【8(前ページ)からのつづき】
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“完全犯罪とはどういうものか、
知ってるか?
それは違法ではない犯罪行為のことだ”
(BBC調査報道ジャーナリストのグレック・パラスト
〔Greg Palast〕の叔父さんの言葉)
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あなたも監視されている~スノーデンの暴露とは
エコノミック ヒットマンDemocracy Now !
以上のふたつの動画には、或る共通点があります。
〈アメリカの国家戦略に従事し、
いずれも自身の良心の呵責に堪えきれず、
世間に内部告発した〉、
あるいは
〈ジョン・パーキンスは
「エコノミック・ヒットマン」として、
またエドワード・スノーデンは
「コンピュータセキュリティなど
情報システムの局員」として、
NSA(やCIA)に仕えていた〉
という共通点もありますが、
少なくとも今ひとつ、
共通点をあげることが出来ます。
それは、
〈❝実質的❞にはNSAやCIAの一員として
活動していた〉にもかかわらず、
〈❝法的❞には民間企業に所属する格好となっていた〉という点です。
《彼らが民間企業に法的には所属する形だった》
ことの❝意味❞や❝重要性❞は「何」でしょうか?
その答えは、上の動画で、
エイミー・グッドマンの質問に答える形で、
ジョン・パーキンスが答えています。
(5分以降~)
エイミー・グッドマン
「(実際には「エコノミックヒットマン」として
膨大な仕事をこなしていたにもかかわらず、
ジョン・パーキンスが所属していた
ボストンの目立たないコンサルティング会社と)
NSAとの関係は?」
ジョン・パーキンス
「それが面白いところで、
直接の関係は何もないのです。
NSAは適性を見抜いた後、
私を民間企業に送り込んだ。
巧妙で賢いシステムです。
手を下すのは民間企業なのです。
外国で我々が買収や賄賂をして、
現地当局に逮捕されても、
悪いのは民間企業だ、米国政府ではない」
また、スノーデンのほうは、
NSAと契約するコンサルティング会社である
ブーズ・アレン・ハミルトン社や、
DELLなどの《民間会社に所属》するのでした。
こうして、実際には
米国政府の機関の国家戦略に従事し、
良心の呵責に苛なまれ、葛藤するような
《実質的な犯罪行為を行なっているのに、
米国政府は法的責任から免れる》
という❝巧妙で狡いシステム❞を、
以降の記事で見ていくことになります。
その意味をこめて「非立憲」という言葉を
選びました。
しかし、以下に引用する対談の模様を、
過去にも引用しましたが、
ブログの文字数制限上、
前ページに引用できなかったので、
この追加ページに引きました。
過去記事でも、同じ文脈内容で使いましたが、
今回も同様にして、
犯罪者がいるから警察が必要になってくる、
という一般常識論ではなく、
歴史的実際からすると、
「抑圧的なる警察による治安(≒監視化)」は
巷にはびこる「犯罪者の存在によってこそ」
❝容認される❞という点です。
市民の人権を❝損なう❞「軍事体制化」を
❝容認させ、可能ならしめる❞のは
《隣国の脅威》の❝おかげ❞ですよね?
北朝鮮のサリンはコワい、と言う一方で、
「最も危険」な〈高浜原発〉や〈伊方原発〉を
「再稼働させる」っていう
マッドな思考回路のほうが
私にはいちばん恐ろしいです。
隣国が攻めて来なくても、
稼働による事故が指摘されている原発事故や
自然災害による原発事故で、
《日本列島に残って野たれ死ぬ》か、
《一億総難民化し、
難民収容所/難民キャンプで、
鬱病になるか、絶望し自殺する》か、
ぐらいしか、選択肢が残らなくなるからです。
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ミシェル・フーコー✖J=J・ブロシェ
「監獄についての対談――本とその方法」
(1975年6月)より
“J=J・ブロシエ
「あなたは監獄が監視という形で成立した時点から、」
それが犯罪集団という名の自らの糧を分泌したと言っていますね。
ミシェル・フーコー
「監獄は最初から人間矯正の意図に結びついていた、というのが
私の仮説です。
(引用者中略)
最初から監獄は、
学校や兵舎や病院と同じくらいに完璧な施設として、
個人に的確に感化を及ぼすべく作られたんです。
ところが その破綻はあっという間で
計画するとほとんど同時に失敗が確認されました。
1820年にして
既に、監獄は犯罪者を善良な人間に変えるどころか、
新たに犯罪者を作り出したり、
それまで以上の悪人に仕立てあげたりするもの
だということに人は気がついたんです。
まあこれは権力機構の常ですが、
この不都合を
いっそ戦略的に利用しようということになった。
監獄は犯罪者集団を作り出すが、
考えてみれば
犯罪者集団は経済的にも政治的にも有益だ、
犯罪集団も役に立つ、というわけです。
例えば、性的快楽の利用から利益を引き出すということで、
19世紀には大掛かりな売春組織が作られましたが、
これも犯罪集団があったからこそ可能だったわけで、
この集団が日常的で高価な性的快楽と資本化との
いわば仲立ち的役割を果たしたんです。
(引用者中略)
ブロシエ
「あなたは犯罪の一番の犠牲者は貧困層だと説明していますよね」
フーコー
「犠牲者であればあるほど犯罪を恐れるわけです」
ブロシエ
「しかし犯罪者を駆り集めるのも
やはりその貧困層の中からだったんですよね」
フーコー
「ええ、そして監獄が
犯罪者徴募のための格好の施設だったんです。
いったん人が監獄に入ると、
その人間を凶悪にするようなメカニズムが働いて、
出所したときには
再び犯罪者になるよりほかないんです。
必然的に
ヒモか警官かたれ込み屋になるような仕掛けになっている。
監獄は言わばプロの養成所だったわけです。
18世紀のように、
あっちの村こっちの村と荒らし回っては
残虐行為をはたらくことも多かった山賊に代わって、
今度は内部に警察のイヌも潜入しているといった、
本質的に都会的で実に閉鎖的な犯罪集団ができあがったわけで、
それが政治的にも経済的にも結構役に立つんですね。
ブロシエ
「強制労働の特色はそれが何の役にも立たないことだ
という指摘にはうなずけるんですが、
じゃあそれは体系全体の中でどんな役割を果たしていたんでしょうか?」
フーコー
「最初の構想では、
強制労働は
なんらかの職業の習得ではなく、
まさに労働の美徳を学ばせるのが目的でした。
無意味な労働、労働のための労働によって、
働く者の理想の姿を人に与えるはずのものでした。
幻想にすぎないかもしれませんが、
これは
アメリカのクエーカー教徒(労役所の設置)やオランダの人たちによって
実際に計画され規定されてもいたんです。
ところが 1835年から40年頃になると、
犯罪者を矯正して善良な人間に変えるのではなしに、
彼らを
経済的、政治的目的のための武器にできるよう、
ブラックリストに載せて
きちんと限定した犯罪者集団に組み入れよう
とする意図が明確になってくる。
最初は明確な構想に基づいていた強制労働の無益性も、
今や別の戦略に使われるようになったわけです。
(引用者中略)
ブロシエ
「あなたは犯罪も役に立つと言いますが、
犯罪はそうした政治経済的な必要性というよりは、
多分に自然の理の一部だとは考えられないでしょうか?
つまり、工業社会にとっては、労働力という点からして、
犯罪者が労働者より割に合わないとも考えられるからです。
フーコー
「1840年頃には、
失業や不完全雇用は経済の一条件だったんですよ。
どっちにしろ労働力は有り余っていたんです。
でもまあ犯罪者を自然の理の一部と見る考え方は、
恐らく19世紀ブルジョア思想のあの臆面の無い知性の一部ではあったでしょう。
ブルジョアが愚かで慎み深いなどと単純に想像するのは
ボードレールくらいのものです。
彼らは実に聡明で臆面のない連中だった。
それは彼等が自分たちについてどう言っているかを読んでみれば
分かるし、
他の階級について言ったことを読めばもっと良く分かります。
犯罪無き社会を夢見たのが18世紀末。
ところがそれも束の間、
犯罪は有益な面が多すぎて、
それの無い社会を夢見るほど
ばかげた危険な話はないということになった。
犯罪者が無ければ
警察はいらない。
だって
警察の存在、警察による取締りを
民衆が容認するのは
犯罪を恐れればこそでしょう?
だってそれをあなたは天からの授かり物のように言う。
警察というこんなにも歴史の浅い、
こんなにも抑圧的な制度が
存在する根拠は
そこにしかないんです。
我々には武器がないのに、
そこに武器を持った制服姿の奴等がいて、
身分証の提示を求めたり、
玄関先をうろついたりしてもいいなんて、
もし犯罪者が存在しなかったら
いったい誰が
認めるっていうんですか?
それに、
犯罪者がいかに多くていかに危険かを
毎日のように書き立てる新聞記者がなかったらね。”
(ミシェル・フーコー思考集成Ⅴ」(筑摩書房)
(/フーコー・コレクション〈4〉権力・監禁』 (ちくま学芸文庫) )所収
中澤信一訳 P.358、360-361、365-366)
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《世界を戦場にしていい理由9.11から無人機攻撃まで》
(うまくスキップできなくても、何度もチャレンジしてみて下さい)
うまくリンク移動できない場合は☞コチラ
http://democracynow.jp/video/20130517-1
(Democracy Now――放送日2013/5/17(金)
2013年、国防総省の高官は上院の公聴会で
「軍が敵とみなす者がいるところが戦場」であり、
アルカイダとその関連組織との戦いは
「最短でも10~20年かかる」と証言しました。
根拠にされた法律が、
9.11事件を受けて2001年に議会が可決した
「テロ組織に対する武力行使の承認」(AUMF)
という合同決議です。
高官に食いついたのが
メイン州の独立派議員アンガス・キングでした。
キング議員の主張は明快そのもの。
AUMFは、
9.11事件を起こした者とそれに関与した者に限定した決議であり、
これを
「アルカイダとその関連組織」と読み替え、
2001年9月11日以降にも適用するのは
拡大解釈もはなはだしい。
また戦争を開始する権限は
合衆国憲法で議会に属しており、
大統領にその権限があるとするのは、
戦争権限を
議会と大統領に分権させた憲法に反するという主張です。
しかし国防総省の高官は
イエメンに無人機爆撃を行うことは正当であり、
《ボストンから
パキスタン部族地域まで
世界中を戦闘地域にできる》と証言しました。
ジェレミー・スケイヒルは、
この考えは
すでに軍隊のドクトリンの1つであり、
対外政策について
行政府に
独裁的な権限をもたせたことが
オバマ政権の遺産になると述べました。
(桜井)
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〈アメリカ上院議員、
アメリカと同盟国のテロ支援を認める〉
2015/11/27(金曜)
iran Japanese Radio IRIB WORLD SERVICE
http://japanese.irib.ir/news/latest-news/item/60163-アメリカ上院議員、アメリカと同盟国のテロ支援を認める
アメリカ・バージニア州選出のリチャード・ブラック上院議員(※)が、
「アメリカと同盟国がテロ支援を停止すれば、
シリアの情勢不安は終わる」と強調しました。
ファールス通信によりますと、
ブラック上院議員は、
「アメリカは依然として、
シリアの衝突を激化させているシリアのテロリストへの武器供与により、
世界の治安に対するこのグループからの脅威を拡大している」
と述べました。
さらに、
「人々は
アメリカ、フランス、イギリスがテロ支援を
やめれば、戦争は終わることに気づくべきだ」と強調しました。
また、
「数万台のトヨタのトラックがトルコの港に入っており、23ミリ機関砲がこの車両に設置され、
シリアで戦っているアルカイダ系のグループやISISの手に渡っている」と述べました。
さらに、
「アメリカは
今もシリアの正規軍と戦うために
テロリストを訓練し、彼らを装備させている」と語りました。
ブラック議員は、
「この4年、アメリカは
月におよそ200人のテロリストをヨルダンの基地で訓練し、
継続的にシリアに流入させている」と述べました。
さらに、
「アメリカは
おそらくMANPAD携帯式防空ミサイルシステムを
テロリストに移送している」としました。
※引用者註:このブラック上院議員の発言は衝撃的ですが、
Wikipedia「Richard Hayden "Dick" Black」では、
このリチャード・ハイデン"ディック"ブラックは共和党議員で、
アメリカ陸軍法務部団体の検事も務めた、アメリカ海軍・陸軍大佐の(元)職業将校の経歴があります。
また〈シリア〉に関しては、
2014年に、カラモウン山にいたキリスト教徒へのシリア陸軍の勇敢な救助についての感謝の公簡を、
リチャード・ブラック議員は、シリアのアサド大統領に宛てていたり、
また2016年には、シリア政府を支援するための3泊外出のなかで、
シリア民衆に、ワッハービという原理主義政府を押しつけようとする、
サウジアラビアとトルコという、
この地球上で、本当に卑劣な政府のうちの二つの国家と、
アメリカ合州国は同盟を組んでいるのだ、
とワシントンポスト紙とのツイッターのやりとりで述べるような近さの距離間を、シリアに対して持っている人物ではあります。
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西谷文和氏×泥憲和氏
「ISIL問題を考える 安倍首相に任せて大丈夫か?」
2015.11.19
「…戦争法廃止!…国会正門前集会」
12/6日比谷集会実行委員会から西谷修さん
(立教大学特任教授)【14/16】
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〈マガ9愛読者からマガ9に寄せられた全国イベント一覧〉
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〈共謀罪NO!実行委員会〉さん
☟〈「共謀罪」の制定を阻止しよう〉☟
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「戦争のつくりかた」アニメーションプロジェクト
-What Happens Before War?-
【つづく】