数学者、新井紀子氏の心に響く言葉より…
私は日本人の読解力についての大がかりな調査と分析を実施しまし
そこでわかったのは驚愕すべき実態です。
日本の中高生の多くは、
これは、とてもとても深刻な事態です。
英語の単語や世界史の年表を憶えたり正確に計算したりすることは
一方、教科書に書いてあることの意味を理解するのは苦手です。
あれ、日本の中高生と同じなのでは?…そう思われましたか。
そうなのです。
現代日本の労働力の質は、
それは何を意味するのでしょうか。
AI楽観論者が言うように、多くの仕事がAIに代替されても、
しかし、たとえ新たな仕事が生まれたとしても、
現代の労働力の質がAIの似ているということは、
では、
労働市場は深刻な人手不足に陥っているのに、
結果、経済はAI恐慌の嵐に晒(さら)される…。
残念なことに、それが私の思い描く未来予想図です。
実は、同じようなことはチャップリンの時代にも起こっています。
ベルトコンベアの導入で工場がオートメーション化される一方、
でも、それは一度に起こったことではありません。
タイムラグがありました。
大学が大衆化し、ホワイトカラーが大量に生まれる前に、
それが、20世紀初頭の世界大恐慌の遠因となりました。
その時代、ホワイトカラーという新しい労働需要があったのに、
答えは簡単です。
工場労働者はホワイトカラーとして働く教育を受けておらず、
AIの登場によって、それと同じことが、今、
そうならないために、数学者として、今、できることは何か。
それは、実現しそうにない夢のような未来予想図を喧伝(
その強い想いから、筆を執(と)ることにしました。
『AI vs. 教科書が読めない子どもたち』東洋経済新報社
日本の学校では長い間、テストや入試においては、覚えたものを再生する「
しかし、
「記憶再生能力」と対極にあるものが「感性」だ。
境野勝悟氏は、かつて進学校の教師をしていた頃、
つまり、ボイスレコーダー的記憶再生能力が8だとすれば、
読解力を身につけるには、感性の力が必要だ。
感性とは、「相手の気持ちなれる」、「人の気持ちを感じとる」
AIに人間が勝つために必要なことは、
これからの時代は、ますます…
人の気持ちを感じ取る「感性」を身につけることが必要だ。
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