今年の警察白書でいちばんおもしろかったところ-危険な取り調べ室 | 女子リベ  安原宏美--編集者のブログ

今年の警察白書でいちばんおもしろかったところ-危険な取り調べ室

 今年の警察白書を眺めていて、数字は全体的に落ちているので、日本って安全ねーと思っていたのだが、しかしなかでも危険だなと思ったのは以下の写真の頁でした。見たい方は平成22年度版警察白書の80頁をご参照ください。

 足利事件などで、取り調べの適正化が言われて、私も可視化はどうなってるんじゃーとか思っているんですけど、警察白書で、足利事件などを踏まえて、こんなにがんばってます!と主張している頁ね。

 以下のように「窓をつけて」、「カーテンをつけて」、「机を固定化して」、「机の下に遮蔽板を作って」こんなに努力してます!自浄作用がありますと主張してました。なんでこんな低レベルなことを写真つきでがんばって主張してんのなあ・・と不思議に感じました。
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 窓はまあ意図はわかりますが、机の固定化と遮蔽板は、なんでこうしたのかという説明がない。まさか、机の下で蹴るとか机をがーんと倒すとかドラマみたいなことしてるの? いやあ、いくらなんでも警察官がそんなねえ、刑事訴訟法も勉強してるんでしょ、あっそうか、たまに被疑者に蹴られたりするのかなあーと警察のほうに都合よく考えたりもしてあげたんですけど、報道を調べてみるとそのまさかだったのね。

 広島のニュースですけど。

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産経新聞
県警が改良した取調室を公開 広島
2008.9.1 01:58
http://sankei.jp.msn.com/region/chugoku/hiroshima/080901/hrs0809010157001-n1.htm
 広島県警では今年7月、県警本部総務課内に「取調べ監督室」を設置。9月1日から試験運用を始め、県警本部と広島中央署、広島南署の取調室で、捜査に携わっていない警察官が実際に取り調べを監督。不適正な捜査が行われていないかを調べるとともに、運用上の問題点などを探る。

 この日県警は、県内の警察署に先駆けて改良を加えた県警本部内の取調室を公開。監督官が室内をのぞけるマジックミラーがついた30センチ四方の窓が設置されており、被疑者への自白の強要や暴行などの問題行為がないかをチェックできる。また、被疑者の足をけるなど、監督官の目に届かない問題行為を防ぐため、机の下には被疑者側と捜査員側の間に遮へい板が設置されている。

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 ほかのニュースも探してみたけど、蹴ってるぽい。抜き打ち検査のニュースでも蹴ってるなあ・・・。暗数もあるよね。

 「暴力はふるって証拠を集めてはいけません!」からお勉強なのか。

 こんなレベルの低い防止策を考えなくてはならない監察官も大変だなあ・・・・・と思ったので、可視化したほうが、机とか窓とか小手先でがんばらなくていいんじゃないかと思います。

 取り調べ室で拳銃発砲されて被疑者が死亡した戸部署事件みたいな怪しい事件もあったしなあ・・。治安はおおむねよいんだけど、危険な取り調べ室を実感した今年の白書でした。