日総工産を含む製造派遣の現場では来年2月末、いわゆる「2009(平成21)年問題」が待ちかまえています。製造現場に派遣されている多くの労働者の派遣期間が一斉に満了日を迎えるからです。労働者派遣法により、3年間を超える場合、再び派遣契約を結ぶためには3カ月以上開けなければならず、メーカー、人材派遣業界、派遣スタッフとも大混乱に巻き込まれるのは必至の情勢です。


 当社は製造業の業務委託や業務請負、製造業への一般労働者派遣事業などを展開する製造系人材サービス企業で、業界団体の一つである日本生産技能労務協会(会長・清水唯雄=日総工産会長)の会長会社でもあります。2009年問題解決の糸口を探るため、メーカーと協力し、厚生労働省が定めたガイドラインの順守を義務づける業界の自主的な活動を提案しています。


 《平成16年の法改正で、製造業への労働者の派遣が認められるようになった。しかし、18年にメーカーの偽装請負の問題が発覚。メーカーが規制の厳しい請負から派遣へとシフトしたため、その年の製造業への派遣が急拡大した。そのスタッフが期間満了を迎える2009年問題の現実的な対策は、メーカーが派遣から請負に変更するか、直接雇用に切り替えるしかないといわれている》


 大手派遣会社の不正が発覚したり、派遣スタッフだった男が東京・秋葉原で凶悪な事件を起こすなど、世の中の派遣に対するイメージ低下は著しい。マスコミなどで格差社会を論じるときに、派遣という働き方が、格差の元凶であるかのような論調もみられます。

 確かに、派遣会社の中には、金もうけ主義にむしばまれたアンフェアな業者がいることも事実で、法を犯した業者に対する指導は必要です。しかし、本当にそれだけが問題でしょうか。派遣業界は、派遣会社と受け入れる会社、派遣スタッフの3者で成り立っています。この3者が自主的に襟を正すことによって、初めて業界が浄化されると思います。もし、そうならなければ、規制強化へと逆戻りするしかありません。


 受け入れる会社は、もっと派遣スタッフの技能向上に目を配ってもらいたい。派遣会社と協力しながら、スタッフが意欲を持って、継続的に働くモチベーションを高めるためです。また、派遣スタッフも手取りが少ないからといって、社会保障が不十分な質の悪い派遣会社を進んで選んだりするのではなく、自分のキャリアアップにつながる環境を提供してくれる会社を選んでもらいたい。


 《清水竜一社長は昭和63年日総工産に入社し、平成16年から社長に就任。日本生産技能労務協会では常任副委員長を務める。日総工産は、安全衛生活動の一環として、職場フォーラム推進室を設置し、(1)職場での不安や悩み(2)メンタルケアカウンセリング(3)健康相談サービスを受け付け、社員と派遣スタッフの職場環境の向上に取り組んでいる》


 職場フォーラム推進室を設置して1年半が過ぎました。もう少し、状況を見て、改善点などを盛り込んで、業界団体にもメンタルヘルスを中心とした職場改善の窓口を設置するよう呼びかけたい。ヒトを扱う仕事として、ヒトに優しく、大切にする業界を目指します。(小島清利)


 【データ】日総工産 製造系総合人材サービス▽資本金3億547万5000円▽売上高971億円▽本社・横浜市▽従業員3250人▽http://www.nisso.co.jp/


(2008年10月19日 MSN産経ニュース



【HITO-YAのHITO-KOTO】


まったく同意見です。


派遣元、派遣先、スタッフの3者が協力しなければ派遣という働き方が出来なくなります。


まずは業界の浄化、次にお客様の理解、最後にスタッフさんへの的確なアドバイス。


これが出来なければ派遣業界の未来はありません。


同業者としてささやかながらいっしょにがんばりたいものです。





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