●遺書通信

 

 


長年占いの仕事をしていると、

 

 

相談者の方から辛い相談を打ち明けられる事があります。

 

 

 

 

 

その一つが、子供の自殺です。

 

 

 

 

こういう問題は、友人や親族に気軽に相談が出来る問題では無いので、

 

 

どうしても、匿名で相談出来る私などに来るのも分かります。

 

 

 


子供が親よりも先に亡くなるというだけでも辛いのに、

 

 

それが自殺となると、残された親の悲しみや悔しみは、想像以上だと思います。

 

 

 

 


私が受けた相談は、それ以上のものでした。

 

 

というのは、子供さんは学校でのいじめによる自殺だったのである。

 

 

男の子だったのだが、彼は学校でいじめられていたと、

 

 

両親に充てた遺書が、自殺した後見つかったという。

 

 

ノートの切れ端に書かれた遺書には、自分をいじめた人の名前が書かれていた。

 

 

ご両親にとっては、3重のショックである。

 

 

子供が自殺した事に加え、自分の子供がいじめられていた事に、

 

 

気づいてあげられなかった。プラス自分の子供を自殺に追いやった人が存在するという事。

 

 

 

 

お母さんが私に相談してきたのは、息子さんが亡くなってから3ヶ月が経った頃だった。

 

 

近所の住む女の子が、最近亡くなった息子さんを見たというのである。

 

 

その女の子は、生前息子さんとよく一緒に登校していた子で、

 

 

その子によると、息子さんが道路から家に入っていく所を見たのだと言う。

 

 

ただ、とても姿が薄い感じだったのと、ドアが開いた気配が無かったのに、

 

 

家の前に行ったら、もう居なかったという。

 

 

それを聞いたお母さんが、息子は成仏していないのではと、相談してきたのである。

 

 

 

 


私がお母さんに、それ以外の事で、何か気になる事は無いか聞くと、

 

 

そういえば、家に居る時に、よく息子が座っていた場所から、

 

 

視線を感じる事があり、そっちの方を見るのだが、誰もいない時がよくあるとの事。

 

 

 

 

確かに、自殺者は成仏しにくい場合が多い。

 

 

しかも彼の場合、いじめという誰かに悔しい思いをされた場合、

 

 

そのいじめた人達への思いが、成仏を遅らせる要因にもなりかねないのである。

 

 

彼の様に、遺書に名前を書く位だと、その思いは強いと言わざる負えない。

 

 

また、今回の彼では無いが、死んだ後もその人達を呪ってやると書かれている場合は、

 

 

まず成仏していないと言えるだろう。

 

 

 

 

 

まず、こういう場合、私が最初に遺族に言うのが、

 

 

その遺書を大切にして下さいという事である。

 

 

 


亡くなる直前に書いた遺書には、本人の念が籠っていると思っていい。

 

 

という事は、その遺書を通じて故人と通信が出来る事があるのです。(遺書通信)

 

 

 


具体的なやり方は、

 

 

■まず、遺書を仏壇に供える。

 

(仏壇が無ければ、簡易仏壇を作る。お盆の上に故人の写真を立てて、

 その前に水やお線香立てを置き、机やタンスや棚の上の置く)

 

■次に、故人に言いたい事や報告したい事を、故人が書いた遺書と同じような紙に書く。

 

 今回の場合でいれば、ノートの切れ端に書きます。

 

 つまり、故人へ言いたい事を手紙にして書く訳です。

 

■その書いたものを、故人が遺した遺書の上に置いて、故人に話しかけます。

 


手紙の内容ですが、

 

これはその故人が成仏への道を歩みやすい様な内容が良いです。

 

■まず、故人へ言いたい事、謝りたい事を書きます。

 

例えば、いじめに気がついてやれなくてゴメンさい。とか、

 

謝っておきたい事があれば、書きます。

 

■次に、故人が遺書で気にしていた事について触れます。

 

例えば、故人が気になっていた事。犬の世話はお母さんがするから心配しないで。とか、

 

妹の事は心配しないで。とか。

 

■最後にいじめ事件について触れます。

 

例えば、その後、教育委員会がいじめと認定したよ。という報告だったり、

 

友達の誰々ちゃんが、こんな事をしてくれたのよ。とか、

 

遺書に名前があった子が、転校したわよ。とか。

 

自殺した故人の気持ちが軽くなるような事を書き、

 

最後に毎回こう結ぶようにします。

 

だから、もういじめられた事は気にしないで、早く成仏してね。と。

 

 

 

 

こういう手紙を出す事によって、時間はかかりますが、

 

 

段々と故人も落ち着きを取り戻し、成仏への道を歩みだし、

 

 

霊となって近所や自宅に現われる事も無くなるはずです。

 

 

 

 

 

 


ちなみに、遺書が無い場合の自殺の場合、

 

 

故人が最後に持っていた物や衣類を、遺書と同じように扱います。

 

 

こちらが出した手紙は、保存してもいいし、2週間位したら燃やしてもいいです。

 

 

 

 

 

私に相談して来た奥さんの家庭でも、

 

 

亡くなった息子さんへ、家族で手紙を書いて出す事で、

 

 

言えなかった事、言いたかった事、謝りたかった事などを言えたという事もあり、

 

 

気分的に楽になったと、言っていました。

 

 

そして、段々と息子の視線を感じ無くなっていったので、

 

 

成仏の道を歩みだしてくれたのかな。と思いますとの事でした。

 

 

 

 


「ごめんね。母さん、気づいてあげられなくて、

 

 

 来世では、幸せな大人になるんだよ。」

 

END