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2017年03月30日

スノーデン

テーマ:今日の映画

『スノーデン』

 

 

 スノーデン事件と言えば、ついこの間の出来事のように思えるが、それを早くも映画かしてしまうのが、アメリカのすごいところ。しかも監督はオリバー・ストーン。気にならないわけがない。

 2013年、NSA(米国国家安全保障局)職員だったエドワード・スノーデンが、イギリスのガーディアン紙を通じて暴露したのは、アメリカ政府が秘密裏に構築した国際的な監視プログラムの存在だった。

 世界に衝撃を与えたこの事件。アメリカ政府は彼を国家に対する裏切り者として手配。スノーデンは国を捨て、ロシアへと亡命する。

 元々はスター・ウォーズが好きで、天才的なIT技術者だったスノーデン。国のためにつくしたいという強い思いから、その技術を活かしてCIAに入局。

 しかし仕事を通じて、アメリカ政府が世界中に秘密の監視網を張っていることを知る。それはごく普通の人々のプライバシーまで覗き見ることができるシステムだった。

 さらに彼が開発したプログラムが、彼の意に反して無人攻撃機のプログラムに転用され、テロの抑止を名目に無差別攻撃が行なわれている事実を知る。

 彼が思い描いていたアメリカの正義とは何だったのか?

 高給の待遇や、家族や恋人との幸せな生活を投げ打ち、彼は自分が信じる正義のために人生を賭けた決断をする。

 この事件はニュースや新聞、関連本で詳細は報じられているが、こうして映像で見せられると、あらためて国家によるテクノロジーの濫用の恐ろしさが伝わってくる。

 国民の見えないところで何が行なわれているのか?本来それを調べ、伝えるのはジャーナリズムの役割だと思うが、ジャーナリズムにも限界がある。

 スノーデンは反逆者とされ、先日もトランプ大統領が、スノーデンが帰ってきたら徹底的に懲らしめる、というようなことを言っていた。

 しかし豊かで幸せな生活を投げ打ってまで、告発に踏み切ったスノーデンは、やはり21世紀の英雄なのだと思う。

 テクノロジーが発達し、世の中の価値観が多様化する中で、正義の立ち位置も不安定に移り変わっていく。そんな時代に一石を投じた作品。 

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2017年03月29日

知られざる沖縄の漁業史を掘り起こした傑作 「漂流」

テーマ:今日の1冊
 漂流記が好きだ。新刊はもちろん、古書店でも「漂流」と名のつく本や、これに関する本を見つけたら、とりあえず買ってしまう。おかげで我が家の本棚には「漂流」に関する本だけで棚ふたつ分くらいのコーナーができてしまっている。
 そんなわけでずばり「漂流」というタイトルのこの本は、迷うことなく手にした。
 そしてこの本は、漂流本としての傑作である。

 1994年3月、沖縄のマグロ延縄漁船の船長・本村実と8人のフィリピン人乗組員は、グアムで操業中に遭難。船は沈没し、37日間救命筏で漂流した後、彼らはフィリピン近海で地元の漁船に救助された。
 本村の漂流体験に興味を持った著者の角幡氏は、本村の住む沖縄へ取材に出かける。ところが本村本人は救助されてから8年後、再び漁に出て遭難し、行方不明となっていた。
 いったいこれはどういうことなのか?
 本村の行動を追う過程で、彼の出身地である伊良部島の歴史に行き当たる。そこは、日本の戦後のマグロ漁の歴史を語る上で、避けて通ることの出来ない場所だった。
 そして沖縄の漁師と海との業の深さを感じさせる、知られざるエピソードの宝庫だった。
 著者の角幡氏は、いくつかのノンフィクション賞を受賞している探検家である。彼の地道な取材が、沖縄の離島とそこに暮らす人々の知られざる戦後の漁業史を掘り起こす。
 僕も最初は壮絶な漂流記を期待して読み始めたのだが、話は意外な広がりを見せ、やがては沖縄の人々の死生観にまで広がっていき、読み応えがある。
 漂流本としての傑作と書いたが、知られざる日本の戦後史を教えてくれるノンフィクションの傑作だ。
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2017年03月28日

たかが世界の終わり

テーマ:今日の映画

『たかが世界の終わり』

 

 

 しばらくさぼっていたので、映画のレビューがたまっていました。

 とりあえずグザヴィエ・ドランの新作を紹介。

 自分の死を家族に伝えるために、12年ぶりに帰郷した男。

 彼を待っていたのは母親、兄、幼い頃に別れたために自分のことをほとんど覚えていない妹、そして初対面である兄の嫁。

 物語は男が実家に滞在する数時間の出来事を描いている。

 長い時間の隔たりを埋めるべく、互いに気遣おうとする家族。

 しかし、それぞれの感情がすれ違い、ぎくしゃくとした時間だけが過ぎてゆく。

 特に主人公の男が、ほとんどしゃべらず、いちばんな肝心な自分の死について中々切り出さない。

 いや、実は家族もそれを察して、そのことを話させまいとしているのか?

 そんなもどかしい展開が続く話なのだが、俳優たちの演技と、演出、そして音楽の使い方が巧みで、緊張感が途切れない。

 人の感情の不可解さを独自のセンスで表現し続けてきたドラン監督ならではの作品。

 かなり好みの差が出ると思うけど、僕は好きです。

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2017年03月27日

映画の力

テーマ:今日の映画

 先週の土曜から公開された「世界でいちばん美しい村」。
 その上映の合間に、クラウドファンディングでの出資者を対象にした上映記念パーティーが劇場の地下にあるレストランで開かれました。
 僕もささやかながら協力をさせていただいていたので、声をかけていただき、出席してきました。
 ひとりでの出席だったので、監督の石川さん以外は誰が来るのか分からず、どうなるのかちょっぴり不安でしたが(笑)、そこは石川さんに共鳴した者同士、映画の話題で何人かの方々とお話しができ、楽しい時間を過ごしました。
 ゲストとしていらしていた駐日ネパール大使ともお話しができました。
 面白かったのは、石川さんと知り合ったきっかけが割と最近の方が多かったこと。
 僕の場合は、1997年に出版された石川さんの写真集「海人―THE LAST WHALE HUNTERS」を自身のブログで紹介したところ、偶然それをご覧になった石川さんからメールをいただき、それ以来のお付き合い。
 「海人」は石川さんの代表作にして名作なので、てっきり皆さんこの写真集のことをご存知かと思ったら、意外と知らない方が多かったのでした。
 でもきっかけはどうあれ、ひとりの人の志に共鳴し、それが次々と見知らぬ多くの人々をつなぎ、ひとつの作品を作り上げる。
 インターネットを使ったクラウドファンディングならではの面白さであり、この時代だからこそできる映画作りだと思います。
 僕自身、小学生の頃から映画が大好きで、一時期は映画の仕事につきたいと思っていたこともありました。
 それも現実には難しいと分かり、いち映画ファンとして過ごしてきたわけですが、それが今になって、本当に微力でしかないのですが、こういう形でひとつの作品に関わることができたのは、本当にうれしいことでした。
 また、この映画の話がなければ、ネパールのラプラック村の存在を知ることは、決してなかったでしょう。
 それどころか2015年のネパール大地震も、世界で起きたひとつの出来事として、記憶の片隅に追いやられていたと思います。
 僕がラプラック村に行くことは、自身の身体の状態もあり、おそらくないと思います。
 でもこの世界にラプラックという村があり、そこには懸命に生きる人々がいる、ということが僕の胸の中に刻み込まれたことは、とても大切なことに思えます。
 自分が知らない世界を知る。
 自分が行けない場所に住む人々に思いをはせる。
 それを可能にしてくる映画の力に、あらためて感動しています。

 

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2017年03月26日

世界でいちばん美しい村

テーマ:今日の映画

『世界でいちばん美しい村』

 

 

 2015年4月25日、ネパールを襲った大地震。その震源地にあった人口約4000人のラプラック村は、壊滅状態となりました。
 村に取材のために入った写真家の石川梵さんは、その惨状を目にし、村人を支援することを決意。それを伝えるために映画製作を手弁当で始めました。
 石川さんの行動に共鳴した人々が様々な形で映画製作を後押し、今回の公開へとつながりました。
 写真家ならではの、人々の表情や自然の捕らえかたや、ドローンを駆使した険しい山間部の村の空撮が、とてもすばらしい。
 何よりもこれまで一貫して自然と人間と祈りをテーマに作品を発表し続けてきた石川さんの思いが、この映画を通じてしっかりと伝わってきます。
 東日本大震災を経験した日本とネパール。どちらも復興に向けて道半ばですが、この映画にはまちがいなく未来に向けての希望があり、生きるヒントがあります。
 なぜこの村が「世界でいちばん美しい」なのか?その理由は、観終わった後、必ず分かると思います。
 東京都内での公開は4月7日まで。連日豪華なゲストのトークショーがあり、僕も毎日観に行きたいくらいです。
 今年観るべき1本です。

 

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2017年03月15日

ホドロフスキーからのメッセージ

テーマ:今日の映画

 しばらくぶりの更新です。

 何だか今ひとつ気分が乗らず、なかなかPCに向き合えませんでした。

 仕事の疲れやら、年齢やらもあるのかなあ(笑)。

 でも映画を観たり、本を読んだりとインプットは続けていましたので、そろそろブログを再開します。

 まずは僕の好きな映画監督のひとり、アレハンドロ・ホドロフスキーについて。

 以前にも書いたことがあるかと思いますが、ホドロフスキー監督が新作を製作するにあたり、インターネットのクラウドファンディングで世界中のファンに製作資金を募っていました。

 そのことを知った僕は、迷いなく出資。

 その新作映画がついに完成したとのメッセージがホドロフスキー監督から届きました。

 タイトルはPoesía Sin Fin(英語名:ENDLESS POETRY)”。日本での公開は今年の11月予定。

 監督からのメッセージと一緒に、出資者限定で特別にその新作がインターネット上で公開されました。

 まだ序盤しか観ていませんが、ホドロフスキーならではの映像詩が展開されています。ただし字幕はなく、スペイン語なので、台詞は何を言っているのかは分かりません(笑)。それでも引き込まれてしまう魅力的な映像です。

 僕が今回出資した理由のひとつが、エンドクレジットに名前が載るというところ。大好きな映画監督の作品に自分の名前が残るなんて、映画ファンにとってこれ以上の喜びはありません。

 どんな風に載っているのか気になったので、とりあえずエンドクレジットだけ先に見てみました。すると、さすが世界中に熱狂的なファンを持つ映画監督だけあり、すごい数の出資者。PCの小さな画面ということもあり、残念ながら自分の名前をみつけることはできませんでした。

 でも、そのクレジットの見せ方が、いかにもホドロフスキーらしいセンスのある映像になっています。この中に自分の名前があるのかと思うと、うれしくなります。

 限定映像なのでここでお見せすることはできませんが、すごくいいです。

 「この世界の片隅に」のエンドクレジットでも、クラウドファンディングの出資者の名前が延々と流れるところには感動しましたが、それに負けない出来栄えだと思います。

 11月の公開を楽しみにしてください。

 

 

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2017年01月30日

沈黙 ーサイレンスー

テーマ:今日の映画
 
3時間近い上映時間にも関わらず、スクリーンから静かに、そしてずしりと投げかけられる「信仰とは?」「信念とは?」という問いかけに目をそらすことができなかった。
今まさに命を奪われようとしている人たちを前にして、形だけでも信仰を捨てた、という態度を見せればその人たちを救えるのに、でもそれができない。いったい命に替えても守らなければならない信仰とは何なのか?それが救いと言えるのか?
信仰心の薄い僕には、理解し難いところではあるけれど、でもそんな信仰が人間の歴史を作り、戦争や紛争の火種にもなっている。
とにかく考えることが多くて、うまくまとめることが出来ないが、一見の価値のある力作。
でも内容はつらいよ、ほんと。

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2017年01月29日

2016年 本のベスト10

テーマ:今日の1冊
 遅まきながら2016年に読んだ本のベスト10を発表します。
 しかしながら、ここ数年は本を読む冊数が年間50冊に満たず、ベスト10を選ぶのもおこがましい気がします。いちばん読んでいた頃は年間120冊以上読んでいたのになあ。
 今年は年間100冊は読み込むようにがんばっています!
 ちなみに今月は10冊いけそうです(笑)

「すべての見えない光」アンソニー・ドーア 新潮社
「日本人はどこから来たのか?」海部陽介 文藝春秋
「無戸籍の日本人」井戸まさえ 集英社
「震災編集者」土方正志 河出書房新社
「大統領の冒険」キャンディス・ミラード A&F
「戦場のコックたち」深緑野分 東京創元社
「外道クライマー」宮城公博 集英社インターナショナル
「戦地の図書館 海を越えた一億四千万冊」モリー・グプティル・マニング  東京創元社
「コンビニ人間」村田沙耶香 文藝春秋
「障害者のリアル×東大生のリアル」 「障害者のリアルに迫る」東大ゼミ/野澤 和弘 ぶどう社
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2017年01月28日

マグニフィセントセブン

テーマ:今日の映画

 僕の大好きな西部劇の傑作「荒野の七人」のリメイク。
 数年前からリメイクの情報は知っていて、期待と不安が半々で公開を待っていた。
 結論から言うと、オリジナルを超えてはいない。でもアクション映画としては水準以上で、オリジナル版への思い入れがなければ、存分に楽しめる。
 しかし、実に興味深い内容だった。
 なぜ今の時代に西部劇、しかも偉大な作品のリメイクなのか?
 それは7人のキャラクター設定に明確に現われている。
 オリジナル版は、度重なる盗賊の略奪に苦しむメキシコの貧しい村の農民たちが、アメリカ人のガンマンを雇い盗賊たちと戦う、という物語だった。7人はほとんどが白人のアメリカ人で、そこには強いアメリカが正義を遂行する、という図式があった。
 ではこのリメイク版はどうか。7人のリーダーである黒人を筆頭に、アイルランド人、メキシコ人、東洋人、ネイティブアメリカンと様々な人種で構成されている。
 そして彼らが立ち向かう敵は盗賊ではなく、金鉱の採掘権を金の力で奪い取る強欲な資本家だ。
 つまり資本家VSマイノリティー、貧困層という図式となっている。
 これはそのまま現代アメリカ社会の縮図とも言える。
 奇しくも今年、アメリカ合衆国大統領はオバマからトランプへと変わった。
 そうするとこれはオバマVSトランプという見方もできなくはない。
 アメリカでこの映画が公開されたのは昨年だが、こうなることを予見していたかのようで実に興味深い。
 ちなみにラストでは、オリジナル版と同じ人数が生き残る。生き残るキャラクターたちがこれまた示唆に富んでいて実に面白い。
 それから特筆すべきは音楽。2人の作曲家がクレジットされており、そのひとりはジェームズ・ホーナー。「タイタニック」でアカデミー賞を受賞した巨匠だが、2015年に飛行機事故で亡くなっている。彼の遺作がこの作品となった。
 オリジナル版の音楽はエルマー・バーンスタインが作曲し、そのテーマ曲は誰もが知っている映画音楽の名曲だ。
 そのオリジナル版へのリスペクトにあふれた、堂々たるオーケストラとなっている。
そして、エンディングではエルマー・バーンスタインへの敬意が表され、オリジナル版の大ファンとしては、ここで胸が熱くなってしまった。
 
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2017年01月09日

2016年 外国映画のベスト20

テーマ:今日の映画

 続いて外国映画のベスト20です。

 

1:「帰ってきたヒトラー」

2:「シング・ストリート 未来へのうた」

3:「すれ違いのダイアリーズ」

4:「スポットライト 世紀のスクープ」

5:「レヴェナント 蘇えりし者」

6:「サウルの息子」

7:「シークレット・オブ・モンスター」

8:「最愛の子」

9:「ルーム」

10:「ローグ・ワン」

11:「ディーパンの闘い」

12:「ストレイト・アウタ・コンプトン」

13:「オデッセイ」

14:「ブリッジ・オブ・スパイ」

15:「ザ・ウォーク」

16:「消えた声が、その名を呼ぶ」

17:「マジカル・ガール」

18:「禁じられた歌声」

19:「ニュースの真相」

20:「アスファルト」

 

 昨年はもちろん、今年も「ポピュリズム」「反知性主義」といった言葉が時代を反映するキーワードになると思います。

 そんな時代の空気を反映したかのような作品の秀作が目立つ年でした。「帰ってきたヒトラー」「シークレット・オブ・モンスター」」はそんな作品です。

 音楽映画を作らせたらハズレのないジョン・カーニー監督。「シング・ストリート」は一緒に歌いたくなる最高の1本。

 日本では「君の名は。」がひねりの効いたボーイ・ミーツ・ガールの傑作でしたが、「すれ違いのダイアリーズ」も負けず劣らずの作品です。もっとたくさんの人に観てもらいたい映画です。

 

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