2007-07-19 20:59:54

「もうこの問題しかやらない」

テーマ:ブログ

 1975年生まれの就職氷河期世代の若い記者が「派遣社員」の実態を書いた本がルポ正社員になりたい―娘・息子の悲惨な職場/小林 美希著』
 若年層の非正規雇用の実態を最初に活字媒体「エコノミスト」で取り上げた功績、綿密な取材、そこに基づく分析力には感嘆しました。本来の記者の仕事、その気迫を見せていただいた気がします。アマゾンのレビューこぞって5つ星ですね。同感です。

 あと、新人の彼女の企画をとりあげてくれたデスクやこのルポを本に残さなくてはと出版された単行本の編集者。まだ実績の少ない小さな人間の企画に耳を傾けてくれようとする人が少なくなっているなか、彼女をサポートしたまわりの人たちにも感謝したくなる本でした。彼女はほんとにかっこいい。記者や編集者はほんとに読んでほしいと思います。たったひとりでもできることがたくさんあると思います。

 彼女は自らが、何十社と就職試験を受け、民事再生法を申請したばかりの倒産会社「株式新聞」にやっと就職。そのあと週刊「エコノミスト」の契約社員記者に転職。現在フリーという経歴。経済ジャーナリストの知識があるので、ただのルポにならず、行政の動き、就職実態の数字、さらに、この「格差」の“戦犯”である識者たちの言質をきちんととりにいき、さらには、国会でこの問題を追及した枝野議員の言質もおさえています。

----以下抜粋---

 2003年の後半から、私は特集の企画に若者の雇用問題を提案したが、編集部では「雇用問題は売れない」「本当に仕事はないのか、若者が甘えているんじゃないのか」と、企画が通ることはなかった。当時は、非正社員は「フリーター=パラサイト・シングル」と見る傾向があり、若者が甘いんだ、選ばなければ仕事はあると、若者をバッシングする風潮が強かった。しかし、しつこく複数のデスクに提案すると、あるデスクが採用してくれ、2004年5月、週刊『エコノミスト』誌で、第二特集ではあったが、特集「お父さん、お母さんは知っているか 息子と娘の“悲惨”な雇用」が組まれた。

 私は、若者への取材を重ねていった。一回の特集を作り上げるまでの四週間で、雇用の現場にいる若者や、専門家など60人以上から話を聞いた。略)

 株価が下がりはじめた2000年の後半以降、決算説明会でよく聞かれたのが「構造改革(リストラ)=人件費削減」という言葉だった。略)

 証券アナリストが頻繁に人件費の内容や数字について厳しく質問する光景が(決算説明会で)多く見られた。たとえば、あるサービス業界の経営者が「当期は、正社員比率を何%から何%に減少させました。非正社員を増やしたことで、人件費は前期から何%圧縮することができました」と説明すると、アナリストはそれを評価。すると株価は反発。目先の利益が出たことを株式市場が評価したのだった。またある大手食品メーカーでも本業ではなかなか利益が出なかったことから、アナリストや機関投資家からの要請で、人件費削減が求められた。もともと人件費削減が高かったことに目をつけられていた企業だった。略)

 (派遣社員の実態を)聞けば聞くほど、この問題は、それぞれの人生だけではなく、社会全体の問題と感じた。そして、同じ非正社員として働く私が、彼女・彼らと同じ目線で、この問題を正確に記事にしていく義務を負った気がした。もうこの問題しかやらない。自分のテーマと心に決め、2004年から集中的に『エコノミスト』誌で、「出産できない職場の現実」「結婚できない男の現実」など、雇用不安から生じる若者の問題を特集にしていった。そして私が在籍中、特集「娘、息子の悲惨な職場」は最終的に五回組まれた。

 取材を通じて感じた派遣労働の問題は大きくいうと、①派遣の主旨から離れた常用雇用化 ②細切れ契約で使い捨てられる ③低賃金のまま使われ、かつ多くの派遣社員は交通費が自給に含まれることで手取りが減る ④セクシャルハラスメントやパワーハラスメントの対象にされやすい ⑤派遣会社の保険料負担逃れによる社会保険未加入問題 ⑥妊娠すると事実上解雇されたり、小さい子供がいると仕事が回ってこない ⑦「三年ルール」で突然クビ(契約打ち切り)になる ⑧就職活動で派遣の実績は評価されにくい――といった点だろう。


彼女のルポは細かいところに目を配っている。「そんなしょうもないことが」と思われるかもしれないが、他人との生活の差異はこうした些細なところからの鬱憤がたまってくるものだと思う。「食べ物の恨みは恐ろしい」って言葉があるが、ほんとうにあった殺人事件からできた言葉です。

この本の中で介護のホームヘルパーをやっている島田晴美(仮名)さんのルポを取り上げたいと思う。


看護士やホームヘルパーは高校生にとっては人気が高い職業だ。しかも、超高齢化社会を目指して求人ニーズも高い職業。介護保険制度が2000年4月から導入され、ホームヘルパーや介護福祉士などの資格を取得する人は増大した。介護保険制度が導入される前後を比べると、福祉・介護関係で働く人は1996年の114万人から2001年で177万人になり、5年間で55%増加した(総務省「労働力調査」)。略)

しかし、ここでも正社員は狭き門。介護福祉士など高度な資格をもっていても正社員としての就職は難しい。介護福祉士の試験を受けるにも、福祉の専門学校を卒業しているか2年以上の実務経験者でないと受験すらできない。晴美は、ホームヘルパーの登録スタッフとして働きながら、次の資格を取ろうと決めた。非正社員だが仕方ない。

ヘルパー2級の仕事というと、食事の世話や入浴、おむつ交換、買い物などの日常生活のサポートが主な仕事となる。晴美の住む地域ではヘルパーの自給は家事援助で850円、身体介護で1200円が相場で、社会保険は自己負担となる。地方での訪問介護には、車の移動が必須だ。移動に車で30分から1時間程度かかる場合がほとんどでガソリン代の負担は決して少なくない。朝7時から夜7時過ぎまで働いても、移動時間は時給にカウントされないため、月の月収はせいぜい12万円程度で年収にしても約144万円。これは平均的なフリーターの所得である年収120万円と同じような水準である。略)

「介護の世界はテレビCMみたいに笑顔でニッコリなんてもんじゃない」

地方では特に、他人を家に入れたくないという意識が強いことから、ヘルパーの利用はまだ都市部ほどには広まっていない。ややもすれば、ヘルパーを頼むこと自体が「あそこの嫁は舅や姑の面倒を見ない」と近所で言われかねないのが現状だ。だから、もう面倒を見切れない、という限界点にきてようやく他人を家に入れるようなケースが少なくない。

「一人でトイレに行くことができず、部屋で用を足し、汚物を壁に塗りたくるような要介護者や、台所や部屋の隅はカビだらけのようなところもあった」と晴美は振り返る。

汚物を片付けるのもヘルパーの仕事。部屋中に排泄物が塗りたくられた家をはじめて訪問したときは、しばしば立ちすくんでしまった。それでも仕事は仕事。ビニール手袋を2重にして片付けたが、臭いがついて離れない。(略)

彼氏にだけはそんな話を明かした。電話で話しているときは「大変だね、がんばれ」と励ましてくれるが、会うとなんとなく避けられているような気がした。いつもは手をつないでいれていたのに、あの話をしてからは、手をつないでくれなくなった。これは手が荒れたからではない、汚いと思われたのだろうと察したが言い出せなかった。彼氏が自分を汚いと思っていることは、感じていても本心を知りたくなかった。

問題の訪問先の仕事を続いた。75歳の男性だったが、まともな会話はできない。しかし、自分の家族の悪口だけはしっかりとした口調でたたきつけるような怒鳴り声で叫んでいる。その暴言を聞かされつづけるのも辛く、聞こえないふりをして家事をしていると、「おまえ、クビにするぞ」と怒鳴られる。しまいには、本部に「腐ったものを食べさせられた」と嘘の報告をされた。

70歳近くの男性の要介護者でも、性欲が残っている人もいる。介護の一環で、入浴できない要介護者に対して体を拭いてあげている最中にヘルパーの胸をさわるなど珍しいことではない。入浴やおもつ交換の時には、陰部に手を触れることがある。そんなときに「1万円あげるから・・・」などと性的関係を迫る人も後をたたないという。晴美もそんな経験を持つ。しかし、そこまでなら断ることができるから許せる。ある要介護者は、突然、晴美の目の前で自慰行為をはじめた。こればかりは晴美もたえられなかった。しかも射精した精液の後始末は晴美の役目だ。

(そののち、彼女はホームヘルパーを辞める)

仕事を辞める直前の2か月程度で晴美の体重は66㎏から48kgへと激減した。

-----------

怒りを覚える人もいるかもしれませんが、これは認知症の症状でもあり、晴美さんはそこを勉強しているのでよくわかっていると思います。だから「仕事だ」と思ってモラルでようようもっているかんじがします。理性やらロジックやら、やる気で解決できる問題ではない。

よくテレビで問題になる「ゴミ屋敷」も認知症の場合も多いのではないかと思います。「異常」の文脈で報道されてますけどね。

「認知症」関連の本には、典型的事例と対処法としてこのようなことが書いております。「ものを盗まれたと騒ぐ場合」、「ガラクタを拾ってくる場合」、「近所のお店から黙って品物を持ってくる場合」、「配偶者が浮気をしているのではと疑う」、「トイレ以外で排泄する場合」、「セクハラ行為が出てきて困る場合」などなど。


 彼女の給料が年収150万円、非正規。小林さんが感じた「怒り」を感じます。


 人は誰もが老いて弱って、誰かの世話にならなくてはいけない。

 団塊世代の親父が「昨今の若者は--」とか言い出すと、私も後ろから飛び蹴りしたくなるのですが、あなたたちがボケたときに療養病床はなく、妻から愛想つかされたら、ヘルパーの世話になるのですよ。認知症で血管系での障害で前頭葉がやられた場合、病識はあります。つまり、自分が弱っている状態や断片的に自分の状況はわかります。これはかなりの「恐怖」と「不安」です。まわりにもあたる状態になります。これ男性がなるリスクが高い。女性がなりやすいアルツの場合は病識はない場合が多い(つまり本人は自分の状態がわかってない。まわりは大変ですよ、もちろん)。先日、お医者さんは「男って、ほんとかわいそうな生き物だと思います」といってました。

 人格障害と誤診されていた認知症のひとつにピック病というのがあり、これは前頭葉と側頭葉の萎縮が強く、人格が変わり身勝手な行動や反社会的行動をとる特徴があります。あとレビー小体病というのも精神疾患と間違われる場合があります。これは幻視が見えます。

 団塊世代のために、私たちやその後ろの世代が困るのはいやだから、私は飛び蹴りしたい気持ちを抑えて、あなたたちの「老い」を取り上げて戦わなければならないのかなと思っています。

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コメント

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17 ■小林美希さま

こんばんわ。わーお返事ありがとうございますo(^▽^)o 熱いメッセージのほうは、今お書きになっているブログで拝見いたしました。お身体には気をつけてくださいね!でも、きっと無理されるまでがんばってしまうところが小林さんらしさなのかもしれないなとも感じました。
アマゾンレビューにも感想がありましたが、小林さんの「正社員になりたい」は、決して生易しい言論でもルポでもないのに、読み終えたときに「私もやってやろう」「なんかがんばれることはないのか」「なにか道はないのか」という気になるんです。読んでいて、感情の出し方と冷静な分析力のバランスにもびっくりしました。これが「動かす」言葉なのだと。上のコメントに後藤さんが「勢いでレビューを投稿してしまいました」という気持ちがわかります。私もそうでしたから。ほんとにがんばってください。

>どこかでお会いするような機会があるといいですね。
ほんとですね~!

さっきアマゾンの見てきたら、「通常3~5週間以内に発送」になってるので、あらーまたー??早く入るといいのにと思っております(笑)

16 ■無題

安原さま。コメント&熱いメッセージありがとうございます。ブログにコメントいただいてから、ずっと返事をしなきゃと思いつつ、熱い返事をしようとするとかえってなかなか返事できず、今日に至ってしまいました(汗)。こういうふうに、丁寧に読んでいただくと、書いた甲斐があります。本当にありがとうございます。どこかでお会いするような機会があるといいですね。これからも、今まで通り、いろんなところを歩き回って、「人の目となり耳となる」「私憤を公憤へ」というジャーナリストの基本を貫けるよう頑張りたいと思います。私のブログは、くだらないことばかり書いておりますが、息抜きタイムには、たまに見ていただければと思います。今度とも、よろしくお願い致します。遅くなりましたが、お礼申し上げます。。。

15 ■野性の鹿さま

 はじめまして。こんにちわー。あはは。おもしろいコメントありがとうございました。
>総菜半額をフル活用し賢く生きていくしかありません。
 先日「惣菜がさらにおいしくなる料理」の記事書いてました(笑) 
>まぁそう言う訳で何とかなってるyo!
 牛乳バックでパウンドケーキは作るし、100円缶詰でもそのへんのお店顔負けのソースは作ります、庭でハーブは育てます(これは今枯らしましたが 笑)図書館はもちろん歩いて10分!ほんとに便利ですよね。そういう公共のサービスもなくなるような社会にはしたくないなあと思います。

 昔、『素敵な奥さん』でやってたような「トイレは3回に1回しか流さない」みたいな切なくなる節約はしませんが・・・(笑) 「節約生活」も楽しくできるような「希望」も「気力」も「お金」もなくなってしまったときのことも書いてたりもしますが、そういうところに陥った人に「努力したら楽しく生きていけるんだよ」っていうのは、きっと残酷なんですよね。

14 ■企業のお偉いさんへ

初めまして。図書館で借りてきて読みました。大変興味深い本で教えてくださって感謝です。私は76生まれ非正社員で既婚者です。私の様な人間が生きていくにはネットや公共施設、総菜半額をフル活用し賢く生きていくしかありません。けど結構楽しいです。詰め替えインク買うし、ヤフオクで1000円のcd買うし(すぐ売るし)、パソコンは拡張しまくって6年目です。自転車で移動するしケータイもショートメイルだけ。映画館には割引使っておやつは持参。まぁそう言う訳で何とかなってるyo!

13 ■すみませんでした

私が浅慮なばかりにご迷惑をおかけいたしました。

ダニエル・ピンクは、不安定な社会での労働者の戦いを、あえて前向きにとらえている印象ですね。逆行を逆手にとってフリーエージェントになりましょうってことだと受け止めました。ただ、フリーエージェントの実態は、それほど甘くはないと思いますし、米国の自営業比率が目立って上昇しているわけでもありませんし。むしろ、自営業比率は、先進国でも低い方に属します。
また、熊沢先生の著書の中にあった『窒息するオフィス』は、インテルやマイクロソフトを題材に、経団連が狙っているホワイトカラー・エグゼンプションが導入された場合の、職場の悲惨さを克明に描いていると思います。

>私は、ひとりの人がすべてやらなくていいと思いますし(もちろん今後も仕事されるでしょうし、期待という意味でかかれているんだと思うのですが)それこそ、専門家がきちんと出すべき仕事ではないのかなと思います。

それはご指摘のどおりです。政府も含めて、自分のできることをやっていくことが重要なのだと思います。

12 ■e-takeuchi さま

>就職氷河期世代の不遇についてはさまざまな文献や書籍を通じて知っていたつもりなので、それではどうするのかということについて、もっと記述してほしかったこと、・・・・・・wageless recovery は米国で先行して

ダニエル・ピンク(アル・ゴアの側近)さんが書かれた「フリーエージェント社会」の中に「テンプスレーブ」といわれる非正規雇用の実態(その逆のフリーエージェントとしての成功例も書かれてますが)やその戦い方などの実態が少し書かれています。

つい、先日2007年度の年次経済財政報告(経済財政白書)が発表されましたが、やっと以下のような提言が出てきた状態です。エントリーの本を書かれていたときの社会的文脈を考えれば大変なことだっと思います。

2007年8月7日14時5分 読売新聞
「格差是正のため低所得者層を支援する新たな制度が必要だと提言した。」
http://www.yomiuri.co.jp/atmoney/news/20070807it03.htm

e-takeuchi さまはほんとにいろいろと勉強をされているし、詳しいし、いつも参考にさせてもらっております。先のコメントも小林さんへの応援のつもりで書かれたいたのはほんとに理解できます。でも「思い込み言説」をひとつひとつ検証していくのも大変な作業です。本を読む方のレベルはさまざまです。「あれが足りない」「これが足りない」といわれるのは仕方ないと思っています。でも全部出せば「一度にいったらわからない」とも逆にいわれます。紙は紙幅もあります。順番に説明するって大事なんです。
私も「体感治安悪化」についてを先行してブログに1年間以上、チマチマとのせてきました。最初から「刑務所」と「累犯加害者」の話を載せていたらどうでしょうか?興味がある人は見ますが、ほんとに読んでほしい人は見てくれなかったと思います。

私は、ひとりの人がすべてやらなくていいと思いますし(もちろん今後も仕事されるでしょうし、期待という意味でかかれているんだと思うのですが)それこそ、専門家がきちんと出すべき仕事ではないのかなと思います。

・・というわけで、またコメントお待ちしております!!

11 ■e-takeuchiさま(削除しました)

このコメント欄の一番上のe-takeuchiさまのコメントを削除しました。
その内容:
『小林さんとは、ちょっとした縁があって、発売と同時に購入しました。雨宮さんの本を読んだ後だったので、ちょっと物足りなさを感じたのですが、読むに値する本だと思います。エコノミストの編集部もなかなかエライと思います。何せ、小林さんを契約社員として正社員よりも安く雇用していたのですから、自らを批判するような企画です。・・・・いま熊沢誠先生の『格差社会ニッポンで働くということ』を読んでいるのですが、これもおすすめです。』

上記・・・・・のコメント部分は「小林さんと新人の方の給料の話」をe-takeuchi さまが伝聞でお聞きになったことを書かれていたのですが、それは「事実と異なる」とのこと、e-takeuchi さまから「削除していただけないでしょうか」とメッセージをいただきました。よってこのエントリーのコメント欄の一番上のe-takeuchi さまのコメントを削除いたしました。

10 ■お詫び

最初にコメントしたe-takeuchiです。コメント内容に関して、伝聞で書いたために、誤解を生む表現がありましたので、安原様に訂正をお願いしています。

なお、もの足りないという感想は、就職氷河期世代の不遇についてはさまざまな文献や書籍を通じて知っていたつもりなので、それではどうするのかということについて、もっと記述してほしかったこと、wageless recovery は米国で先行して起こっていることであり、その後を追っている日本では、「息子・娘の悲惨な職場」は、すでに中高年層や、最近の新卒、地方の中小企業にも広がっている問題であるという認識があるからです。もちろん、小林さんの業績は評価されるべきですし(おそらく一般のサラリーマンが読む経済誌で最初にこの問題を取り上げた)、この本が読むに値するものであることは最初に書いたとおりです。
(atz1208)

9 ■後藤和智さま

 おはようございます。レビューあがってましたね。
 ほんとにいい本だと思います。
 朝日の『偽装請負』は最終章だけ「オイオイ台無し?」ってかんじでしたが、まあでも、大マスコミが取り上げれば昨日の選挙のように、ガラッと変わるんだと思います。自民に自殺点(→言葉どおりなのが怖いところですが)が多かったのは事実だけど、失言やスキャンダルだけでは動かなかったと思います。しつこーく戦ってきた長妻さんには年金3倍あげていいと思います(笑) 
若者をかばう候補の言動なども多かったですね。小林さんもですが、後藤さんの地道な功績も大きいと思いますよ。本田さんや内藤さんの本だけだったら、みんな買わなかったと思います。小林さんも小さな決壊点から取材と調査を重ねていって、視点をひろげていってますよね。そういうふうに見えてくる「社会」や「世界」のほうが「正しい」と思います、私は。
 日本はよきにつけ悪しきにつけ、メディアに多様性がないし、日本語通じるので「事実と数字と(事実にみえる数字でもいいけど)言葉」で動くと思います。先進国が軒並保守化しているなか、保守政権が大敗ですからね。現代思想的「レトリック」がなんぼのもんじゃいってかんじじゃない?(現代思想嫌いじゃないけどね)
 教育政策は、民主党のほうがひどいんじゃないって場合もあるので、ラジカル合戦にならないようにしてもらいたいものです。これで義家落ちてたらいうことなかったんですけどね。

8 ■事実による連帯(笑)

 私も先日読みました。そして勢いでbk1に書評を投稿してしまいました。近いうちに掲載されると思います。それにしても本書はかなり気合いが入っていますが、本書にも書いてあるとおり、元々は編集部内での嘲笑にもめげずに独りでがんばってきた末の結果なのですよね。私もこの特集は平成17年頃から愛読してきましたけれども、経済誌の特集ではなく、こうして本としてまとまっているのはまた違った味があります。

 また、こういう本を読んでいると、若年雇用の問題、さらには子供や若年層をめぐる問題に関して、やれ「消費社会化」「等価交換」だのといったレトリックで、結果として日和見を決め込む種々の言説の残酷さが身にしみてわかってきます。同書の直前に、朝日の『偽装請負』も読んでいたので、なおさら…。

7 ■同業者さま

はじめまして、こんにちわ。
そうですね、私も小林さんの本を「物足りない」というふうには読めませんでした。ちゃんと最初にとりあげた人には敬意を表すべきだと思っております(もし自分だったら、あんまりそういうふうには思わないんですが)。さぞかし企画通すのも取材をされるのも大変だったと思いますし。そこは同業者として非常に理解できます。ほんとにちゃんと調べてるし、ディティールがしっかりしていて、取材慣れしている記者なら、「さもないこと」といった部分も落とさず書いてるあたりが、読むものの心を動かすと思いました。「初心ってほんとに大事だな」と思えました。
おふたりとも面識はありませんが、この問題はいろんな人が書けばいいんじゃないかと思います。ひとりでやるよりもいろんな人がやったほうが重層感はあると思います。
雨宮さんの本ではおもにブルーワーカーの実態といったものが印象に残ると思いますが、事務職の正社員と派遣社員の(つくられた)断裂については小林さんのほうが強いと思います。
あと雨宮さんの自己プロデュース力というのも大事なところではないかと思います。目立つ人も必要なのではないかと。彼女といっしょにデモに参加していた方から、デモのために雨宮さんは100本スローガンを考えてきてくれたというところに感動したというメールをいただきました。協力してみたらいいんじゃないでしょうか。

6 ■無題

私も、この本と雨宮処凛さんの本の両方を読みました。両方を比べて小林さんの本は物足りないとコメントされている方がいらっしゃいましたが、私の感想は正反対で、小林さんに比べると雨宮さんの本は底が浅いと感じました。
小林さんは自分の足でたくさんの人を発掘し、生の声を拾い上げていることが読み取れます。それに対して雨宮さんは、労組あたりがセッティングした人の話を聞いて表面をなぞっただけという感じです。それがわからないのって、読解力がないのかな。

5 ■「毛が生えてるから大変」なんですよねー

そうなんですよねー。毛とか臭いとか。
 夜、心配で父親が弟のそばについてた時期あったんですけど、ものすごく心配でも人は居眠りするんだなーとか思いました(笑) ひとには限界というものがはわりとすぐあるって思いました、「毎日寝なければならない」(笑)

4 ■当事者性とか客観性とか

おはようございます。
私も、理解(または認識)してない人には理解してもらうよう働きかけるしかないと頭ではわかっているんですが、一方で自分が当事者ではない情報というのは、私自身もスルーしがちなので、なかなかうまく伝わらないなーというのが実感です。
今は、他人事な人に対して「わかってないよな」と内心イラっとするくらいはまあいいか、伝えたいことは今回のようにとりあえず書いてみるか、みたいに考えてます。「毛が生えてるから大変」とかリアリティを追求して(笑)。
安原さんのお仕事、応援してます。
とりあげていただくのは光栄です。よろしくお願いします。

3 ■貝柱さま

TBとコメントありがとうございます。
もしよければ、せっかく書いていただいたのでこっちのエントリーで記事とりあげさせてもらったいいですか?
(いやだったらいやっていってくださいね!)
私も弟の介護の経験があります。今は回復してますが、頭は3歳程度、力は19歳でしたからねーもう格闘技ってかんじでした。さすがにおむつ交換は見てはいけないだろうーとか思ってたんですけど、それどころじゃない(笑)ある友人がへとへとになってる私を食事に招いてくれたら、実は新興宗教からのお誘いで取り囲まれたこともあったなあ・・・笑) 
 「やった人にしかわからない」っていってしまうのは簡単なのですが、それをやらない人にも何とかわかってもらうのが仕事かなーと思ったりしてる次第です。

2 ■e-takeuchi さま

コメントありがとうございます。
>ちょっと物足りなさを感じたのですが、読むに値する本だと思います。

客観的情報については小林さんのほうがおさえているのと、「若者が甘えてる」という言説が支配的なときに(タイトルとおり)親御さん世代になんとかわかってもらおうと書いているので、あまり興味がなかった人にとっては雨宮さんの本より「スナオ」に読めるかもしれないなと思いました。

>いま熊沢誠先生の『格差社会ニッポンで働くということ』
探してみます!

1 ■またまた一部に反応ですが

こんにちは。
この本、書店に行けたら探して買います。
ネットで買う習慣ないもんで。書店での扱われ方とか、どこの棚にあったかとかも見たいんですよねー。なんとなく。
ヘルパーさんの話は身につまされたというか自分のわずかな介護体験を思い出したので、こちらの記事をトラックバックさせていただいて思い出話を公開しました。

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