「アイススケートってどうして滑るのか知ってるか?」
「え?え?氷だから?そんなこと考えたこともない…」
「このエッジの先、糸1本分の面積に何トンもの圧力がかかった瞬間、
その下の氷が溶けるんだ。
そして、滑る。」
だいたい、国をあげての競技祭典には乗っておくほうだけど、
オリンピックの盛り上がりにはいつも乗り遅れる。
とくに冬季オリンピックはキャッチアップしそこねる!
なぜだろう?雪降って寒そうだからかな(そんな理由…)
だけどテレビでフィギュアの選手たちが
華麗に舞う姿が何度も放映されるたび、
どうしてもみたくなるものがある。
「白のファルーカ」槇村さとる
情熱的で天真爛漫な主人公・秋吉樹里が、フィギュアシングルから転向した
天才スケーター・松木恵(けい)とペアを組み、世界の舞台へ挑むアイスダンスまんが。
今年もバンクーバーに触発されて読み始めたよ。
単行本が発売された連載当時わたしは大学生だったけど、
この松木恵というオトコが当時片思いしていた男子に
ルックスからキャラから、ものっすごい似ていたので
女友達とワーワー言いながら読んだ思い出がある。
だってそもそも友達が
「このキャラ、○○君にすんごい似てるから読んでみなよ」
って持ってきたんだもん♪
あらすじだけ読むといかにも少女マンガなストーリーだけど、
読むほどに話は重い、人間の、家族の、生きざまのもつれになってゆく。
こりゃ別マ読者の女子小中学生にゃつらいかなりオトナの話…。
実際、文庫版のあとがきで、作者自身がこう書いている。
「愛憎世界に生きる人間(それまでの私)VS愛情世界に生きる主人公(私の希望)
の聖戦物語だったのだ。どっちが勝つかは全く解らなかった。ホント。
とにかく描けるところまで描く!というのが私の覚悟の全てだつた。
ここでもうお気づきでしょうが読者の存在というものをほとんど無視した
マスターベーション的な作品であります。ごめんなさい。
無視した分、当然人気はありませんでした。アハハハ。」
槇村さとる自身、強固なトラウマを持って成長したひとだと
いうことは、その著作について述べられた文を読めばよくわかる。
「憎しみをバネに描いてきた」という彼女自身がそれと闘って
悩んで溶かしてみせるかのようなストーリー運びに、
何十回も読んでるのにあたしゃ毎回、涙してしまうのである。
ま、まったくスケートと関係ない話になってきましたが(笑)
オトナの女が読むのにちょうどいいと思います。
高橋大輔くんの舞いを横目に、ぜひ♪