7本目(2月1日鑑賞)


キレの演技爆裂!
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アメリカン・ハッスル


監督・脚本:デヴィッド・O・ラッセル

音楽:ダニー・エルフマン
出演:クリスチャン・ベイル/ブラッドリー・クーパー/ジェレミー・レナー/エイミー・アダムス/ジェニファー・ローレンス/ルイス・C・K/マイケル・ベーニャ/アレッサンドロ・ニヴォラ/ロバート・デ・ニーロ


贋作詐欺などで稼いでいたアーヴィン(クリスチェン・ベイル)とその愛人シドニー(エイミー・アダムス)。二人は、オトリ捜査を得意とするFBI捜査官リッチー(ブラッドリー・クーパー)に逮捕されるが、詐欺のテクニックを買われ、無罪を餌に汚職事件の捜査協力を強要される。

ターゲットはカーマイン市長(ジェレミー・レナー)。リッチーの「完璧な」計画は、偽のアラブの富豪を仕立てて、カジノ経営に絡む大物政治家への贈収賄へ誘い込むというもの。長い詐欺経験から、危険を感じたアーヴィンは、キレやすいリッチーに不安を抱く。
市長のパーティーに夫婦同伴を求められたアーヴィンは、関係がうまくいっていない妻ロザリン(ジェニファー・ローレンス)を仕方なく連れていく。アーヴィンとシドニーの仲を察知したロザリンは、嫉妬からアーヴィンを困らせる行動をとるようになる。
ロザリンがかき回し、アーヴィンとシドニーの連携に微妙なヒビが入り、リッチーはシドニーに取り入ろうとする。大物政治家が次々登場し、マフィアの大物まで姿を見せる。崩壊ギリギリでどうにか保っている作戦の行き着く先は。


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プロ根性!


ゴールデングローブ作品賞で勢いに乗った。米アカデミー作品賞も射程圏。各ブロガーさんの反応も好評。
だけどhiroは、相性悪いかも、この監督。「世界にひとつのプレイブック 」もそうだった。キレまくる男女。いつしかダンスコンテスト。いつのまにかのウリナリ・ダンス部。この作品も評判はよかった。だけど最後まで乗っかれなかった。おそらくhiroのピントがずれていた。


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アラフォー根性!

そして今作。ブラッドリー&ジェニファーは連投。ベイル&アダムスは「ザ・ファイター」。気心知れた再集結。あの大物も集結。やっぱりキレてるブラッドリー。最初のうちは「まただ~」と。そのうちだんだんくどくなる。そしてだんだん怖くなる。こいつ、笑ってらんねぇぞ、と。ブラッドリーのキャラが立ちすぎて、ベイル&アダムスが見えなくなる。そして、やっぱり乗れんかった。たぶんピントがずれている。

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このチーム、とても危険!

いいことも書いておこう。

オープニングにまずぶっ飛ぶ。で~んとしたお腹。かなり寂しい頭髪。それを丁寧に丁寧になでしつけ、足りない部分はちょっと足して、さらに丁寧にセットする。その一部始終に付き合わされる。この頭髪は、つまりは嘘。丁寧に固めるその作業。それが主人公の仕事のやりかたであり、生き方である。

驚愕したのはベイルのお腹。ボクサーになってガリガリに。バットマンになってムキムキに。そしてこれ。短期間にこの変化。ここに嘘はない。
アラフォー、エイミーのセクスィーも見逃せない。健全な役が多かった彼女のチャレンジ。彼女の真剣。ジェニファーとのバトルは今作の華。
対戦相手のジェニファー。「世界にひとつの…」の役と似た感じ。正直、萌えない。だけど、演技はホンモノ。彼女のオスカー、十分あり得る。
ブラッドリーは…今のところ「いいね?」ってのに出会ったことがない。

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オスカー獲得なるか?


1977年に実際にあったというアブスキャム作戦。このオトリ捜査を題材にしたエンターテイメント。

最初から反りがあっていない詐欺師と捜査官。ぶつかりながらいつの間にか巨悪を倒す…という話ではない。巨悪のはずだった市長が悪ではない。収賄はしている。市民の雇用を生み出すためのカジノ建設。金をバラまけとけしかけたのは誰だ。リッチー一人、だんだん共感から離れていく。それでも、最後は大手柄。共感などどうでもいい。詐欺師夫婦と愛人の三角関係がどうなろうと知ったこっちゃない。ただ大騒ぎして、走り抜け、ドヤ顔で去っていく。実際のアブスキャム作戦も、後日捜査方法の是非が、物議をかもしだしたそうだ。


音楽の使い方だけは、hiroのツボ。「世界でひとつの…」のスティービー・ワンダーに続き、今作はポール・マッカートニー。痺れた。



hiroでした。

絶賛の渦の中、できるだけ本心でつづってみた。

勉強不足ゆえご勘弁を。

脚本6 映像6 音響5 配役8 他(音楽)8

33/50