恥 | 新宿 鼠通り

新宿 鼠通り

逃れよ…強壮な風の吹くところへ…







どこかで…誰かと出逢って…デートの約束をする…









当日…




小さな花束を忍ばせて…




待ち合わせに向かう途中…




突然…




キャンセルの連絡が入る…




そんな経験…1回…2回じゃない…




10人…20人…




初めてのデートは…いつも…ドタキャンで終わる…




なんで?




急に…面倒くさくなっちゃったの?




それとも…僕は…怪しい?




おかしなビジネスを…売り込むわけじゃない…




ギラギラした目で…ホテルに連れ込もうってわけじゃない…




つきあってください…と告白するわけじゃない…




美味しいものを頂いて…お酒を飲んで…




趣味や仕事…映画や本…音楽…美術…旅に人生…




いろんなお話を…楽しんでみたいだけ…




あなたに…興味があるから…会話してみたいだけ…




友だちに…なりたい…




ただ…それだけ…




なんです…













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「…オッケー!じゃあ…鉄板焼きにしよう!フィレステーキ食べようよ!」




「…はい!楽しみです!お肉大好きです!!!」




「終わったら…連絡ちょうだい…すぐに事務所出られるように…待機してます…」




「はい!わかりました!」




こんなやり取りをしたって…




連絡は来ない…




お洋服を着替えて…髪型を整えて…すぐに出られる準備をしたって…




連絡は来ない…




「ああ…どうせ…ドタキャンだ…また…ドタキャンだ…」




ソワソワ…立ったり座ったり…ブツブツ…ひとりごと…




時が経つほど…ボロボロ…壊れてゆく…




「もう…イヤ!…なんで…ご飯すら…食べてくれないんだろう…」




「……残念です…ね…」




そう…声をかけてくれるスタッフの…心の中は…




(コイツ…また…ドタキャン食らってるぅ…ワロス…) だろう…




恥ずかしい…




本当に…恥ずかしい…




猛烈に…恥ずかしい…




生きていることが…




恥ずかしすぎる…