仙台一遇 | 帰ってきた神保町日記      ~Return to the Kingdom of Books~

仙台一遇

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 先週末、仙台へ行ってきた。

 この春から向こうの大学に入学し、ひとり暮らしを始めた次男の様子を見に行くということもあったけど、いちばんの目的は“Suchmos”のライブ!

 Suchmosは今いちばんはまっているバンド。1980〜1990年代のAORの香りがする音作りで、その時代に音楽にハマり始めた僕にとっては、ものすごく共感できる。

 それでいて決して古くはなく、歌詞も独特のセンスで印象に残るフレーズが多い。
 その人気は急激に上がってきており、ライブのチケットが全然取れない。我が家は家族総出でチケットの先行販売の抽選に何度も申し込んでいるのだが、かすりもしない。東京マラソンより当てにくいんじゃないかな?
 それでも地方にはまだ余裕があったようで、仙台でのライブのチケットが通常ルートで入手できた。

 ただし今回のライブは「仙台一遇」と名付けられたオムニバスのライブで、Suchmosを含め4組のバンドが登場した。他の3組はSANABAGUN、cero、SPECIAL OTHERS。いずれも未体験のバンド。


 会場となったのは仙台PIT。今年の春にオープンしたばかりで、一般社団法人チームスマイルによって運営されている。この団体は2011年の東日本大震災をきっかけに、エンターテインメントの力で東北を復興させよう、という主旨で設立された。
 仙台の他に東京の豊洲、東北ではいわきと釜石にPITがある。ちなみに“PIT”は“Power Into Tohoku !”の頭文字だそうです。
 こういう団体には共感できるし、継続して応援していきたくなる。

 会場自体はオールスタンディングの作りになっているが、ちゃんとバリアフリー対応している。入り口には段差がなく、バリアフリーのトイレもある。

 でもオールスタンディングだと車椅子ではステージが見えないのでは?と不安だったが、そこもちゃんと考えてくれていた。

 フロアの後方に一段高いスペースがあり、さらにその上に車椅子用の台を設置してくれていた。その上にスタッフの男性が車椅子ごと持ち上げて乗せてくれた。すると、前に立っている観客の頭よりも視線が上になり、ストレスなくステージが見えた。会場の収容人数も1000人強と比較的小さいので、最後方と言ってもステージまでの距離はそんなに遠くなく、アーチストの顔もしっかり見えた。

 

 さて、初めて生で聞くSuchmosはと言うと、ヤンチャでカッコいい!というのが第一印象。ヴォーカルのYONCEは上手いとは思っていたけど、ライブでもその上手さを実感。

 持ち時間は1時間弱で、演奏曲も数曲だけで、まだまだもの足りなさはあったけど、ようやくライブで彼らの演奏が聴けたので満足。
 他の3組もそれぞれ個性的で飽きることはなかった。でも洗練され具合はSuchmosがひとつ抜きん出ている感じ。このバンド、これからまだまだ伸びる。

 今度は単独ライブに行ってみたいけれど、これからますますチケットが取りにくくなるだろうなあ。