてブヨブヨしてて恐すぎです。
リアリティあるのかもしれないけど、ううっ目を反らしたかった~
ダメ弟イーサン・ホークのダメっぷりにはまだちょっと救いがあるような・・
彼はあの後どうなったのでしょう?
最愛の妻を失くしたお父さんの怒りはもっとも!
でも・・我が子にあそこまで出来るのでしょうか?
アンディへの行為は怒りではなく愛情なのかもしれないですね。許せないからではなくて、もうここまで落ちてしまった息子はこうするしかないって。
相当ブルーな気分になる映画でした。