鎌田實  「中流崩壊」 |   「生きる権利、生きる自由、いのち」が危ない!

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徳冨蘆花「謀叛論」を再発見してたら、
「ソクラテスの弁明」が、なぜ好きなのか、最近になって納得し始めた今日この頃です。

「市場原理主義=新自由主義」政策は、
日本に暮らす私たちを、どこに連れていくか、
この10年余の日本を振りかえる形で、
鎌田實×水谷修 往復書簡『だいじょうぶ』を、今週は、見ていきたいと思います。

そこで今回は、
鎌田實「中流崩壊」(P.54-57)での、
鎌田實医師の怒りを通じて、
私たちを取り巻く状況を確認していきたい、
という趣向でございます。
言わずもがな、鎌田實氏は、日本チェルノブイリ連帯基金の理事長もされたり、残念ながらも、いまは特に御多忙な有名なお医者さんです。

 http://jcf.ne.jp/ 
(日本チェルノブイリ連帯基金



鎌田實    「中流崩壊」
  
 「秋葉原で人を殺します。
車でつっこんで、車が使えなくなったらナイフを使います」

 そう犯行予告を携帯サイトの掲示板に書き込んだ容疑者25歳。
        (中略)
 「作業場行ったらツナギが無かった 辞めろってか わかったよ」

 自動車工場の派遣社員だった。
首切りが行なわれるという噂があり、不安だったのだろう。
作業服がなくなっているのを解雇と勘違いしてしまった。

 「騙すのには慣れている 悪いね、店員さん」

 こう書いたのは、レンタカーを予約した時だ。

ぼく(鎌田實氏)は新刊『投げ出さないで』で、
ウェットな資本主義が大切だと書きました
資本主義は放っておけば、弱肉強食のドライな世界になってしまう。
だからこそ社会をウェットで優しくしておく必要があるのです。
国の土台のところに あたたかな血を通わせないまま、激しい市場主義や競争主義だけを展開すれば、
必ず ぎすぎすとした世界になってしまう と危惧したからです。

 二一世紀になってから、
 ぼくたちの国は とても住みにくい国になってきているように思います。
 水谷(修)先生、ぼくは怒っています。
どうしてなんだ。
殺された人がかわいそすぎます。
どうしてこんな事件が起きてしまうのか。
よくわかりません。

 前回の手紙でも、派遣という仕事の仕方を
卑怯なシステムだと書きました。
効率よく安い賃金で若者を働かせ、
いつでも仕事がなくなるとやめさせることができる。
この卑怯なシステムを改善しない限り、
次々と様々な問題が起こると心配しています。
予感のようなぼくの不安が、今回現実のものとなってしまいました。
大変残念です。
もちろん、この容疑者に同情の余地はありません。

 資本主義にとって大事なことは、 厚みのある中流をつくることです。

 かつては中流意識の強い国民でした。
たいして贅沢な生活をしていない人でも「自分は中流」という人が多かったのです。
とても大切なことです。
多くの国民が、中流の上であったり、中流の中であったり、中流の下であったりする。
豊かではないのに、一億総中流意識の幸せな国でした。

 中流の厚みが大事なのです。
中流の中にいるという意識が大事なのです。

 しかし小泉純一郎政権以降、激しい新自由主義が導入されることによって、ちょっとしたはずみで中流から脱落する人がたくさん生じてしまっています。
高齢者や働き盛りの中年層が、黙って悲しみのなかで生活しています。
 
 いちばん大きな被害を被っているのが、25歳から35歳くらいの若者たち、ワーキングプアの人たちです。
この人たちが悲しみのなかにいるのです。

 働く貧困層・ワーキングプアは、全国で500万~700万人と推定されています。
生活保護世帯が100万人を突破し、生活保護受給者層は142万人、ニートは64万人。
ニートのこと、水谷先生、もっと知りたいです。

 国の冷たい政策のため、
ブアツイ中流が壊れ、
たくさんの人たちが脱落していきました。
一握りの超お金持ちをつくり出すために、
かけがえのないたくさんの中流を崩壊させていきました。

 ビッグな少数のお金持ちよりも、贅沢でない、しっかりとした生活をする心豊かな中流をブアツクするような社会システムをつくるべきです。
環境を守るためにも。
質素だけど美しい日本がいい。
 水谷先生、今日は怒りのまま、ペンを置きます。 
 
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労働者派遣法骨抜き 民自公が採決強行
共産党反対 審議わずか3時間
衆院委
(しんぶん赤旗 2011年12月8日(木))
http://www.jcp.or.jp/akahata/aik11/2011-12-08/2011120801_01_1.html

 衆院厚生労働委員会は7日、
政府が提出した労働者派遣法改定案を骨抜きにする修正を、参考人質疑も行わず3時間の審議で採決し、民主自民公明3党の賛成で可決しました。日本共産党の高橋ちづ子議員は、「労働者の保護には極めて不十分な政府案と、それすら骨抜きにしようという修正案は断じて認められない」と政府案と3党修正案に反対し、独自の修正案を提出しました。みんなの党も政府・「修正」両案に反対。社民党は「修正」案に反対しました。

 同日、国会前に派遣労働者や派遣切りにあった労働者、労働組合の代表が集まり、「派遣法のさらなる骨抜きは許さない」と抗議行動を繰り広げました。

 民主党などは、「修正」案を8日の衆院本会議で可決し、参院に送付して9日が会期末となる今国会での成立を狙っています。

  衆院厚労委員会で高橋氏は、(1)製造業派遣の全面禁止(2)派遣は期間を定めない雇用とする(3)日雇い派遣の全面禁止(4)専門業務派遣の限定化 (5)みなし雇用は期間の定めのない雇用とする(6)派遣先労働者との均等待遇―などを内容とする日本共産党の修正案を提出。「真に派遣労働者の保護に資 するために必要な最低限の措置を講じるためだ」と提案説明を行いました。

 採決にあたっての討論で高橋氏は、昨年4月に提出された政府の改定案は、「製造業派遣、登録型派遣の原則禁止といいながら、多くの例外を認めるなど不十分な内容だ」と指摘。3党修正は、製造業派遣登録型派遣の原則禁止さえ削除し、日雇い派遣の規制を緩和するなど、「不十分ながら派遣労働を規制強化しようとした政府案の根幹部分が丸ごと取り除かれるもので、重大な改悪だ」と主張。「国会での審議をたなざらしにして3党による水面下の協議で合意し、わずか3時間の審議で採決するなど言語道断だ。派遣法の抜本的改正を願う多くの労働者の期待を裏切る暴挙に断固抗議する」と述べました。

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  高樹辰昌