37本目(5月13日鑑賞)

ラスト1ソングの共鳴
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ラスト5イヤーズ

監督・脚本・製作:リチャード・ラグラヴェネーズ/原作・音楽:ジェイソン・ロバート・ブラウン
出演:アナ・ケンドリック/ジェレミー・ジョーダン

舞台女優を夢見るキャシー(アナ・ケンドリック)と小説家を夢見るジェイミー(ジェレミー・ジョーダン)。二人は恋に落ち、互いの夢を追いかけながら、幸せな夫婦生活を送る。ジェイミーの小説が評価され、売れっ子作家の仲間入りを果たす一方、キャシーは芽が出ず、オーディションを繰り返す日々。嫉妬とすれ違いから二人の心は徐々に離れていく。

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評判のよくない「イントゥ・ザ・ウッズ」を回避→アナ・ケンドリック主演の本作を知る→本作がミュージカルだと知る→アナケン主演「ピッチ・パーフェクト」が公開間近→「ピッチ~」が楽しそう→「ピッチ~」の前に本作を観ておきたい…ということで公開終了前週にすべり込みで鑑賞。

オフブロードウェイのヒット作の映画化。別れから出会いに向かって遡るキャシーのエピソード。出会いから別れに向かって進むジェイミーのエピソード。それが交互に展開する構成。

あ、正真正銘のミュージカルです。ほとんどセリフはありません。苦手な方にはおすすめしません。

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ブロードウェイ出身の二人の歌は文句なし。セリフが歌になり、歌がセリフになる。ミュージカルってコレ。歌いながら演技を求められる。この二人、完璧。

完璧な二人なのに掛け合いはほとんどなし。パートごとに一方の心象。なので歌うのは一人。二人いてもデュエットにならない。二人の無駄遣いではと思ってたけど、ラストですべて納得。

二人のエピソードが逆行。ラストはアゲアゲなキャシーとサゲサゲなジェイミー。ここで初めて本格デュエット。時間軸を超えた二人のギャップ。あ、これをやりたかったのね、と。複雑な構成はすべてラストのため。

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舞台らしい脚本。セリフと歌詞が綿密にリンクしている精巧さも、舞台らしさのひとつ。もう一度観て確認したいが、間も無く公開終了。

セットチェンジ等、場面の切り替えが分かりやすい舞台に対し、スクリーンだと分かりづらいところもある。気を抜くと目の前の場面がいつの時代か見失う。舞台らしさゆえの悩みどころ。

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オーディション・シーンのアナケン歌が抱腹絶倒。自分を評価してくれない演出家に超早口で苦言。「書類じゃなくて、私を見て」「今日のピアノはダメ」「ラッセル・クロウに××××」…ブロードウェイの内幕をサクサク切りまくる。ラストの歌は圧巻。同じ「さよなら」の二つの意味。詞もいい、歌もいい、表情も演技もいい。これは名場面。

本作の評価も今ひとつ。ミュージカルがダメな人はダメ。ハッピーエンドでもない。少しでも気にしていただけたなら、レビュー評価は気にせず、自分の目と耳で確認しよう。

これだけは言える。二人の歌を聴くだけでも、お金を払う価値のある作品です。



hiroでした。
「ピッチ・パーフェクト」の公開も近い(5月29日)。「ナイトミュージアム エジプト王の秘密 」のレベル・ウィルソンも出演。予告を何度も観て期待が高まりすぎてるのがかえって不安。



脚本8 映像6 音響6 配役9 他(歌唱)10

39/50