武士の一分


監督:山田洋次

出演: 木村拓哉、檀れい、坂東三津五郎、笹野高史、桃井かおり、小林稔侍、緒形拳


「下級武士の三村新之丞は毒見役。仕事に嫌気がさしながらも美しい妻加世と幸せに暮らしていたが、ある日毒にあたって失明してしまう。今後の生活のために頼った島田に騙された加世の復讐のため、見えない身体で決闘を申し込む」


山田洋次監督の時代劇三部作のラスト。

「隠し剣 鬼の爪」はまだ見ていないですが、「たそがれ清兵衛」は好きだったので期待して見にいきました。ストーリーは勿論良かったですが、想像よりもキムタクすごく巧かったです。


「たそがれ清兵衛」の時もそうでしたが、時代や立場から堪えなければならない思いがたくさんあって、その心中を思うと胸が痛みます。下級武士というその立場の哀しさがあって、でもその中でつつましい幸せと何か大切なものを守る強い気持ちが、静かに熱く伝わってきて感動しました。


ストーリーもいいですが、山田洋次監督が描くこの時代の雰囲気が好きです。

家に上がるときに足袋の裏を払う仕草。箱膳でする食事。火鉢で温めた薬缶。

加世役の壇れいさんと「たそがれ清兵衛」の宮沢りえさん、すごく素敵な柔らかい所作で当然今の時代では出来ないものが多いですが、とても優雅に感じられて素敵だな~と思いました。


あと、新之丞を支える笹野高史さんがいいです~。キムタクと二人のやり取りも和ませてくれるし、笹野さんのあの存在があって新之丞がより栄えるのだと思いました。本当いい味出してるんですよね~。


ところどころに笑えるシーンもあって肩張らず見ることができ、ものすごく感動する盛り上がりがあるというのではなく、全体的にジーンとする温かい作品でした。


「隠し剣 鬼の爪」 のDVDもそのうち絶対に見よう~