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「否定の極論」記事に疲れたあなたへ贈る:「食事」「睡眠」「運動」・・これら「健康の三本柱」をねじ曲げずにポジティブに考えるブログです。


テーマ:
次の記事がネットや雑誌に発表されました。
記事をそのまま抜粋します。
  
~「糖質制限」で末期がん患者の8割が改善 衝撃の研究結果~
  
この理論は・・・
癌はブドウ糖のみをエサ(栄養素)とする。一方で正常な細胞では、ケトン体でも栄養素を摂り入れるが、癌はケトン体を摂り入れない。
という事に基づいています。
  
結論から言うと、癌はブドウ糖のみを栄養素とする・・・この理論がウソです!!
これに関しては、後半部分で説明します。
  
ではまず記事からご紹介します。
  

  
「三大治療」と呼ばれる手術、抗がん剤、放射線によるがん治療は日進月歩だが、「末期がん患者の8割が改善された」という衝撃の研究結果が発表された別の治療法がある。
意外なことにそれは、最新技術とは一切無縁の食事療法だった。
  
主食のご飯やパン、麺など炭水化物に多く含まれる糖質の摂取量を減らす食事法「糖質制限」は、糖尿病患者などに効果があることで知られるが、がん患者への効果を示すエビデンスはこれまで存在しなかった。
  
そんな中、糖質の摂取量をゼロに近づける“究極の糖質制限”になると、がん治療にも効果が見られたという臨床研究データが発表された。
大腸がんや乳がんなどステージIVの末期がん患者を対象に、世界初の臨床研究を行なったのはT病院のF氏(医学博士)である。F氏が語る(注:文面では名前を隠します)。
  
がん細胞は炭水化物から合成されるブドウ糖を栄養源としています。しかも正常細胞の3~8倍のブドウ糖が必要。
ならば、それを断つことでがんの進行を抑制できないかと考え、2015年1月に研究を開始しました。
  
19人の末期がん患者に抗がん剤などの既存の治療と、糖質制限による食事療法を3か月続けたところ、予想以上の効果が出た。
  
・がんの症状が消失した完全寛解が5人
・がんが30%以上消失した部分奏効が2人
・進行を制御した例が8人
・一方で病状が悪化した例は3人という結果でした。

  
完全寛解率28%、部分奏効や進行制御も含めた病勢コントロール率(治療効果のあった患者割合)は実に83%に達しました」
  
患者の大半は三大治療では治る見込みが薄かった末期患者であることを考えると、驚異的な数字といっていいだろう。
  
※週刊ポスト2016年12月2日号
  

  
続いて、こちらも抜粋、同じF氏が書いたものです。
  
~がん細胞を兵糧攻め! 「究極糖質制限」の威力~
  
2人に1人ががんに罹患し、3人に1人ががんで亡くなるとされる中、今日のがん治療の大きな問題点といえば、この90年以上も前に発見された事実が、まったく生かされてこなかったことに尽きるでしょう。
今では、がん細胞は正常細胞の3~8倍ものブドウ糖を取り込まなければ、生命活動を維持できないことも分かっています。
  
その理由は、2つ考えられます。
1つは、がん治療の現場において、患者の栄養管理や食事指導内容が軽視され続けてきたこと。
そして、もう1つは、糖質の代名詞である炭水化物が、私たちが生きていくために必要な、3大栄養素の中核を担ってきたことです。
  
確かに、私たち人間の生命活動は、糖質が体内で分解されてできる、ブドウ糖を主なエネルギー源にしていると長く考えられてきました。
しかし、結論から先に言えば、ブドウ糖が枯渇すると、人間の体内ではブドウ糖に代わる、緊急用のエネルギーが生み出されます。
それが、私ががん治療の鍵としている「ケトン体」という酸性の代謝物質です。
  
このケトン体は、皮下脂肪や内臓脂肪が分解されることで産生されます。
そして、正常細胞がケトン体をエネルギー源にすることができるのに対して、がん細胞は基本的にそれができません。
がん細胞には、ケトン体をエネルギーに変える酵素が欠けているからです。
  

  
皆さんはこれを読んで、どのように思いましたか?
  
癌細胞が、ブドウ糖をエネルギー源とするという報告は、1931年にノーベル生理学・医学賞を受賞したオットー・ワールブルグ博士が、マウスの「癌性腹膜細胞」を用いた実験で解明し、1923年からの一連の論文で発表しました。
  
F氏は、この90年間、医学会では癌と糖質制限に関して、ほとんど論じられてこなかったと言っています。
本当にそうなのでしょうか?。私はそうは思いませんでした。
  
極端な糖質制限で本当に癌が消滅するのならば、世界のどこかで、これを患者さんの治療に役立てようと考えた医療関係者が、この90年間にいるはずです。
そして、世界の医療関係者たちが試してみたけれども、まるで効果がなかったのではないか?と思いました。
  
  
確かに海外からも、「癌と糖質制限」に関する論文はありました。
Metabolic management of glioblastoma multiforme using standard therapy together with a restricted ketogenic diet: Case Report
  
ただし、これは症例報告(一例報告)で、しかも調査機関がたった2ヶ月と非常に短かく、かつ通常の治療と併用しております。
  

  
記事の確認のため、冒頭のF氏のネット元の週刊ポストを買って読んでみました。
やはり調査期間、なんとたった3ヶ月でした!!!
  
皆さんは医師が癌患者の治療方針を決定する際に、臓器別+Stage分類(進行度)によって、「5年生存率」などを考慮しているのをご存知でしょうか?。
F氏も以前までは通常の学会発表をしているので、当然この事はご存知ですし、医療関係者ならば常識です。
⇒ 『http://blh.co.jp/profile.html
  
極端な糖質制限・・・とは無関係に、癌治療による生命予後を判断するのに、たった3ヶ月では短すぎます。
そもそもたった3ヶ月の結果で、本当に糖質制限の効果があったと言えるのでしょうか?。
  
それらの患者さんは、通常の治療も併用されているので、もしかしたら糖質制限を行なわなくても、たった3ヶ月なら同じ結果だったかもしれません。
文面だけだと、まるで糖質制限をしたから癌が縮小したようにも思えますが、通常の治療が、3ヶ月後に効果が出てきた可能性もあります。
  
★☆★☆★☆★☆★☆
  
糖質制限により本当に癌を縮小したと言うのならば、1つの臓器のみに限局して、通常の治療を一切行わないで、糖質制限のみ行なったとしたら効果があると言えるでしょう。
ただしそれでも、たった3ヶ月程度では短すぎますが。
  
具体的には、患者さんを次のように無作為に振り分けます。
① 通常の治療を行なわないで、糖質制限のみを行なった群
② 通常の治療と糖質制限の両方を行なった群
③ 通常の治療のみを行なった群

  
ですが、常識的な病院なら、倫理委員会でこのような臨床研究を許すわけがありません。①は癌放置療法で有名なK氏と同じになってしまいます。
F氏は所属病院の倫理委員会の許可を得ていますが、その内容は通常の医療も併用するものでした。
  
そもそも倫理委員会うんぬんの前に、皆さんが上の3つの群に入るとしたら、①の糖質制限のみの群には絶対に入りたくないと思います。
万が一①に入るという人がいても、おそらくご家族から猛反対をされる事でしょう。つまり、無作為研究自体が成り立ちません。
  
ちなみに、病院側にとって収益にならないというくだらない理由などではありません。
患者のために有益とは言えない、むしろ危険であるからです。
  

  
F氏はこれまでエビデンスがなかったと書いておりますが、F氏の報告はたった19例です。
そしてエビデンスを示す場合、これらの患者と比較する対照群となる患者が必要なのに、記事では例えば上の①~③のような対照群を示しておりません。
  
そして癌と言っても様々な種類があります。癌の種類によっても抗癌剤などの治療効果に差があり、エビデンスと言うには、あまりにレベルが低い研究です。
医療業界には、様々な種類の癌を1つにまとめた評価基準など存在しておらず、F氏の独自の評価基準と思われます。
  
そして今のところ、学会発表はありましたが、論文による発表はなされていません。
ちなみに医学系の学会の多くは、申し込みさえすれば、大抵アクセプトされて学会での発表が可能です。
  
下に、F氏の学会誌の抄録を2つ掲載します。
  

  

  

医療関係者の人以外のために、簡単に解説します。
  
この2つとも、糖質制限オンリーではなく、通常の治療と併用しております。
仮に私の検索が不十分で、学会誌に論文が載っていたとしても、調査機関が非常に短いのです。
  
上の方でも書きましたが、本当に糖質制限の効果があったのか、それとも通常の治療が徐々に効果が出てきたのか不明です。
また、2つ目の論文は、5年先にどうなっているのかも不明です。
  

  
そして何より、マスコミの対応の仕方が問題です。
ここでFacebook上でコメントされた、癌研究に携わっているある医師のコメントをそのまま載せます。
  
「このような低いエビデンスレベルの臨床研究は世の中にいくらでもあります。それ自体は問題ではないと思います。研究とは常にいろいろなレベルのものが混在するものです。
本当かどうかを議論することも意味がないでしょう。検証は科学的な方法でなされるしかありません。
  
問題は単純ではと思います。マスコミ報道のされ方が間違っているということだけです。一般人の事実誤認を誘発しています。また、それを商売に利用しています。
このようなひどい状況が続いている現在で必要なのは、おそらくマスコミ報道を評価する第3者機関が必要なのではないでしょうか?。
  
医療や科学の高いレベルの知識がある人で、利益相反のない人が、マスコミからされる医療報道の事実レベルを評価して、その結果を公表することができれば、一般市民は信じていいかを知ることができるのではと思います。
そういうものを作るのは簡単な話ではないですが、マスコミ自体に勉強を即しても、もうどうにもならないレベルになっている気がするので、そのような自己防衛も検討すべき時なのではと思いました。」
  
  
この医師のコメントのように、一般人がF氏の発表を受けて、本来必要とする癌治療を拒否し、最悪の結果になりかねない心配があります。
くれぐれも一般の皆さんは、F氏の発表をそのまま鵜呑みにしないでください。
  
多くの一般の医師は、ネット上でもF氏の発表に不信を抱いています。
そもそも女性が買うのをためらうような怪しげな雑誌、そんな記事を、そのまま鵜呑みにする事自体いかがなものでしょうか?。
  

  
さてこのような投稿をすると、医療否定者は次のような言葉で反発する事が予想されます。
  
『既存の医療を超えようとしない思考停止の業界』
『既存の医療の圧力や陰謀に屈して否定された』
『糖質制限では金儲けにならない』
『またエビデンスかよ~』
・・・などなどです。

  
え~とですね、我々医師も患者さんが助かるのなら、既存の医療を超えてでも行ないたいです。
繰り返し繰り返し、くだらない言葉で反発するのはやめてほしいです。どちらが思考停止しているのかわかりません。
理論へは理論でもって、きちんと反論してもらいたいものです。
  
糖質制限が効果がある人もいるのは事実です。ですが、伝え方に問題があるのです。
糖質制限の記事は、「脅し」「恫喝」による言葉を使って、糖質制限を推奨するものが多いです。そして全員が糖質制限をしなさい!、それ以外はダメだという内容の場合も多々あります。
  
それって正しい伝え方と言えるのでしょうか?。
そんな伝え方に、発信者の愛などまるで感じません。子供の頃から愛情をもって、育てられてきましたか?。
  
繰り返しますが、F氏の発表はエビデンスとしてはあまりにもレベルが低いし、むしろ危険とすら思います。
おまけに主観的な要素が多く、データの裏付けすらありません。
仮に数万人に1人に効果があったという例外的なケースでも、症例報告は可能です。
  
★☆★☆★☆★☆★☆
  
確かに極端な糖質制限で、癌が縮小した人が稀にいるかもしれません。そこは私も譲ります。
では、極端な糖質制限をいつまで続けるのでしょうか?。そしてそれは危険ではないのでしょうか?。
  
実は危険です!!
極端な糖質制限を行なうと、相対的に脂質摂取量が増えて、心臓病や脳卒中になるリスクが高まります。
それは世界中からエビデンスを含めた大規模調査が報告されています。

詳細はこちらから⇒ 『便は体内の健康を知らせてくれる「お便り」
  
そのようなリスクに関して、F氏は全く無視しています。
中立の立場にならないで、自分の都合が良いように報告するのはいかがなものでしょうか?。
  

  
そもそも医師免許証を持つ程度の者の知識では、癌細胞の栄養に関して知っているつもりでも、実は詳しい事を知らないんです。
このような知識は、科学者から学ぶ必要があります。
  
「癌細胞はブドウ糖のみをエサ(栄養素)とし、ケトン体を利用できない」
・・・これはウソです!!

  
わかっているだけでも乳癌、前立腺癌、気管支・肺腺癌などはブドウ糖の取り込みが少ないことが、科学者の間では広く知られています。
また癌細胞は、特に分化度の低いものほど大いにケトン体を利用します。
  
ちなみに糖質ゼロの食事をしても、アミノ酸から糖新生を行ない、ブドウ糖を作って血糖値を維持します。
結局、F氏が述べているような兵糧攻めにはなりません。
  
標識したブドウ糖を使うPET-CTで確認できる癌細胞は、おそらく半分ぐらいです。
その他の癌細胞は普通程度の糖利用率、あるいはケトン体・脂肪酸・アミノ酸を利用しているのです!!
  

  
尚、ケトン体には、炎症を抑える効果があったり、神経細胞の興奮を抑制する効果があるため、癌に対しては抑制的に働くことになります。
ですから、ケトン体を増やすような食事や生活習慣は、癌の発症を抑制するにはプラスになると言えます。
  
問題はそれを過大評価し、極端な糖質制限を行なうことです。
ここからは、極端な糖質制限の害について説明していきます。
この先は少々専門的な話になります。図を見ながら、文章をお読みください。
  

▲尿素回路(アミノ酸の代謝)
  
  
極端な糖質制限は、タンパク質摂取量が増えるために、高額なサプリにでも頼らない限り、必然的に脂質摂取量も増えます。
  
タンパク質・脂質が多過ぎる結果、糖を作った後にアミノ酸に結合していたアミノ基が余分になりますから、それをまずアンモニアに変え(上の写真の左上)、最終的にそれを尿素に変え、その何割かを腎臓から尿として排泄します(上の写真の右下)。
これを長期間続けると、腎臓にかなりの負担がかかり、将来的に腎不全となり人工透析が必要となります。
  
そして余分なアンモニアが血中に増えて、血液環境が悪くなると、細胞は更に苦しくなって癌化が促進されやすくなります。
つまり体内がこの過酷な環境になった時、正常な細胞は生きていくのが苦しくなるので、癌細胞として生まれ変わります。
正常な細胞が癌細胞に生まれ変わるのは、極端な食事に対して細胞が生き延びようとするための、ある意味正常な反応なのです。
  

▲メチオニン代謝  
  
  
また糖質制限すると、その代わりに糖新生が行なわれますが、この際、特にビタミンB6を大量に浪費します。
一方で、肝臓においてメチオニン代謝というものが行なわれます。
ここででもビタミンB6(+葉酸)を消費します(上の写真)。
  
そして、糖新生のためにビタミンB6などが不足すると、メチオニン代謝が上手く回らなくなり、血中にホモシステインというものが増加してきます。
  
ホモシステインは動脈硬化の元になりますので、循環器系疾患を招きやすくなります。
そのような徴候のある人が極端な糖質制限を行なうと、将来的に心筋梗塞などで命を失うことになりかねません。
極端な糖質制限を勧める人たちは、これに対して責任をとることができるのでしょうか?。
  

▲ケトン体のAGE化(抄録)
  
  
そもそも、ケトン体は、人間の60兆個の細胞の老化から様々な病気の原因となる「AGEs(終末糖化産物)」を増やします。
そのような学会報告(上の写真)もあります。
  
  
よく糖質制限推奨者の中で、やたらと血糖値を気にされている人が多数おります。
では、一体いくつを目標としているのでしょうか?
  
もちろん、低いに越したことはありませんが、低くすることを意識する結果、エネルギー不足で日常生活に影響を及ぼしたり、疲れやすくて風邪をひきやすい身体になる可能性があります。
  
  
#2型糖尿病が疑われるケース
・朝食前空腹時の血糖値:110mg/dl以上
・食後2時間後の血糖値:140mg/dl以上
ちなみに最も血糖値が高くなるのは、食後75分後です。
  
仮に食後2時間の血糖値が90と139の人たちでは、もちろん90mg/dlの方がいいには違いありません。
では両者で心臓病や脳卒中を引き起こす可能性は?というと、せいぜい1万人に1人程度の差しかありません。
  
「AGEs」というのは余った糖が、タンパク質と結合し様々な病気の原因となるのです。
血糖値だけにこだわって2型糖尿病を発症しなくても、「AGEs」を増やすような極端な食事法により、心臓病や脳卒中、癌になるようでは意味がありません。
  
  
他にも理由はありますが、極端な糖質制限やケトジェニックは推奨できるものではありません。
  
そして糖質制限を推奨する多くの医師は開業医や小さな病院の所属であって、心臓病や脳卒中などの合併症で救急搬送される事はありません。
糖質制限の副作用に関する現場など知る由もありません。
  

▲AGEsは様々な病気を引き起こす
  

▲食事からのAGE摂取量(単位exAGE)

  
  
我々人間では、毎日5000~8000個の癌細胞が出来ています。
それをNK細胞がモグラ叩きのように、次々に癌細胞を消滅させている事は良く知られていますよね。
その中をくぐり抜けた癌細胞は、平均で10年の歳月をかけて顕微鏡レベルで成長し、早期癌として小さな芽を出すのです。
  
ちなみに1日6000個の癌細胞が出来るとします。
これが50年間では・・・
6000(個)×365(日)×50(年)=109,500,000
つまり50年の間で、わずか一億分の一の確率で癌細胞が出来上がるのです。
よって癌細胞は、並大抵の細胞ではありません。
  
では早期癌として小さな芽を出すまでの約10年間、どうしてNK細胞などが顕微鏡レベルの小さな癌細胞を死滅出来ないのでしょうか?
  
それは癌細胞の周りでは、我々の免疫細胞であるレギュラトリーTリンパ球(制御性T細胞)というものが、癌の味方になるからです。
これは、癌細胞を取り囲んで、NK細胞からの攻撃を守ったり、あるいは攻撃させないようにする働きがあるのです。
  
このような癌細胞ですから、代謝系は完璧なので、ブドウ糖やケトン体だけでなく何でも利用できるのです。
もしも酸素がなければ、癌細胞のミトコンドリアは、回虫などが行なうフマル酸呼吸(嫌気呼吸)というものを行ないます。
人間の細胞が癌化するとは、フマル酸呼吸のスイッチをオンにすることでもあるのです。
癌細胞はどんな事をしてでも生きられる、まさしくスーパー細胞なんです。
  

▲癌細胞のフマル酸呼吸

  
  
小林麻央さんが、ようやくケーキを食べられるようになったというブログで賛否両論がありました。
確かに腸内環境を整えて癌になりにくくなるためには、長期的には食事・運動・睡眠を含めた日常生活の見直しはとても大切です。
  
だが癌がかなり進行すると、ケーキを食べようが食べまいが、短期的に大きな影響はありません。
糖質制限推奨の人たちは、当時麻央さんがケーキを食べる事を批判しましたが、抗癌剤の副作用から立ち直って、ようやく好物を食べる事が出来たことを喜ぶべきじゃないでしょうか。
  
人が他人を否定する事って簡単なんです。
ですが、人をほめる事ってなかなか出来ないものですよね。

  
★☆★☆★☆★☆★☆
  
残念な事ではありますが・・・
一憶分の一の確率で発症した癌細胞は、極端な糖質制限やケトン体食はもちろんの事、様々な民間療法のみで消滅させる事はごく稀にしかありません。
  
このような知識は、その道の科学者から学ばないと、わからないレベルなんです。
これを知っている医師は、ごく一部の腫瘍内科医か病理医くらいで、それ以外の医師はまず知りませんし、そこまで知らなくても臨床上、大きな影響がありません。
ましてや糖質制限だけで癌を治そうと考えている人たちは、知る由もありません。
  
  
癌の三大療法に、限界があるのは間違いありません。
医療で癌と闘うという事は、たとえが悪いのですが、サッカーの日本vsブラジルのようにほぼ勝ち目がないけど、稀に勝つ時もあります。
一方でテニスの錦織選手がランキング下位との選手と闘い、通常は勝つのだけど、たまに負けてしまうという時もあります。
  
一憶分の一以上の確率で生まれたスーパー細胞である癌に対する治療は、最初から勝つ約束があるものではありません。
ですが、それでも勝ちに行かないとなりませんし、また通常の医療を一切無視した癌治療などはあり得ません。民間療法を行なう際には、必ず通常の医療との併用が必要です。
  
癌治療というのは民間人はもちろんの事、医師が思っている以上に甘っちょろいものではないのです。
  
★☆★☆★☆★☆★☆
  
そもそも「癌」というものは、遺伝子の変異や異常で発生するだけではありません。
「アミノ酸代謝」のところでも述べましたが、過酷な環境に曝されたときに細胞が生き延びるための一手段で、いわば正常な反応なのです。
  
遺伝子が壊れてがんになる・・・などと教えられて、それだけだと思っている医師にとっては、癌細胞は何らかの遺伝子が欠損している、たとえば糖質しか利用できないとか、そんなふうに思ってしまうのでしょう。
  
★☆★☆★☆★☆★☆
  
ちなみに三大治療の中の抗癌剤と放射線治療は、効果がある癌とない癌があります。
  
がん細胞の周りには、一般的に「がんニッチ」と呼ばれる正常の細胞による隔壁のようなものが生じます。
これによって、癌細胞は守られながら増殖するのです。
抗癌剤や放射線の効果がある癌とない癌の違いは、この「がんニッチ」という隔壁の強さによる事も理由の1つです。
  
  
尚、民間療法ですが、エビデンスを出す事は難しいでしょうけど、決して効果がないとは私も思っていません。
  
癌は細胞内外の環境の悪化による発生である事を説明しましたが、その一方で細胞内外の環境が整えば、癌細胞はNK細胞や細胞障害性Tリンパ球(CTL)というものの協力を得て、自滅装置の起動によって自滅可能だからです(アポトーシス)。
細胞内外環境が整えば、癌細胞は静かに身をひいていくのです。
  
ネットワーク商品はまがい物が多いのは事実ですが、上記の理由から、本当に良い商品であれば癌細胞を縮小する事は可能だと思います。
私自身も日頃から、腸内環境を良好にした日々を送るようにしています。
ですが、予防に完璧なものなどありません。
もし、私自身が癌になったら、きっと何らかのネットワーク商品を併用します。
  

  
糖質制限の発信の最大の問題点は、具体的にどの糖質を制限すべきか?、最低何グラム必要かを示さない記事が圧倒的に多い事です。
  
★どの糖質を制限すべきか?
単糖類(特に異性化糖)、二糖類(砂糖)を現代人は多く摂り過ぎています。控え目にした方がいいでしょう。
また白米は、人間のエネルギーとして必要です。出来れば、食物繊維・ビタミン・ミネラルが多い雑穀か発芽玄米と一緒に食べた方がいいでしょう。
ちなみに白米を食べると、糖尿病になると思っている人は非常に多いですが、日本人の食の歴史を考えればすぐに違うとわかります。お米の摂取量は、戦後からどんどん減っていますが、糖尿病患者はむしろ増え続けています。
  
★1日何グラム必要か?
米国からの報告です。
⇒ 『Daily Nutritional Goals for Age-Sex Groups Based on Dietary Reference Intakes and Dietary Guidelines Recommendations
これによると、脳のためには糖質は1日で130g(1時間あたり約5g)、すなわち520kcal必要です。
つまりご飯茶碗一膳あたり150~200kcalなので、毎食一膳でも問題ありませんし、むしろ最低限の糖質は摂るべきです。
  
★極端な糖質制限では?
国立国際医療研究センター研究所のホームページからです。
⇒ 『糖質制限食による死亡リスク – メタアナリシスによる検証
こちらは、全9件の論文、何と27万人以上を対象とした結果です。
結論として低炭水化物食による長期的な効用は認めず、死亡リスクが有意に増加することが示唆されました。
  
つまり極端な糖質制限・ケトジェニックは、理論だけではなくエビデンスでも危険である事が証明されています。
肉類などの動物性タンパク質は、食べ過ぎもいけませんし、食べなさ過ぎもいけません。
 
 
  
どんな「食」にもマイナス面があります。
都合良く使われる言葉ですが、結局は「バランス」が大切です。
極端な食事法は、一時的には効果があっても、長期的にはマイナスの方が大きいです。
  
個人の独自の発信だけを鵜呑みにしないで、世界的に認められたことを参照にすべきではないでしょうか?。
  

▲お米の成分

  
  
上の写真をご覧ください。
ご存じない方も多いかもしれません。
  
お米って炭水化物しか入っていないと思っていませんか?。
実はお米には6.8%もタンパク質が含まれているんですよ。
  
あまり「無添加」などの言葉にこだわり過ぎると、精神的に却って不健康になりますが、毎日食べるお米に、無添加のタンパク質が含まれているって嬉しい事ですよね。  
  
尚、参考までですが・・・
冷蔵庫でゆっくりと冷やした4~5℃の冷やご飯は、「レジスタントスターチ」というものを増やします。
これは、食物繊維に似た働きをしますので、腸内環境を整える効果があり、血糖値がゆるやかに上昇させます。
さらには、ミネラルの吸収を助ける働きも持っています。
  
だからと言って、温かいご飯を無理矢理冷やす必要はありませんが。
  

▲PFCバランス

  
  
後半部分は少々専門的で、一般の方々にはわかりにくかったかもしれません。
  
よく一般人にはわからない専門用語を多数使った難しい内容を発信して、何かわからないけどすごい!と一般人を煙に巻く記事を目にします。
広告業界では有名なのですが、約60%の人が広告のタイトルしか見ておりません。ネット記事も同様で、タイトルだけに翻弄されないようにすべきです。
  
私の文章は、今回は珍しく専門用語が多かったのですが、写真と写真で区切っております。
枠ごとに、ゆっくりと読み直せば理解できるような内容にしております。
  
  
くれぐれも極端な情報に迷わされないようにしてください。
「エビデンス」ばかりに固執するのもいけませんが、ある程度は「エビデンス」を大切にする必要があります。
  
専門知識のない人たちが命に関わる医療・健康情報を扱っているということで、大炎上したDeNAの医療情報サイト「WELQ」の全記事が非公開されました。
⇒ 『DeNA「サイト炎上」MERY、iemoの原罪とカラクリ
  
ちなみに、「WELQ」だけが問題ではなく、国内外問わず、様々なデマ記事があるのでご注意ください。
⇒ 『【問題はウェルクだけではない】医療知識ゼロのその辺にいる元がん患者が伝えたい「ネット上の医療デマ」の話
  
  

では医師が推奨する治療法は全ていいのかと言うと、それもまた危険を伴う場合があります。
特に保険が適用されない自由診療や、対談形式の記事は信頼度がかなり低いのでご注意ください。
そういう者に限って、効果があったら代替医療のおかげで、副作用は抗癌剤や放射線のせいにしますから。
  
また、どんな分野でも「初もの」は批判の対象になります。
ですが、「エビデンス」を一切無視した理論は、その人独自の理論であって、一部の素人さんに推奨されるだけで、国際的には全く評価されません。
  
そして・・・
エビデンスを一切無視する発信が多いものですから、一般人は正反対の結論に迷ってしまい、自分にとって都合がいい方を選ぶ、それが最悪の結果になる事もあるのです。
  

  
人は今まで信じていた事を真っ向から否定されると、憎しみをもって反発する事があります。
私の事を、既存の医療の枠を超えようとしない医者の屁理屈だの思考停止だの、何を言ってもらっても結構です。
しかし、癌細胞の性質がそれで変わるわけではありませんので。
  
医学も栄養学もその他さまざまな分野でも、長年の積み重ねやデータが現在の医療、栄養学などを支えています。
癌治療などで、通常の医療を全く無視した代替医療で癌を治癒する事は、稀にあったとしても、所詮稀です。
脅し系や恐怖の言葉で不安を煽る極論記事に、今後も騙されないようにしてください。
  
  
口から出た汚い言葉や文章は、真っ先に自分の耳や目に入って自分の心を汚します。そしてそれを知った相手の心までもを汚します。
憎しみに満ちた恐怖や恫喝の言葉の最初の犠牲になるのは、言葉を発信したその人なのです。自分で自分を苦しめるのはやめましょう。
  
この記事のシェアはもちろんOKです。
ただし反発したいのなら、理論には理論でもって反発してください。
それができなければ、単なる負けおしみですので。
  
そして最後にこの言葉をもって、記事を終えたいと思います。
我々日本人の身体を子供の頃から作ってくれたお米、それに感謝どころか憎むような人は、日本人を名乗る資格などありません!!
  
(画像はネットより拝借)
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