プチ信の部屋 -219- 06/09/17
今回は「大学祭な日々」
今、勤めている大学は9月16日・17日で大学祭が行われた。
グラウンドでは「やぎ」「ひつじ」が見られる「ふれあい動物園」があったり、
みんなで「サンバ」を踊ったりと、有名な芸能人が来るわけではないが…
アットホームでいい大学祭だ。
最後には「打ち上げ花火」がある。
あ~これで大学祭も終了だなぁ~と感慨深い。
それを見て帰ろうとすると、ステージから実行委員の声がする。
「すみませーん!ステージ前に集まってくださーい」お客さんが足を止める。
実行委員リーダー達からの挨拶が始まった。
「ホントにいい大学祭ができたと思います。ありがとうございました!」
「来年はもっといい大学祭をしてくれると思います。期待してください!」
そんな中で涙を流しながら話し出したリーダーがいた。
「だいたい俺はリーダーの素質なんてなかったんだよ。
だから、みんなに迷惑ばかりかけちまって…ホントすまない!」
そう言って彼は他のリーダー達に土下座をして謝っていた。
僕らには何があったかは全く分からないが…
一緒になって泣いているお客さんもいた。
そういう「若さの魅力」に触れ、僕はふと自分の大学時代を思い出した。
僕は大学に入学してすぐ、友達に誘われて「映画研究部」に入った。
その年の学園祭はメンバーが少なく当日運営のために各クラブのから助っ人が必要だった。
僕は「映画研究部」からのヘルプで実行委員を手伝った。
しかし2年の時には学園祭実行委員長になってしまった。
前任の委員長がメンバーを集める事ができなかったので、僕はメンバー集めから始めた。
運営は当日しか見ていないので、すべてが未経験だった。
かなりの不安もあったが、誰かがやらなければ学園祭が成立しないという責任感で体を動かした。
大学職員との交渉もした。
スーツを着て企業をいくつも周り、企画書を説明し協賛金を頂いた。
一時は100万円近い赤字を自分で被るという覚悟をした事もあった。
そうやって終了した学園祭は僕にとっても感慨深いモノになった。
なにより大切だったのは僕に協力してくれたメンバーだった。
仲間も後輩も一生懸命頑張ってくれた。
学園祭終了後、実行員メンバーで打ち上げをした。
僕がメンバーに「ありがとう」を言おうとした時
後輩達が僕に花束を差し出し「ありがとうございました!」と言った。
僕は先に言われてしまったのだ。
「先輩の学園祭に協力できてよかったです」と言ってみんなが僕を囲んだ。
見るとみんな泣いている。
その姿を見た時、僕も嬉しくて涙が止まらなかった。
その後、マイクを持たされた僕は「ありがとう」とひと言いうのが精一杯だった。
あの時の経験が今の僕を支えている。
きっと今日リーダー達の前で土下座をした彼も、この日の事は一生忘れないだろう。
そして、その経験はこれから彼をずっと支えていくハズである。FIN.