≪日米構造協議≫と「ムダな公共事業」~その2~ |   「生きる権利、生きる自由、いのち」が危ない!

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徳冨蘆花「謀叛論」を再発見してたら、
「ソクラテスの弁明」が、なぜ好きなのか、最近になって納得し始めた今日この頃です。

前回は、
アメリカ企業が
日本の市場に参入するに当たり、
ジャマになる日本の規制など障壁を取り除くことを始めとして、
アメリカの都合の好(い)いように
日本の構造を変えてもらうことを、
アメリカ政府が日本政府に
日米構造協議≫の場で、
求めてきた事について、見てきました。
≪日米協構造協議≫と「ハコ物公共投資」との関係~その1~

今回は、≪日米構造協議≫で、
具体的に、どういうことを求めてきたのか
見ていきたいと思います。

がしかし、
今週の一連記事の関係上、
≪日米構造協議≫で、
アメリカ政府が求めてきた規制緩和>や<構造改革を推進する者たちが
規制緩和>や<構造改革を正当化する際に槍玉にあげる、「ハコ物建設」など<ムダな公共投資じたいも
アメリカ政府が同時に日米構造協議で求めてきた!?
という事を、見ていきたいと思います。



1990年6月の≪日米構造協議≫の最終報告書では具体的に、
「土地の利用の促進のための税制改革」、
「大規模店舗法の見直し」、
「経済取引慣行の改善」、
「内外価格差の解消」・・・・
そして自治体に関して
10年間で430兆円を約束する公共投資の促進
を、
アメリカ政府は、日本政府に要求してきたのでした。

それらの要求を私たちは、
規制緩和などの形で、
見受けることになります。

また、1990年の海部政権の下での最終報告で、
向こう10年間で、430兆円の公共投資約束されられたのですが、
ただし、その公共投資は、

あくまでも決して
日本経済の生産性を上げるためには使ってはいけない

つまり
まったくムダな形の公共投資をするように、要求してきたのでした。

 1994年には、さらに200兆円を
同じくムダな形の公共投資に使うことを、
公的に約束させられたのでした。

 これだけで、ムダな
形の公共投資に、
合計630兆円を使わされる事を、
日米構造協議という対日圧力要求により、
日本政府はアメリカ政府に約束させられたのでした。

 省庁はじめ、地方の役場での、
要領が悪く、民間では考えられず、非効率で、
ムダ遣いをする数々の不可解あで理不尽な「慣例」や「習慣」があるのは事実で、
それに対する改善は、絶対に必要だとしても、
これで、省庁利権の腐敗構造だけが、
日本の債務残高を、
ここまで膨らませた元凶だ
と、
もはや見ることは出来なくなったのではないでしょうか。

日本経済の生産性向上に寄与しない
形の公共投資”を、
10年間で合計で630兆円もムダ遣いするように、
アメリカ政府→日本政府→日本の地方自治体に、
命令が下ったのでした。

 布施哲也『官製ワーキングプア』には、
この理不尽きわまりない≪日米構造協議≫の要求、
そして、この「ムダな公共投資」を押しつけられた地方自治体の苦悩をはじめ、
≪日米構造協議≫要求にまつわる、
ひじょうに興味深いことを、紹介してくれています。


地方自治体が苦しむのは、
このことがはじまりとなる。

空港の新設であり、
高速道路の建設であり、
港の整備であり、
そしてハコ物建設となる。
国も
各省庁が率先して公共事業を推進する
地方自治体も
政府による若干の補助金を呼び水として、
後は、政府による借金の保障をつけることにより、
再開発事業区画整理事業道路の建設ハコ物の建設と、堰を切るように、公共事業にお金を使う

 おかしくも哀れな日米構造協議は、
経済団体も、
労働組合も、
そしてマスコミの抵抗もなく、
アメリカの思いどおりとなる。
EU諸国は
日本がまさか認めることはない
と思っていたというが、
日本の屈服
EUが
アメリカとの一戦を画すことのきっかけともなる。
日本が反面教師となるのだろう。

 国会の論議も低調で、
反対の声はほとんど聞かれない
古いタイプの政治家は、
公共事業の推進は望むところとなるからだ。
それは、建設業者を中心に
地方におカネを落とすことであり、
日本社会の独立や日本民族の将来より
お金になる現にある公共事業ということになる。
新しいタイプの政治家
これがクセモノだ。
それは、官僚出身であり、経済界出身であるが、
ほとんどがアメリカの企業大学という、
アメリカ社会の陽の当たる場を通過してきている

その身も その頭も
アメリカを向いている

 ・・・日本の庶民のことなんて
その頭にない
し、
国を売り渡すことに抵抗はない
このタイプの政治家は、
自民党にはたくさんいるが
革新とはいえない民主党のなかにも
少なからずいて

旧来の保守・革新という括りを
意味のないものにする。

 では官僚はどうだろうか。
よく調べると、
学生時代の留学や入庁後の留学もあり、
官僚もアメリカ帰り 
実に多い
本国(?)アメリカの意向に従わない者は
希少価値といえるほど
だ。
それに、アメリカに従順ならば、
退職後の天下り先
確保されている

 政治家以上に先を読むことができる
これら官僚という人種は、
日本においてはエリート中のエリート。
政治家同様民のことに
その頭は向かわない

こんな輩に
永田町と霞が関を闊歩され、
日本の庶民は、
明治維新の扉を開いた
あの「日米修好通商条約」(1858年)という
不平等条約同様に
日米構造協議というものに、
苦しみ続けることになる。”

日米構造協議から続く公共投資の拡大
なによりもアメリカが求めたことだ。
自治体もハコ物づくりを推進することが、
市民も喜べば、
地域社会にも金が落ちる。
その結果どういうことになろうとも
誰も責任を取らなくてすむ
こんないいことはない
アメリカの意志に忠実になるはずだ。

 自治体の施設が増えるだけならまだいいが、
それに比例するかのように、
自治体が市民から徴収する税金料金も
増えつづける
自分たちの税金料金が、
これら施設の建設費にあてられている
税金が直接
ハコ物建設に用いられなくても、
ハコ物建設には借金をあて
税金を
その借金返済に回す
のだから、
同じことになる
料金が増え
市民の生活は
ますます苦しくなる
。”

≪日米構造協議≫で要求された
「ハコ物建設」など”ムダな公共投資”を支えるのに、借金・税金・料金の増加で、
国民が苦しめられることになった。
それは国民ばかりではなく、
地方自治体は、
もとはアメリカから要求されたムダな公共投資をこなすべく
地方債を発行”し、
その地方債の利息の返済は、
地方交付税交付金でカヴァーする事になったのでした。

ところが他方、
その「ハコ物建設」が、
官僚利権の横暴の象徴として取り上げる事で、国民の反感や反発を引き出し、
国民を騙して勢いを得た
小泉政権は、
その地方交付税交付金
大幅に削減したので
日米構造協議で押しつけられて作ったハコ物建設」の多くが、
不良債権化”し、
それが地方自治体の負債となって現在に至り、
その結果、多くの地方自治体が、
厳しい財政状況に立たされるのでした。


<今回の記事のまとめ>

①アメリカ政府が
、日本政府に、
≪日米構造協議≫で、
「ムダ遣いの公共投資」を突きつけてきた。

②その「ムダな公共投資」を押しつけられた地方自治体が、
1990年から10年間で合計630兆円もの「生産性を上げない無駄なハコ物建設」を行なった。

③「ムダな公共投資」や「失われた10年」に、 しびれを切らせた国民が、
マスコミも煽る「無駄な公共投資」の怒りを、
省庁の官僚や政治家に、
ぶつけ始める。

④その国民の閉塞感や怒りを利用した”小泉劇場”に酔わされて、
国民は、小泉政権を後押しし、
その小泉政権が、「郵政民営化」や、
今度は「地方交付税交付金の大幅削減」をはじめた。
「地方交付税交付金」について
地方交付税交付金などの削減がもたらした悲惨

⑤1990年代に、繰り広げられた、合計630兆円の「ムダな公共投資」が、
小泉政権による「地方交付税交付金の大幅削減」で、
その「ハコ物建設」の多くが、
そっくり”不良債権化”し、
その結果、多くの地方自治体が、
厳しい財政状況に、苦しめられることになった。

⑥そうした中、竹中総務相(当時)が、
地方自治体再建型破綻法制」を、
2006年に設えた。
「地方自治体再建型破綻法制」について

⑦そんな状態で、
地方分権」を行なうと、
破綻する地方自治体が出てくる。
自治体や公共サービスの「民営化」という、
アメリカ国民を苦しめている地獄が、
今度は日本でも見られるようになる。
「地方分権」は、「地方自治体再建型破綻法制」とニコイチで考えるべき!!!
「市場原理と地方自治体」
「市場原理と地方自治体」(補注1)-「債券の利回り」について-

こうした一連の動き
アメリカの要求により

アメリカの掌の上で

行なわれてきた


そのアメリカ政府が
いま<郵政民営化>と<TPP>とを求めています。

こうした一連の動きを整理すると、
どうしても私は、
大がかりな仕掛け」、
あるいは
大がかりな罠
と言いたくなります。

これは、ある種の「ショック・ドクトリン」とも言えますし、

デーヴィッド・アイクの発言には、
ついていけないものがありますが、
これは、はっきり言って、
デーヴィッド・アイクが紹介する<PRS>モデルとも、言いたくなります。
http://www.rui.jp/ruinet.html?i=200&c=400&m=263193

このモデルは、
J・P・モルガンが、
1850年代に2,3年ほど、
ドイツのゲッチンゲン大学に通い、
そこで身に付けた「ヘーゲル弁証法」モデルを、<両建て>戦術として、実際に、アメリカ政治への働きかけに応用していた事を、
スタンフォード大学フーヴァー研究所の研究員を務めていた(故)アントニー・サットン博士が、一般向け読者に紹介したことで、知られるようになりました。(『America's Secret establishment』)

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