すみません。

2013年度末に観た舞台等のレビューが、まだ2本アップ

できていません。

では、今回は、その1本目です (*゚.゚)ゞ




■ 今回の観劇データ

『OLと課長さん』 (関村俊介と川村紗也と浅野千鶴の三人芝居)

※ ちなみに、関村さんが脚本・演出も担当しています。


【2013年度 観劇通し番号 No.92】
【2013年度 下半期 (10月-2014年3月) 観劇通し番号 No.47】
【2014年 観劇通し番号 No.18】
【鑑賞日 2014年3月22日 15:02-15:45】

(於 スタジオ空洞)


■ 演劇というアートについて色々と考えさせてくれるお芝居でした (`・ω・´)ゞ


私は、基本的には、暦年ではなく年度で観劇諸データを整理

しています。

で、このお芝居が、2013年度92本目の舞台でした。

でも、この 「92本」 という数字自体は、それほどたいしたもの

ではありません。小劇場中心に、年間250本超の舞台を観た

フリークも知っていますし……。
ただ、このお芝居は、92本目にして、演劇というアートについ

て色々と考えさせてくれるお芝居でした (`・ω・´)ゞ


例えば、大劇場で、高額チケットで、有名な俳優を出演させ、

豪華絢爛たるセット等を組んで上演される舞台って、あります

よね。

そうです! いわゆる商業演劇です。

私は、このジャンルの演劇は、せいぜい数年に1本程度しか

観ませんが、もちろん、これはこれで大いに存在意義のある

演劇かと思料します。

だって、舞台という空間に、夢とロマンとファンタジーを超大げ

さに創り出すわけですから ( ̄▽+ ̄*) c ……。

平凡なルーティンワークに追われ、かつ、つらいことも間々あ

る日常を過ごしている観客がいたとしたら、こういう舞台の観

劇はまさにエクスタシーであり、カタルシスを得る場になりま

すよね。

ただ、その代償は、言うまでもなく、超高額のチケット代金で

しょう。まあ、よほどの高額所得者でないかぎり、10,000円超

の舞台を年がら年中観る経済的余裕は、無いですものね。


翻って、このお芝居 『OLと課長さん』 についてふれます。


チケット代金は、前売りだと1,800円。

キャストは、浅野千鶴さん (味わい堂々) 、川村紗也さん、

関村俊介さん (あひるなんちゃら) の三人のみ。

会場は、(アマヤドリさんの拠点でもある) 地下スタジオ。

セットは、木製のベンチ形状のもの一つのみ。

三人の衣裳は女性陣がまんまOLさんの制服で、関村さんは

ややくたびれたスーツ姿。

そして、上演時間はたった45分。


前述した商業演劇で述べた要素とはあまりに違いすぎま

すが (笑) 、いえいえ、この超シンプル系三人芝居が、

何と、高コスト体質の演劇をはるかに凌駕する、観客をどっ

かんどっかん爆笑させ、その上で人間存在の愛おしさや

ペーソスをも感じさせる物語空間を、見事に創り出してしま

うんです (≧▽≦)


高額なお料理は (ある意味) 美味しくて当たり前。そして、

美味しいこと自体は悪いことではないものの、高カロリー

な料理は必ずしも健康に良くはありません。

そこへいくと、このお芝居は、安価にもかかわらず美味しく、

そして瑞々しさと爽快さと (ほんのわずかの) 野暮ったさ

等までが絶妙にブレンドされた、心底愛すべきB級グルメ

のようなお芝居でした (o^-')b


……ということで、たまにはこういう分析で終わってしまう

レビューがあってもいいのでしょうが (笑) 、やはり、この

お芝居自体についても、もう少しふれさせてください。


浅野千鶴さん演じる先輩OLは、仕事ぶりは堅実なものの、

「会社を辞めてアイドルになりたい!」 などと結構マジで

考えている… というようなキャラ。

川村紗也さん演じる後輩OLは、先輩と違って、Webサイト

を会社でずーっと見ていて、それでいて課長に急に 「300

万円貸してほしい…」 などと言い出す、よくわからん系

キャラ。

そして、関村俊介さん演じる二人の上司である課長は、

二人に振りまわされるような、でも、その振りまわされて

いることを結構楽しんでいるような、まあ、そんなキャラ。


昼休みの公園のベンチで、先輩OLと後輩OLの、クリィ

ミーマミを知っているか知らないかのジェネレーションギ

ャップ話しから、お芝居が始まりました。

この発端のフリは、以後、課長がクリィーミーマミを始め

としたアニメ全般に異常に詳しかったり… という 「受け」

と対応していくのですが、とにかく二人もしくは (課長も

交えた) 三人の会話は、


・「お弁当を誰が買いに行くの?」

・「イタリア (料理) の丼を食べるつもりでいた」

・「OLにとってのランチは娯楽なんですよ…」

・「会社を辞めてアイドルになりたいんだが、萌え系ドジ

っこキャラがいいの? それとも、まじめ系キャラがいい

の?」 (先輩OL)

・「課長、絵画を買いたいと思っているので、300万円貸

してください!」 (後輩OL)

・「先輩はカレーのトッピングだと何になりたかったです

か?」

(ちなみに先輩の返答は、「クリームコロッケかな…」 。)

・「アイドルになるためには…」 (先輩OL)

・「部長になるためには…」 (課長)

・「ごぼう (笑) になるためには…」 (後輩OL)

・「ヨットを買って大会で優勝して課長にカネを返すという

夢を見つけました!」 (後輩OL)


…… 等々、全くとりとめがありません (  ゚ ▽ ゚ ;)


課長と二人のOLとの会話の絡みの多くは、


・OL (特に後輩OL) によって揶揄される

・課長は敢えてそれを受け

・結局はノリツッコミで返す


という、「秘密のケンミンSHOW」 (読売テレビ制作) の名物

コーナーである 「大阪人のノリツッコミV」 とさして変わらない

のに、なぜか関村さんの演技が超爆笑を生むんですよ о(ж>▽<)y ☆


…… ということで、結局、何が言いたいのかというと (苦笑) 、

あらゆる意味でローコストのお芝居であっても、練達の演劇人

三人の手にかかれば、珠玉の45分がこの世に創出される…

ということです ≧(´▽`)≦

でも、この魔法のような時間は、演者、スタッフ、観客の記憶

と感性に残るのみで、まさに雲散霧消してしまうのも、小劇場

演劇の宿命です。

なので、演劇の神さまが降り立ったこの45分のことを少しでも

皆さまにお伝えしたくて、例によって駄文を連ねた次第です。


関村さん、川村さん、浅野さん、ありがとうございました!!


■ ☆ 浅野千鶴さん & 川村紗也さんの役者面会時画像です ☆



今回は、余計なコメントは付しません。

この近影画像が醸し出すホンワカとしたステキな雰囲気その

ままの浅野千鶴さんです。

これからも、応援させていただきます!





今回は、2月の 『成れの果て』 とは180°違う役柄を演じた

川村紗也さんです。

たくさんの抽斗 (ひきだし) をお持ちの俳優さんですので、

このお芝居では、不思議系キャラの川村さんを堪能させて

いただきました。

これからも応援させていただきます!


【参考】

[浅野千鶴さん出演舞台に関する過去の記事]

<『素晴らしい一日』 (2012年3月) のレビュー>

http://ameblo.jp/hitoe-eri/entry-11194265793.html

<『オーラスライン』 (2013年8月) のレビュー>

http://ameblo.jp/hitoe-eri/entry-11594281170.html

<『ファニー・ガール』 (2013年10月) のレビュー>

http://ameblo.jp/hitoe-eri/entry-11628848785.html


[川村紗也さん出演舞台に関する過去の記事]

<『いと愛し』 (2011年11月) のレビュー>

http://ameblo.jp/hitoe-eri/entry-11100258930.html

(このレビューでは動画も見られます)

<スケベの話~バットとボール編~ (2012年3月) のレビュー>

http://ameblo.jp/hitoe-eri/entry-11193431321.html

<『Good night』 (2012年6月) のレビュー>

http://ameblo.jp/hitoe-eri/entry-11286450879.html

http://ameblo.jp/hitoe-eri/entry-11285989320.html  

<『完全版・人間失格』 (2012年11月) のレビュー>

http://ameblo.jp/hitoe-eri/entry-11396946842.html

<『すべての夜は朝へと向かう』 (2012年12月) のレビュー>

http://ameblo.jp/hitoe-eri/entry-11428811543.html

<『バイト』 (2013年6月) のレビュー>

http://ameblo.jp/hitoe-eri/entry-11569270366.html

(ただし、単独レビューではありません)

<『成れの果て』 (2014年2月) のレビュー>

http://ameblo.jp/hitoe-eri/entry-11778737976.html


[関村俊介さん脚本・演出舞台に関する過去の記事]

<『電磁装甲兵ルルルルルルル』 (2014年1-2月) のレビュー>

http://ameblo.jp/hitoe-eri/entry-11763196052.html


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