50本目(9月13日鑑賞)


X-MEN4?
観たい映画を観て、読みたい本を読んで、聴きたい音楽を聴く!-wv1

ウルヴァリン SAMURAI


監督:ジェームズ・マンゴールド

脚本:マーク・ボンバック/スコット・フランク

撮影監督:ロス・エメリー

編集:マイケル・マカスカー

音楽:マルコ・ベルトラミ

出演:ヒュージャックマン/真田広之/TAO/福島リラ/ウィル・ユン・リー/スヴェトラーナ・コドチェンコワ/ハル・ヤマノウチ/ファムケ・ヤンセン/山村憲之介


カナダの山中で人目を避けるように暮らすローガン(ヒュー・ジャックマン)は、彼を探していたというユキオ(福島リラ)から、第二次大戦末期の長崎で命を救った日本人実業家ヤシダ(ハル・ヤマノウチ)の余命がわずかだと聞き、ユキオとともに東京へ向かう。

ヤシダ家に着いたローガンは無事に面会を果たしたが、その夜、ヤシダはローガンに不可解な言葉を残したまま息を引き取る。ヤシダの葬儀中、ヤシダの孫娘マリコ(TAO)が何者かに襲われ、ウルヴァリンの能力により助け出すが、ヤシダの息子シンゲン(真田広之)、ヤシダの主治医ヴァイパー(スヴェトラーナ・コドチェンコワ)、さらにマリコを見守る謎の男(ウィル・ユン・リー)らを絡めたヤシダ家の莫大な遺産をめぐる騒動に巻き込まれる。


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「レ・ミゼラブル」では封印だった肉体、ご堪能あれ(笑)


「なんちゃってトーキョー」が多いハリウッド映画。ウルヴァリンの新作の舞台が東京と聞いたが、予告編映像と日本好きのヒューのことだから大丈夫だろうと安心していた。ハードルを上げすぎたか。健闘はしていたようだが、少し甘かった。文句で終わるは嫌なので、先に書いとくね。


「あの、格闘技みたいな剣道、どうにかして~!」

「イレズミさんが変装するのが僧侶というのは、まずくない? 撮影したのが増上寺なら、なおのこと」

「あの新幹線はなに?」

「ハラダの日本語はもう少しどうにかできなかったのか?」

「娘の命を狙う父…設定が唐突ではありませんか? せめて実子ではないとか…」


現代に忍者がいたり、マリコが一般女性にしては強すぎたり、予想外のロボが登場したり、許せるところはスルーしまくったうえで、以上のような突っ込みどころが。ただ、それ以外、特に日本の風景はよく撮れていたと思います。特に「長崎」の別荘の佇まい、近隣の風景、ご近所の方々。
さらに、感心とともに笑いを誘ったのがラブホ。おそらく他の国にはあまりないこのシチュエーション。スタッフの誰かが利用経験がないと描けなかったのでは、と憶測。ラブホのおばちゃんの息子が獣医さんというのも笑った。


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真田さんのハリウッドでの存在感が伝わる。


「なんちゃって」ネタはこの辺で。
これはシリーズの時系列では、X-MENの「3」の後。なのでローガン、愛するジーンを自らの手にかけてしまった後悔に苛まれ続けてます。何の説明もないので、シリーズを観てないと、ローガンの苦悩がわからない。…なはずなんだけど、あって間もない異国の女性に簡単に落ちてしまうので、ジーンのネタはなくてもよかったのかも。恋の傷は恋でしか治せないと。ということで、シリーズ未見でも可ということで。

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モデル出身のTAO。
ハリウッド好みのアジアン・ビューティ?


ヒューの肉体は惚れぼれ。「レ・ミゼラブル 」で物足りなかった人は、これ観て補てん。この肉体を駆使しての肉弾バトルは見もの。素人相手に苦戦しすぎな感はあるけど、あの能力が奪われているので、辻褄は合う。真田さんも、若くはないのに、凄いね。

裏話。ヒューさんの爪の小道具は、衝撃を受けるとけっこう痛いらしいです。上の写真みたいなシーンね。なもんで刀を武器にする真田さんとの殺陣のシーンでは、「刀が爪に当たらないようにするのが大変だった」と真田さん。なんてお優しいんでしょう。

バトルシーンについて、もう一言。というか、hiroはこの映画の中の、ここがツボだったんですけど。ユキオを演じた福島リラ。も~、リラが凄い! TAO同様モデル出身で、本格的な芝居はこれが初。なのにあの存在感。TAOに比べて圧倒的にバトルシーンが多く、このために本格的なトレーニングを積んだという。その成果、出てますよ。素手でも剣でもなんでもござれ。決して美人じゃないけど、すっかりまいってしまいましたよ、リラ。あの終わり方…ウルヴァリンの相棒として続投求む。 

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リラ~。この作品の最大の収穫でした!


先ほど「3」の後だと申し上げました。で、最後まで観てるとですね~、出てくるんですよ、あの爺さんコンビが。どうもこの映画は初めから「X-MEN4」のつもりだったんじゃないのかな。そう考えると、しつこいくらいに出てきたジーンの存在も、必要だったんだな、と腑に落ちる。

さらにだ、ということはユキオことリラの参戦も期待してしまったり。予知能力みたいのがあるようだし、彼女だってX-MENなのだ!


ってことで終わろうと思ったけど…やっぱ触れないわけにはいかんなぁ。

冒頭、長崎でヤシダの命を救うんですね。あれは原爆ですよね。強烈な熱風から、金属の蓋ひとつでヤシダは救われる…救われるのか? めちゃめちゃ被ばくしてますよ。「もう外は大丈夫だ」って、大丈夫じゃないですよ。原爆について、ただの「ものすごい威力の爆弾」程度の認識でいませんか? アメリカの学校じゃ、放射能について、原子力について、ちゃんと教えてないんですか?


エンタメだからいい、という力技には釈然としないながらも、X-MEN続編はきっと観てしまうんだろうな。



hiroでした。

観てから10日以上経っちゃった。