野田政権の真の首相は勝栄二郎(なぜ野田政権は「消費税増税」に 拘るようになったのか~その2~) |   「生きる権利、生きる自由、いのち」が危ない!

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徳冨蘆花「謀叛論」を再発見してたら、
「ソクラテスの弁明」が、なぜ好きなのか、最近になって納得し始めた今日この頃です。

 前回のブログ記事には、そのブログ記事のタイトルに反して、野田佳彦首相について、ほとんど書いていませんでした。
http://ameblo.jp/hirumemuti/entry-11141731529.html
そして、最後に2011年9月3日付のウェブ記事の引用で、前回のブログを閉じました。
 野田佳彦が、首相に就任した時から、たしかに増税路線ではあったものの、はじめから消費税増税一本槍(いっぽんやり)ではなかった事は、確認できます。
法人税の増税の事も、唱えていた真意は、分かり兼ねます。
2010年の参院選で、消費税増税を唱えはじめた菅直人の民主党が、大敗したことを、意識していたのかもしれません。
 国民を前にしては「玉虫色」の声明を発し、そして海外の壇上では、その状況では明らかに場違いであるにもかかわらず、原発再稼働を公約したり、消費税増税を公約したり、APECで、やっぱりTPP交渉参加を発言したりと、”既成事実化”をもって、物事を強引に進めようとしたり、相田みつおさんの言葉を利用したり、情に訴えておきながら、水面下では、平気で残酷な政策や法案作成をすすめる政権の一つですから、放射性物質や放射線に汚染されている食物などを摂取しても、”ただちに問題は無い”とか、福島県の現地住民を、責任を持って避難させずに、自分はバリバリの放射能予防ス-ツを着て福島に乗り込んだり、
http://potemkin.jp/archives/50695546.html
http://livedoor.blogimg.jp/dqnplus/imgs/4/e/4eb6e775.jpg


その原発事故が発生した当時は、枝野氏の御家族は、たまたまアジアに飛んでいたりするほど、その神経と同じく、野田佳彦首相の思考回路や人間性を理解する事はできません。

その心
の裡(うち)はどうであれ、首相就任当時、野田氏は「法人税増税」にも発言していました。

消費税増税にしても法人税の増税でも、景気振興策ではなく、
野田佳彦首相は、ナゼ「はじめから増税ありき」だったのでしょうか?


いまでは周知の事実となっているかもしれませんが、
野田内閣は、「財務省内閣」とか「勝栄次郎内閣」みたいな修飾をされる場合があります。
長谷川幸洋氏・現代ビジネス
「どじょう野田を操る”本当の総理”勝栄次郎の正体」http://gendai.ismedia.jp/articles/-/21453

では、以下のような解説が出てきます。

「野田政権は、財務省に完全に支配されている。真の総理は野田佳彦ではなく、その背後にいる勝栄二郎事務次官である」


勝栄次郎事務次官は、早くから、その実力ぶりなど、一目(いちもく)を置かれていたようです。
みんなの党・江田憲司幹事長の証言の引用から、そのエリートぶりを窺うことができます。
「『・・・・財務省は旧大蔵省の時代から国家権力そのものであり、国を動かすのは自分たちだという自負が非常に強かった。何しろ、憲法上は内閣に権限がある予算編成すら、自分たちの権限だと言い張っているくらいです

 私は橋本龍太郎内閣で、旧大蔵省から金融行政を分離させる財金分離などの行革に携わりましたが、当時、為替資金課長の身ながら、水面下で大蔵省の組織を守るために動いていたのが、勝さんでした』」

さらに同記事の別の個所では、


「恰幅の良い、温厚で篤実そうな風貌。公の場では笑顔を絶やさず、聞き上手でもあり、特に政治家に『勝好き』が多い。

 かつて、政府が景気浮揚のための財政出動をしようとした際、主計局長だった勝がクビを縦にふらず、業を煮やした亀井静香金融担当相(当時)が、『勝のクビを切れ!』と当たり散らしたこともあった。

 

その亀井ですら、周囲にこう語っている。

『よく勝を呼びつけて怒鳴りつけるんだが、あいつは呼べばすぐにやってくる。可愛げがあるんだよ』

 だが、勝とは果たして、〝可愛い〟などという表現で済まされるような、生ぬるい官僚なのか。旧大蔵省出身の民主党・田村謙治代議士は、笑顔の裏に隠された、勝の表向きとは違った強面の一面をこう評する。

「勝さんは、自分の気に入らない人材は全部、飛ばす。たとえば勝さんは最低3年は次官を務めると言われていますが、そのために、自分の1期下、2期下のエース候補は全部潰してきた。いまの財務省の幹部たちは、みな勝さんのお眼鏡にかなった、〝勝帝国〟の子分たちなんですよ」

主計局長だった勝栄次郎など財務省が、政府による、景気浮揚のための財政出動に反対したのでしょうか?


その答えは、同じ記事中の、みんなの党・江田憲司幹事長による発言で、こうした不可解さを、氷解させることが出来ます。

「財政再建だとか理由をつけていますが、財務省がなぜ増税をしたがるかと言えば、自分たちが差配できるおカネを増やしかつての栄華を取り戻したい、というのが理由です。」



そうした財務省の裁量力や権力の源泉を、民主党の枝野(現・経産相)や仙石(元・幹事長)は、摘んでしまおうとしていたようです。
以下に同記事の引用。


「勝が主計局長だった当時、仙谷由人、枝野幸男ら民主党幹部が集まり、

『勝は個人であまりに力を持ち過ぎている。危険な存在だ。農水次官あたりに転出させてはどうか』という議論が真剣に行われたという。しかし、政権運営に未熟な民主党は、財務省=勝の助けがなければ予算編成をすることもできなかった。結局、を排除するどころか完全に屈服させられる形となり勝が事務次官になったことで、『帝国の支配完成する。

 そんな手練手管に長けた勝が政権交代以来2年間かけて「教育」してきたのが野田だった。」



私は、その場にいるわけだはないので、あくまでも推測ですが、
野田佳彦を、勝栄次郎財務省事務次官の意のままに操るために、使われた手法を、少なくとも3つ、推測することが出来ます。

1)勝栄次郎事務次官が、菅直人を籠絡したように、「消費税増税をすれば、現在では矢面に立たされるが、歴史的には、名を残すことができる」と、名誉欲をくすぐった(「どじょう野田を操る”本当の総理”勝栄次郎の正体」4ぺーじ目)。これにより、「軽くてバカであるほうがいい神輿」にうってつけの人材としての首相は、庶民が、どれだけ批判・反対しようとも、「何をほざいてやがる、この無知なクソ庶民が」というエリート意識と同時に、”そうした庶民の批判が、逆に傷つけられても、勇敢に立ちつづけた英雄”という自己陶酔を、さらに増長させるかもしれません。民衆の意図とは逆に、民衆の批判が、首相に、首相ならではのマゾヒズム的な恍惚感を、もたらしているかもしれません。
(心理的操作の面)


2)野田佳彦のアタマの中の財政など政策知識を、勝栄次郎が提供する財政のイロハ内容や、その思考回路で、埋め尽くして「完結」させてしまっている――カルト宗教の信者でも、その信者の思考回路には、教団が提供した思想を取りこんで、自分なりに消化して、その都度、完結させてしまっています。それは、信者の行為が義(ぎ)に適(かな)っている証拠だ、と完結した形で解釈されたら、その信者が失敗しない限り、目覚めることは難しいです。しかも、その痛手も試練の一つだ、という巧妙な洗脳技術があります。いずれにしても、誰しも、その都度、「完結した世界観」で、世の中を見ています。


2’) 2)と重なるのですが、政策のイロハやノウハウを、事務次官など官僚に依存させてしまう事です。先に引用した記事にも、予算編成では、財務官僚の手を借りなければ成立しないようにする事など、その証拠です。野田佳彦は、TPPに関しても、TPPのイロハである「ISD条項」を知りませんでした。それを予算委員会でツッコンだ佐藤ゆかり議員も、外資族の自民党支部の国会議員で、突っ込まれる野田佳彦首相も、外資族の民主党支部の議員であることは、何という皮肉なのでしょうか。
小沢―鳩山派を裏切って、民主党代表になれた菅直人(元首相)も、就任当初は、まだ政治家主導をいっていたのですが、その政治主導態度で、官僚の非協力に会い、立ち行かなくなって、官僚依存に切り替えざるを得なくなり、「消費税増税」を唱え始めました。


同Web記事の中で、長谷川氏は、こう書いています。
「勝は財務省の意思を体現する主計畑のスーパーエリートだ。そして、財務省の長年の悲願と言えば、『消費税の増税』に他ならない。」と。
 少なくとも、「財務省がなぜ増税をしたがるかと言えば、自分たちが差配できるおカネを増やしかつての栄華を取り戻したい」のであれば、それは、なぜ法人税や所得税ではなく、消費税なのでしょうか?

 「財源が無いから?」
「いいえ、42%だった法人税税率が、1989年に40%(消費税の導入年)1990年に37.5%1998年に34.5%(消費税率が3%から5%に引き上げ)→1999年以降は30.0%に引き下げられています


財務省が、自分たちの差配=裁量を増やすために、増税したがっているのならば、なぜ法人税も、引き上げられないのでしょうか
「不景気だからでしょうか」
「企業も不景気ですが、ならば庶民も不景気なはずです」
しかも、財務総合政策研究所のページにある「
総資本経常利益率」(これで、収益力を確認することができる)についての1960年から2008年までの統計データを、見てみましょう。http://www.mof.go.jp/pri/reference/ssc/keyword/keyword_02.htm
全産業の折れ線グラフ(青色で四角点の折れ線)を、1998年から、リーマンショックのあった2008年までを見てみますと、2001年に下降する以外は、上昇しています。地方経済は崩壊、国内需要は低迷した約10年ですが、平均化されてしまった統計データで見ると、それでも上昇が見られます。
また、http://www2.oninet.ne.jp/okymjcp/daterbox/sisiryou.pdf#search='雇用者報酬、推移'>を見ると、GDP(1ページ目)や経常利益(3ページ目)が上がっているのにもかかわらず、一方の雇用者報酬(つまり給料)は下がっています

私たち庶民の多くは、その給料で買い物をします。その給料の水準が、この約10年間は、下がってきているのです。

それで何故、消費税増税なのでしょうか?
消費税は、庶民の家計にも、もちろん影響しますが、
とくに中小零細企業や下請け業者に、大打撃をもたらします。
納入先への納品に、消費税分を「価格転嫁できない」業者は、消費税のおかげで、さらなる生き地獄に、突き落とされます。

http://ameblo.jp/yoshiie-z/entry-10923924398.html

こうしたデータを見ても、なぜ増税されるべきは「消費税」なのでしょうか?

同記事(長谷川幸洋氏のWeb記事)より。
 「財務省が消費税アップに執念を燃やすのは、それが、吹けば飛ぶような政権の帰趨に左右されない、恒久税だからだ。」

「官邸と財務省は、東京電力の一時国有化を視野に入れて準備を進めている。東電は福島第一原発の事故の処理で、約2兆円の預金が今年度末には900億円台になると政府に報告しており、資金ショートを起こす可能性が高まっている。

 東電は、電気料金の値上げで国有化を避けようとしているが、政府はそれを認めない。東電の優先株を国が引き受ける形での国有化が既定路線になりつつある。それはなぜか?『東電

を潰さなければ増税ができない』からだ」

 財務省にとって、消費税のアップは並大抵のことでは世論を納得させることができない難関である。そこで捻り出されたのが、このウルトラC的計画だという

「原発事故への対応で、世論の集中砲火を浴びている東電に制裁を下すことになります。『国はやるべきことをやった』とアピールした上で、満を持して社会保障の財源として消費税アップは必須だと、持ち出すそれこそが政権の狙いです」(民主党幹部)」
「消費税増税」は、財務省による野田内閣支配だけが原因の政策なのでしょうか。長谷川幸洋氏による記事は、非常に明快で、「完結」していて
、個人的には、学ぶところばかりであります。

しかし、「財務省が消費税アップに執念を燃やすのは、それが、吹けば飛ぶような政権の帰趨に左右されない、恒久税だからだ」という解釈は、消費税増税の理由説明になっても、その一方での”法人税の引き下げ”の理由には、なり得ません。


 何故アメリカが、対日要求で、ながらく「法人税の引き下げ」を、日本にようきゅうしてきたのか?

なぜ経団連が、法人税の引き下げと消費税の引き上げとを、要求しているのか?


 財務省の意図や利害、経団連の意図や利害、アメリカの意図や利害が、「消費税増税」で一致しているのでありますが、しかし、「勝栄次郎の財務省による野田内閣支配」のフィルターでは、アメリカの対日要求や経団連の意図までは、解釈しきれないのであります。
 
 その事から、復興そっちのけで、消費税増税で、TPPを強硬推進しようとする野田内閣を操る背後に存在するのは、財務省だけなのか、というと、個人的には、それだけではないのではないか、という雑感があります。

野田内閣は、「三井住友銀行」や松下政経塾の母体のパナソニックも、その背後に持ち、そこからも、操るための太い線が、野田内閣に通っています。

(本澤二郎の「日本の風景」(945)http://blog.livedoor.jp/jlj001/archives/51956664.html

だとすれば、野田内閣を、「財務省など省官庁による支配」という、これはこれで洗練されて完成・完結している「解釈フィルター」だけで、解釈する訳には、どうも行かないようです。

いまを、現に生きている私たち国民は、これからを生きて行くに当たっては、「洗練された解釈のフィルター」を、一つだけ持ってさえいればいい訳では無いように、私には思われます。

(つづく)


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