アメリカの悪名高き〈モンサント社〉は、
経団連会長の米倉弘昌が会長を務める
〈住友化学〉と提携しています。
日本に暮らす市民・住民を、
遺伝子組み換え食品の弊害から守るために、
一部だけですが、
遺伝子組み換え食品の使用表示を、
いま現在のところは、義務づけております。
関税率以外で、外国製品の輸入を制限する制度を、
「非関税障壁」と言います
(しかし、
サラダ油、マーガリン、ショートニングなどは、
もともと「遺伝子組み換え大豆」が
原料であるにもかかわらず、
それらを使った食品や菓子の原料表示の格好では、
「遺伝子組み換え大豆」という表示でではなく、
それらの表示になる、
という「ロンダリング的的表示操作」が、
行われています。
そうした関税率を高く設けることで、
外国の輸入製品の国内流入を避ける以外に、
国内産業の保護に限らず、
たとえば私たちの健康などを守るために、
危険な外国品の輸入を避けるために
設けられている法律や制度として、
「非関税“障壁”」と(アメリカ側が言う)ものがあります。
たとえば、「狂牛病の牛肉」の流入を防いだり、
あるいは、遺伝子組み換え大豆であるか、
消費者が知ることが出来るように”表示”を
義務づける制度は、
「非関税障壁」であります。
しかし、
そんな私たちの健康を守るための保護制度も、
TPPに日本が加盟してしまうと、
そんな「表示義務」が、
商売のジャマ、つまり「非関税障壁」になるために、
撤廃されることが、懸念されます。
サラダ油で、すでに使われているんだから、
別に問題ないじゃん、という方に、
以下の記事を贈ります。
参考サイト「サルでもわかるTPP」(第7章 ”TPPと遺伝子組み換え”)
http://luna-organic.org/tpp/tpp-7-1.html
-------------------------------------------------
「遺伝子組み換え大豆で重大影響!
ラット新生児の半数が死亡」
倉形正則
http://www.gmo-iranai.org/news/93/13.htm
ラットに遺伝子組み換え大豆を摂取させたところ、
その子どもたちに重大な影響が出た
との研究成果が報告されました。
(『生活と自治』2006年2月号14頁にも掲載)
実験に使われたのは、
既に年間1億トンを越える量が生産されている
モンサント社のラウンドアップレディ大豆です。
この度、
その実験を行った
ロシアの科学者イリーナ・エルマコバさん
(Dr.Irina Ermakova ロシア科学アカデミー
高次機能・神経行動学研究所、
ロシア予防医学リスクマネージメント学会理事)が来日し、
学会でその結果を報告しました。
本誌校了直前のタイミングで、
短時間ではありましたが
エルマコバ博士から
直接お話をうかがう機会に恵まれました。
その緊急報告です。
エルマコバ博士は、
今回学会(第1回医療安全国際フォーラム
サテライトシンポジウム「ロシア科学アカデミー
との国際共同研究ネットワークの発展」
主催:国際予防医学リスクマネージメント連盟。
遺伝子組み換え問題に興味を持ち、
各国の実験報告を探したところ、
動物への影響について、
報告されているものが、
あまりにも少ないことに驚き、
自分で確かめてみようとしたことが、
今回[=遺伝子組み換え問題の研究]の動機であったとのことです。
●GM大豆投与群の半数以上が死産
今回の実験は、
実験用のラットに
モンサント社の遺伝子組み換え大豆
(Mon40-3-2)を
経口摂取させ、
胎児への影響を比較したものです。
実験の概要は次の通り。
A群:ラット用の餌に加えて、
GM大豆を粉末にしたものを日量5~7グラム与えた。
B群:ラット用の餌に加えて、
非GM大豆を粉末にしたものを日量5~7グラム与えた。
C群:ラット用の餌のみで飼育。
2ヵ月齢のラットを上記の3群に分けて実施。
それぞれの使用大豆は、
実験前にPCRによって、
Mon40-3-2大豆であるか否かを確認。
これを妊娠2週間前から与え始め、
妊娠中、授乳中と与え続けた。
また、
それぞれの群で生まれた子どもも
同様の餌を与えて、経過を観察した。
その結果、
生後3週間後までの新生児死亡率は
A群55.6%(生まれた仔45匹中、25匹死亡)、
B群9.0%(同33匹中、3匹死亡)、
C群6.8%(同44匹中、3匹死亡)
という驚くべき結果となった。
生まれた後も成長不良
またGM大豆を与えた群の子どもたちは、
その後の成長も著しく悪くして死亡、
成長不良が多く出たとのことです。
博士は、
それぞれのラットの臓器についても
解剖して比較したところ、
ほとんどの臓器に発育不良が見られた
ということです。
この結果についての研究論文は、
既にピア・レビュー
(第三者の研究者によるチェック)を終え、
近く学会誌に掲載される予定
(正式掲載前の詳細公表は禁じられている)。
詳しくはその発表を待つことになります。
動物実験が免除されているGM食品
遺伝子組み換え食品を動物に摂取させる実験は、
現在の日本の食品安全委員会による
安全審査基準(=CODEX基準)では、
必須とはされていません。
[その事から]GM作物を最初に食べるのは、
私たち世界の消費者という事態となっています。
以前から
直接の長期試験の必要性が
要求され続けています。
今回の実験結果は、
改めてその必要性を強く要求するものです。
東京都も同じ大豆で摂取試験
実は東京都も、
このMon40-3-2大豆に限って、
ラットによる長期(104週)摂取試験と
マウスによる3世代に渡る生殖影響試験を
実施しており、
いずれも有害影響なしと報告されています。
現在流通しているGM作物を対象とした
動物実験自体としてはきわめて希有なものです。
この実験について
エルマコバ博士に質問したところ、
博士が検索した研究論文の中では
見たことがない、
とのことでした。
以前から問題のあったMon40-3-2大豆は、
現在のずさんな安全審査作業においてさえも
問題視されていた、いわく付きのGM作物です。
当初の審査作業時点では未確認だった未知の
遺伝子断片が、次々と
Mon40-3-2大豆のDNAから発見されたのです。
その上、
未知の新規タンパクにつながりかねない
二次転写物(mRNA)も確認されていました。
市民団体からは安全審査のやり直しと、
栽培・流通の即時凍結が要求されています。
追加試験とGM食品の凍結処置を!
Mon40-3-2大豆(ラウンドアップ・レディ(RR)大豆、40-3-2系統、除草剤耐性)は、
世界の大豆生産量の6割=1億2千万トン!
を
占めるほどに拡大しています。
主に用途は搾油された後に飼料となりますが、
加工原料などでも
私たちの食卓にのぼっているものです。
ですから今回の結果は、
地球レベルでの甚大な影響に繋がります。
追加実験をすぐさま実施する必要性も
さることながら、
まずは
RR大豆の種子販売、作付け、流通を
凍結することが
必要とされるところです。
数千万トンの在庫を凍結することが
可能かどうか、
目眩がする事態ですが、
追加試験の積み重ねによって
原因が究明されない限り、
Mon40-3-2大豆は少なくともこれ以降、
栽培禁止としなければなりません。
同時に、
追加実験の結果の如何を問わず、
すべてのGM作物については、
少なくとも長期の動物実験を
義務付けることが改めて要求されます。
多分それでも
GM生物のもたらす影響は、
私たちにとって
未知の部分が多すぎるといえるでしょう。