TPPで地方経済や中小企業、事業者と就労者は、どのようにして”崩壊・隷落”するか(暫定チラシ改訂 |   「生きる権利、生きる自由、いのち」が危ない!

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徳冨蘆花「謀叛論」を再発見してたら、
「ソクラテスの弁明」が、なぜ好きなのか、最近になって納得し始めた今日この頃です。

佳い参考文献に恵まれる事になったので、
今回は、《TPP》による「日本国内経済破壊」や
雇用破壊雇用不安定化に重点を置いた
暫定チラシの作成を

相変わらず、かなり冒険的(勇み足)に
試みました。

これは、衆院選の結果を受けての
<自民党・維新の会・みんなの党・公明党>など
「新自由主義=グローバル化&改憲勢力」への
カウンターを意図して作成しました。
――どうしても
黙っていられないし、
このままではマズいので――

お気づきの点や改善点など
どしどし忌憚のない御意見をお待ちしております。
よろしくお願いいたします。


追伸、最後の方に、
非違反提訴」という毒素条項だけを、
すこし加えました。

――――――――――――――

日本のTPPへの加盟で
中小企業や就労者一般は
どのようかたちで崩壊・隷落するか

ブログ「トヨタで生きる」さんより引用。 http://toyotaroudousya.blog135.fc2.com/blog-category-30.html

日本の実質GDPの推移(1955~2010)(Wikipedia「国内総生産」より)


Ⓒ 国公労新聞 http://www.kokko-net.org/kokkororen/shinbun/s1223.htm


国家公務員労働組合連合会による「2012年版 税制改革の提言」(2012年1月)の報告によれば、
資本金10億円以上の大企業7005社全産業のわずか0.27%に過ぎない。・・・2010年度における全産業の内部留保は442兆1968億円、
大企業の内部留保は、260兆9260億円となっている。わずか0.27%しかない大企業の内部留保は、全産業の59.0%を占めているこの10年間で全産業の増加額150兆2925億円に対し、大企業の増加額91兆4615億円大企業の全産業に対する増加額の比率60.9%を占める。”と報告しています。(「国公労調査時報」2012年1月号 NO.589、P.26)
  ここ20年間、給与所得者や中小事業者など、私たち一般庶民の収入が低迷を続けてきており、貧困格差、倒産失業による自殺者が増加の一途を辿ってきていますが、しかし上図のグラフを見てみると、実質GDPが上昇しているのを確認することができます。そして賃金は、「構造改革」(橋本政権)が行なわれ、一般消費税が5%に引き上げられた1998年を境にして下落しているのですが、大企業の内部留保は、”空前の増大”しています。給与所得者の賃金の下落は、中小零細事業者の売上・収入にも、とうぜんに悪影響を及ぼしてきており、そうして私たち一般庶民は、カツカツの日常生活を送らされてきました
 そうした大企業の内部留保が”激増”した主な要因としは、
ローバル化、(IT化、(新自由主義規制緩構造改革)、(大企業・金融資産者優遇税制を挙げることができます。
 じつは、この「大企業の内部留保の増大」と「私たち一般庶民の貧困化」とは、相関関係にあり、密接につながっています
 さて「大企業の内部留保の激増」の要因として、「大企業一人勝ちの優遇税制」を、まず挙げることができます。
 1989年の一般消費税導入および1998年の税率5%への引き上げや、社会保障負担の増大の一方で、法人税基本税率や所得税最高税率が引き下げられているばかりでなく、実際は大企業のほとんどが採用している「連結法人形態だと、その「連結法人に対する実質税率は、”1.7%
極端に低い課税率
になっています。
「連結法人」に限らず、<資本金100億円以上の法人>も、その実質税率は”4.8%”というように、大企業だけが恩恵に浴することができる優遇特別措置の「抜け穴」による”<ひと握りの大企業に有利になる仕組み”の「実質税率」になっています。(国公労連『税制改革の提言』2009年度版報告 
 これが、一般国民の貧困化が進展してきた一方で、着々と大企業の内部留保が増大してきた一因ですが、しかしなぜ私たち日々貧しく、不安定なってきてそして将来に対する不安が日々大きくなってきているのでしょうか

 その原因は、つぎの要因・背景から来ます。 
 大企業優遇税制とは別に、要因として挙げている「新自由主義/市場原理主義」というのは、”個人や企業が、おのれの利益や生産性を上げることだけを考えて、自由に経済活動をする”のに任せておけば、おのずと経済は繁栄するから、政府は、企業や個人の経済活動に干渉しないように市場・経済活動への政府介入は無くす(=経済や社会の運営を、市場原理に任せる)ことで、経済や社会は、おのずと上手くいく”という「自由放任主義/放任資本主義的な考え方です。
 その事から、企業の経済活動に制約をかけない方向性の「新自由主義」政策では、
中小事業者や地場産業、また就労者の雇用や権利を保護したり、企業の最低限の社会的道義性を義務づけ、企業による暴走を抑えるための保護規制が、「規制緩和」や「規制の廃止」などのかたちで、剥ぎ取られたり、歪められてきました。
 規制緩和の例として「労働基準法改正(改悪)」や「解雇ルールの緩和(改悪)」があります。解雇しやすくなれば、従業員への雇用責任や社会的道義性から、企業より自由になるからです。
また例えば「労働者派遣法改正」などにより、派遣労働者やパート・アルバイトなど<非正規労働者>が、社会全般において広く多く使用されることになりました。その結果、その非正規労働者との「競合」や「正社員の非正規労働者への代替の脅威」により、そうした<非正規労働者>ばかりでなく、解雇がされやすくなった中では、<正社員>の立場さらに弱くなっていき、「賃金や福利厚生、労働条件や労働環境などの待遇の抑制」に、大きく作用してきました。そうして”人件費を浮かせるようになった=労働力を安く買い叩くことができるようになった”、つまり「造改革」のおかげでの「人件費の削減」が、大企業の「内部留保の蓄積」の一要因です。
 日本を代表する大企業が集まる《日本経団連》など「財界」――「規制緩和/構造改革」も「大企業優遇税制」そして「グローバル化」政策を求め、そしてみずからも関与実現してきた――が、巨額の広告料漬け手懐(てなづ)けているテレビや新聞など「大手マスメディアを動員して、「TPP参加キャンペーンを大々的に展開し推進している理由は、じつは<輸出拡大戦略のため>ではなく、<「グローバル戦略」の下でのTPP加盟のアジア諸国への海外進出国内脱出
/
国内製造の切り捨てのため>にあります。
 たとえば、「グローバル戦略」を積極展開しているトヨタ自動車だと、トラックの生産製造の場合、そのエンジン部分をインドネシア、トランスミッション部分はフィリピン、電子部分がマレーシア、そして最終組み立てがタイインドネシア、というように、トヨタは”国内では製造生産せず”に、”「アジア諸国での企業内国際分業戦略グローバル戦略」を展開”しています――そして海外アジア諸国のトヨタの海外法人の間で分業的に製造された自動車が、日本国内に「逆輸入」されるのでした――。しかし、それでもトヨタ企業内のアジア諸国の子会社の間で、中間資材/部品や材料が輸出入するとなれば、そこには「関税」が掛かってきてしまいます。しかしTPPに日本が加盟すればTPPアジア加盟国間の貿易が「関税率ゼロ」になるので、”関税ゼロの分、販売価格に反映できるために、価格競争力飛躍的に高まる”から、トヨタなど「グローバル戦略を積極的に展開するつもり大企業は、「TPPを推進」するのでありました。じじつ、すでに日本の大企業は、21世紀に入ってからはFTA(自由貿易協定)>を、「自国からの輸出を拡大する」という本来の目的のためにではなく、「
国内での製造を見限って、輸出拠点を海外に移す」ために”活用”してきています。そして「企業内国際分業グローバル戦略」によって獲得した海外子会社からの「海外投資収益」が、日本に還流するのでありますが、その海外投資収益は、”株主配当や「内部留保に回される”だけで、日本国内の一般国民の雇用所得には、還元されないのでありました。しかも日本のグローバル大企業は、その「海外投資収益」への課税を避けるべく、「外国子会社配当益金不算入制度」という優遇税制を、2009年に導入してもらっています。
 そんな日本経団連に名を連ねるような日本のグローバル企業日本のTPP加盟を推進する動機は、”「海外進出」が有利になり、価格競争力が、国際的にも有利になる”から、という事を押さえましたが、そうした《TPP》を通しての更なる海外進出=国内脱出」を、日本のグローバル企業が進める代償として日本国内に暮らす一般国民が犠牲になる”経済面だけ”での「TPPの重大な問題点は、つぎの通りです。

TPPに限らず、1990年代以降は、有力企業の海外進出グローバル戦略)にともない、「国内の工場閉鎖」それに伴う「国内従業員のリストラ」また「賃金切り下げ」、「下請け企業の選別・切り捨て淘汰」が続出・横行し、貧困格差が、急拡大してきています。TPP加盟による大企業の海外進出の進展により、中小企業は、さらに「仕事の減少」と「単価切り下げ」に見舞われて大打撃を受けます
)TPPでは、一切の例外を認めずに、「関税」がゼロになってしまうので、農業分野ばかりでなくさまざまな安価な(海外)製品の輸入の増大により、今までですら価格競争に苦しんできた国内産業地場産業が、壊滅的な打撃をうけ、倒産および失業者が増加する。
)TPPでは、「内国民待遇」といって、政府は、海外企業に対しても、自国の産業・企業と同じように扱わなければならない決まりになっているので、そうした中、地域経済の地元事業者にとって重要な位置を占めている、建設・土木などの「官公需(=公共事業公共調達[学校給食までをも])」が、海外企業にも開放自由化)され、「チカラの論理」で、ハゲタカ企業に事業を奪われてしまうので、地元の事業者および地方経済壊滅する
)公契約助成など「自治体独自の地域中小企業向け政策」や「低融資」が、TPPでは”外資参入を制限する非関税障壁である”として剥ぎ取られてしまい、関係する中小企業に大打撃をもたらします
)TPP加盟と同時に締結される労働協力に関する覚書き」の内容次第で、労働政策に関して、日本も、自国を保護調整する裁量の自由が奪われてしまうので日本国内の労働環境労働環境・雇用が激変し、「雇用や労働制度の不安定化」する恐れがあり、「雇用崩壊」が今以上に進むが、そうした悲惨な状況から抜け出し、改善・回復することはできない(※2「ラチェット条項」)
)TPPでは、「物品貿易の自由化」のみならず、「サービス貿易の自由化」も含まれています。ところが、その「サービス貿易」とは「業務サービス」「医療」「通信」「建設・エンジニアリング」「流通」「教育」「環境サービス」「金融」「保険」「観光・旅行」「娯楽・文化・スポーツ」「運輸」など広範なものです。今日において、そうした分野が、日本国内の総生産(GDP)に占める割合は、71.5%平成23年度、内閣府 経済社会総合研究所 ※)で、その事から、そうした業界とその産業分野に従事する就業者が、「サービス貿易の自由化」に伴い、強大なハゲタカ企業・外資が参入してくる事からくる熾烈な競争化により、”高品質・低価格の競争に、いま以上に巻き込まれることで、業界を生き残るためのコスト削減」という「合理化策」のもと、さらに<私たち就労者>は、「重負担労働・タダ働き・賃金抑制」の「ワーキングプア」に、いま以上に苦しめられることになります。
)そうした「サービス貿易の自由化」という場合、当然そこには「サービスを提供する人間」と「事業体(企業)」とが”自由に国境を超えて行き来する自由――「弁護士」「看護師」「病院」も含まれている―――”も、約束・確保される必要が出てくるので、資本」と「労働」の自由も、同時に伴ってきます。そしてTPPには「労働移動の自由」が含まれています。TPPに加盟すると、TPP加盟の発展途上国から安い賃金労働者」が、日本に”自由に入ってくる”ことになる、具体的には”低賃金・重負担労働”を「外国人労働者で代替」したり、「外国人研修生・留学生・移民労働者」を敢えて優先的に採用する”ことで、<若者はじめ日本の就業希望者・日本人就労者>を、低賃金冷遇使用など「安く買いたたく」ことができます。そうして「人件費コスト」を抑制して低水準雇用を維持することで、すくなくとも日本のグローバル企業は、”「国際競争力を強くする”ことができます。その証拠として日本経団連は、以前から常々、「少子高齢化」などを理由に「移民・留学生受け入れ」を主張してきています。<移民・留学生・外国人研修生>など「外国人労働者の受け入れ」に、<財界>が積極的なのは、「外国人の積極活用」により、日本人労働者が”溢れ”「労働力の買い手市場化」がもたらされるからで、「少子高齢化対応のため」ではありません。むしろ、そうした「雇用劣化低賃金・重負担労働」などが、少子化の要因ではないでしょうか。
)以上のような日本のTPPへの加盟からくる、さまざま「倒産」「リストラ」「失業&求職者増大」「非正規労働者へのさらなる代用化」などにより、”いま以上に雇用が不安定化し、労働市場が溢れ労働力の買い手市場が、さらに深刻化する”ので、いま以上の雇用融解」が、TPP加盟により深刻化する事になります。
2’
TPPによる「官公需の海外企業への開放=自由化」は、”日本国内の地元産業に壊滅的な大打撃をもたらす”だけでなく、「TPP加盟アジア諸国内での政府調達(公共事業)への参入機会が、外国の企業に開放される」ことでもあるので、原発ビジネス業界をはじめゼネコン業や鉄鋼業界など<インフラ関連の設備・重電機メーカーの関連企業>が”「アメリカ資本」と共同する形”で、”TPP加盟の途上国の「政府調達・公共事業への参入に乗り出し”ます。そうした海外での公共調達の自由化=開放が、それら大手企業にとって、ビジネスチャンスにつながるため、推進の動機として考えられます。
加味点)「TPP」の他に、<民主党野田政権>と<自民党>と<公明党>との”三党合意”で可決した「一般消費税増税」が、現行の消費税の仕組みにより、「正社員の非正規労働者への代替使用化」と「中小企業の倒産」とに、さらに輪をかける”ことになります。

(※)内閣府 経済社会総合研究所「国民経済計算(GDP統計)」http://www.esri.cao.go.jp/jp/sna/data/data_list/kakuhou/files/h23/sankou/pdf/seisan20121225.pdf
「サービス貿易」の範疇や「政府サービスの開放化」を視野に入れて「建設」「住宅賃貸業」「政府サービス生産者」も算入。

(※1)「非関税障壁非関税措置
ちょうど今の日本のように、安価な製品や商品が、海外から流入してくることで、国内産業や国内経済が、「価格競争」に晒されて、停滞や収縮してしまわないように、国内産業および国内雇用を保護するために、<国家政府>にしかできない保護調整手段として、「関税」という知恵が、生み出された一方で、国民の健康や生命、環境などさまざまな事柄を保護するために、政府にしかできない「防御壁」手段として、非関税障壁(ひかんぜいしょうへき)」というものがあります。「非関税障壁」というのは、読んで字のごとく、「関税ではないところの障壁(仕切りの壁)」という事です。また「非関税措置」とも言われます。人類が、便利なものとして、開発したり発明した技術を使っている内に、農薬や化学製品、鉱物や産業廃棄物、食品添加物、薬剤など、さまざまな事故や、健康や生命への被害、そして公害などを起こすことが判明してくれば、民間企業どうしだと、生き残り競争の都合上、歯止めがきかず、政府が禁止命令をだすことで、被害を出してしまう物質の使用をくい止める対処をしてきましたたとえば、ある農薬や殺菌剤、薬剤の使用で、自然環境や生物、人体への被害が発生した場合に、その被害報告と危険性の情報と報告、その使用禁止が、世界中に広まれば、普通に考えれば、各国の政府は、被害をもたらした物質を使用、また危険物質を使用した農産物や畜産物の輸入を拒絶することで、自国民を守ることができます。
そうした「関税」以外の領域で、海外ビジネスから自国民を守るために設定する「防御壁ですから「非関税障壁」と言え、その為の政府による措置ですから「非関税措置」と言えます
(※2)「ラチェット(Ratchet)条項」:この「ラチェット」とは、一方向にしか回転せず、逆戻りしないような仕組みの歯車をいいます。”元に戻らないように一方向にしか進まない”ことが、何を意味するのかというと、国内の保護規制が、いったん緩和されたり廃止された(=自由化された)後では、”被害や深刻な事態が起こり、保護規制をかけて、何とか対処しなければならなくなっても、一切の規制の回復を許さない、というものです。 例えば、狂牛病などの農産物で、狂牛病や遺伝子操作の食品などで、健康被害など重大な問題が発生したとしても、対処措置を講じたり、保護規制を回復させることは出来ず ただ指でくわえて見ているしかなくなりますTPPには、この恐ろしい条項幾つも存在、TPPに反対する国民・識者の間では「毒素条項」として認知されています。その筆頭的存在の毒素条項として、「ISD条項(Investor-State Dispute Settlement:投資家vs国家間 紛争解決/投資家保護条項)」が挙げられます。TPP加盟の<外国企業>や<外国投資家>が、日本で経済活動を行なうのに、日本国内に進出して事業展開をしたり、また日本国内の企業に投資したりします。しかし、営利活動や経済活動の内容によっては、公害・環境問題健康・生命を脅かす問題などが起こるビジネス・営利事業があります。そうした被害が起こらないように、保護規制で未然に防ぐ措置を、政府が取る場合があります。しかしTPPは、「経済活動の制約なき自由」を、<TPP加盟の外国資本や海外企業>に約束するものであるため、「政府による措置や既存の規制」が、いかに当事国の国民・住民の暮らしを守るのに大事なものであっても、”外国資本や海外企業の営利活動をジャマをするもので、損害を受けた”と言いがかりをつけて当事国を相手取って国際仲裁機関に提訴することができます
2011年3月11日に、福島第一原発事故を受けて、ドイツ政府が「脱原発」政策に急転換ことは有名です。ところが1998年のドイツの電力自由化」に伴い、ドイツの電力市場に参入していた、スウェーデンの電力大手の
Vattenfall社が、ドイツ国内のふたつ原子力発電所に「出資していた分が、ドイツ政府による「脱原発」政策への転換=「原発の停止」により、”損害を被った”として「ISD条項を行使しています。企業が国家を相手どって、ISD条項を行使する場合に願い出る先は、世界銀行傘下の《投資紛争解決国際センター(ICSID)》です。
ICSID》では、審理がいっさい非公開で、道理に反する判決結果が出ても、不服の上訴することが出来ず、しかも、これまでのところ、多国籍企業投資家を勝たせる判決ばかりが下されている事から、「審理案件のビジネス事業は、道理や倫理に反するかどうか」など問題にされず、「経済活動や投資のジャマになっていないかどうかという尺度だけで裁かれているのは、一目瞭然です。じじつ、先ほどのVattenfall社は、今回のドイツ政府による原発停止の件での《ICSID》への提訴以前に、すでに2009年1月の時点で、同社が出資していた石炭火力発電所に対するドイツ政府による環境規制の件で、”自由な経済活動を阻害しているという理由で、1.4億ユーロおよび利息/地代分を求めてISCIDに訴えて、ドイツ政府から示談和解勝ち取っています
TPP」の先例である「韓米FTA」(2012年発効)についての報告を書いている洪基彬(金融経済研究所研究員)氏は、”「ISD条項というものは、投資家外国資本)の投資事業、その利益のジャマにならないように、「国家の行政活動や立法行為といった国家主権」、延いては私たち国民の主権」を”抑える”ことを約束する性格のもの、”と指摘しています。
 また、外資やハゲタカ企業が出資する「脱原発」も、悪名高きモンサントによる「遺伝子組み換え製品」も、”「不売運動で抵抗すればいい”と思っている方に、「NVC条項(非違反提訴)」という毒素条項の存在をお伝えしておきます。
NVC条項(非違反提訴:Non-Violation Complaint条項)」というのは、当初期待した日本での利益を米国企業・外資が得られなかった場合かりに日本が、TPPでの取り決めに違反していなくても米国企業の代わってアメリカ政府が、《ICSID》に日本を提訴でき、賠償を得ることができる、というものです。その事から「原発以外のオルタナティブエネルギー手段」が、どれだけ徹底普及しても、また「遺伝子組み換え食品」を、日本国民全員が、どれだけ不売できたとしても、《NVC条項により、米国企業>にとっては”痛くも痒くもない”ために、<市民>の「不売運動」という”限られた抵抗手段”ですら、「抵抗の武器にならない場合が想定されてきます――しかもTPPによる「雇用崩壊&雇用不安定化」で、「不売抵抗力」も殺がれています――。「原子力発電所」というものが、電力を供給するために存在するものではなく、「核兵器を製造するために存在するものならば、なおさらです。 第16回TPP交渉会合が、3月4日~13日まで開催されていたシンガポールにて、アジア太平洋資料センター(PARC)事務局長の内田聖子さんが、米国のNGOメンバーとして参加し、交渉会合の公式の質疑の場で耳にした、実際の発言です。その公式の場で、米国の交渉担当官は、日本のTPP交渉参加問題について
日本には一切の議論の蒸し返しは許さない字句の訂正も許さない、事前にテキストも見せられないそれでも日本は参加するだろう
だから各国は7月までに日本との二国間の事前協議を済ませておくように
また日本の参加は9月が初めてになる」と明言したのでした。
 暴露サイトのウィキリークスに漏れた米国大使館の公電では、
ニュージーランド外交貿易省マーク・シンクレア主席交渉官は、TPPは、将来のアジア太平洋通商の統合に向けた基盤である。もし、当初のTPP交渉8ヶ国で、ゴールド・スタンダード(絶対基準)に合意できれば、日本、韓国その他の国々を、仕留めることになるだろう。それが長期目標だ」<http://wikileaks.org/cable/2010/02/10WELLINGTON65.>と報告しています。

<参考文献>
・萩原 伸次郎(著)『TPPと労働者、労働組合』 (労働総研ブックレット) 本の泉社
・松丸 和夫、中島 康浩、吉田 敬一(著)『地域循環型経済への挑戦』 (労働総研ブックレット) 本の泉社
・森島 賢(著)『TPPが暮らしを壊す 雇用、食生活、保険・医療の危機』家の光協会
・徐 勝、李 康國(編著)『韓米FTAと韓国経済の危機―新自由主義経済下の日本への教訓』 晃洋書房

<TPPの全体像や詳細、近況の動向については、
以下のメディアやサイトでご確認ください>
・IWJ(Internet Web Journal)
・日本農業新聞
「TPP参加交渉からの即時脱退を求める大学教員の会」
・サルでもわかるTPP (Project99%)
・PARC (NPO法人アジア太平洋資料センター)
・STOP TPP!市民アクション
・全日本民医連
など・・・