必読記事が続くあせる

平成22年5月22日発行『月刊日本』6月号の亀井静香の記事を、阿修羅掲示板で見つけた。

阿修羅は素晴らしい掲示板なのだが、参議院選前から、小沢氏の意向とは裏腹に民主支持者を分断し、政界再編を煽るようなコメントが氾濫している。

その様な中、冷静に情報を投稿されている方々もいる。

この記事は、亀井氏がまだ閣僚だった時のものを書き起こしたものだが、
自主独立の舞台裏を鋭くえぐった、今だから読むべき胸のすくような正論だ。

日本の事情に拘わらず、アメリカから、
中国へと、アジアの覇権が引き継がれる時が必ず来る。

それに備え、自主防衛は必須と考える。

長文になるが、参院選挙戦の今、是非最後まで目を通して頂きたい。

二分割の記事となるが、携帯読者の方でメモリーオーバーになる方は御連絡下さい。
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≫自主防衛路線で対米自立を!≪


★アメリカの走狗になり下った外務省

=四月三十日に郵政改革法案が閣議決定された=


亀井 

小泉改革の弱肉強食、市場原理主義に基づいた政策を大胆に変更するのが、鳩山政権の基本方針だ。

小泉純一郎元首相が完膚なきまで破壊しつくしてしまった日本を再建するということだ。
 
私の担当分野では、第一弾がいわゆるモラトリアム法案(中小企業者等に対する金融の円滑化を図るための臨時措置に関する法律案)、第二弾が、金融商品の例の法案(金融商品取引法等の一部を改正する法律案)だ。

そして、郵政改革法案は第三弾だ。

ゆうちょ銀行の預け入れ限度額を現行の千万円から二千万円、かんぽ生命の加入限度額を千三百万円から二千五百万円に引き上げる。

「民業圧迫になる」という批判があるが、ゆうちょ銀行とかんぽ生命が行う金融業務については、有識者によって構成される第三者委員会を設け、その内容をチェックし、政府に意見具申を行うことにするなど、極めて丁寧な手続きで進めようとしている。

ところが、郵政改革法案を覆そうという猛烈なプレッシャーがかかった。

アメリカ政府の意向を受けてアメリカ大使館が批判してくるのは、自国の利益を守るためということで理解できる。

ガン保険をはじめとするアメリカの利益を守りたいからだ。

ところが、日本の外務省がアメリカに追従して「このままでは民業圧迫になり、大変なことになる」などと言う。

外務省の条約局長や経済局長が、我々に圧力をかけてきた。

それは閣議決定の日まで続けられた。

今回の外務省の行動によって、彼らがアメリカ国務省の分局、アメリカの走狗であることがはっきりした。

「正体見たり」だ。

あの大人しい大塚耕平副大臣でさえ怒ったほどだ。 

「民業圧迫だ」などと批判するが、まず「民」自身がしっかりしなければいけない。

そんな批判をしていては「民」そのものが弱くなってしまう。

「商売相手が強くなるから困る」と言って、「商売相手の競争力を弱くしてくれ」などと言っていたら、日本の産業全体が弱くなってしまう。

みんなが強くなることを考えていかなければいけない。

まず、民間の金融機関は、預かった預金を地域経済、日本経済全体のために正しく運用しているかどうか、自ら反省すべきだ。


★日米対等をスローガンとして出発した

鳩山政権の外交をどう見ているか=

亀井 

日米対等という鳩山首相の出発点は正しかった。

重要な点は、「日米関係のあるべき姿」という観点から、大局的な対米交渉をすることである。

私は、鳩山総理にも「普天間の移設問題は、事務レベルの純技術的、純軍事的な議論に陥ってはいけない」と言っている。

基地問題はこれからの日米関係の在り方という枠組みの中で考える必要があるのだ。

海兵隊の運用上、都合が良いか悪いかといった次元だけで協議をやったって、それは日米協議の本質とは言えない。

それは、日本の防衛省とペンタゴン(米国防総省)の協議に過ぎない。

日米協議というのは、もっと高度なものでないといけない。


=対米自立は神の声だ!=

亀井 

以前に私は「対米自立は神の声だ」と言った。

新政権は対米自立に踏み出したのだ。

私は鳩山政権発足前の昨年五月に訪米し、「日本は自立する」と宣言してきた。

国家安全保障会議(NSC)のセイモア調整官やNSCアジア上級部長のジェフリー・ベーダー氏ら米政府高官に会って、「従来のようにアメリカが勝手に方針を決定して、日本はそれに協力しなさい、と言われても新政権下ではそうはいかない」「在日米軍を使って新政権を倒すことなどできない。亀井静香をCIAが暗殺しない限り新政権の動きを阻止することなどできない」と言ってきた。

オバマ政権は、日本の変化をちゃんとわかっている。

ところが、「とにかくアメリカの言う事を聞くべきだ」という対米追従派は、未だに自立意識を持たずに、鳩山政権を批判するばかりだ。

「アメリカの気に入るようにしなければ日米関係がおかしくなる」などと言っている。

彼らは昨年には、十二月までに普天間問題を決着しないと日米関係が破局すると主張していた。

それから五カ月経ったが、日米間係は破局を迎えたのか。

そんなことはない。

「アメリカの意向に従わないと酷い日に遭う」と言ってきた政治家もいる。

日本がアメリカの意向に沿わないからといって、彼らが日本を制裁することなどできないはずだ。


=外務省や一部有識者だけではなく、政治家までもアメリカ追従になってしまっている=

亀井 

アメリカ従属の考え方が政治家に染みついてしまっている。

戦後六十五年経ってもなお、日本は自立していない。

まるで占領下にあるような有様だ。

いまこそ、日本は対米自立の意思を固めなければいけない。
 
特に、岸信介首相の時代から、日本の対米従属が顕著になった。

岸首相は安保改定をしたから偉いと言われるが、彼はアメリカから資金をもらい、対米追従路線を強めていった。 

アメリカの言いなりになることは、在るべき保守の立場ではない。

保守とは長い歴史の中で培われた日本人の生活の仕方、文化を守ることだ。

そして、日本は主体的に独自の立場で内政、外交の在り方を考えなければいけない。


=米軍依存から脱し自主防衛に舵を切れ=

亀井 

アメリカは、好き勝手に日本に基地を持つことはできないのだ。

我々の国土に人が住み、そこで生活している。

地域住民の合意を踏まえて、我々はアメリカに対して基地を提供している。

アメリカの希望を一〇〇%満足するような形で基地が提供できるわけはない。

沖縄の基地も、そういう観点からアメリカと折り合えば良い話だ。
 
そもそも、普天間の移設は安全と騒音の問題だ。

この間題を解決する一つの手段として、基地移転という問題がある。

だから本来、アメリカも自分達の努力で騒音と安全の問題を解決するという義務が当然ある。

また、日本側にも義務がある。

そういう前提に立って、沖縄県民の負担を軽減していくという中で解決すべきだ。


=鳩山総理は今頃になって、勉強を重ねた結果、海兵隊の抑止力を再認識したと語った=

亀井 

抑止力についても、もっと大局的に考えるべきだ。

我々は、海兵隊の抑止力に頼るだけではなくて、まず自らの防衛力充実によって抑止力を強化しなければいけない。

仮に他国が攻めてきたら、日本自身の力で撃退するという自主防衛の考え方を基本にすべきだ。

「攻めてこられた場合には海兵隊に頼る」などと言っている人に、「抑止力」を語る資格などない。


=国民新党は真の本格保守政党の役割を担うという姿勢で、防衛予算の増額を念頭に、「先進国として国際水準に合致した防衛力整備を行う」と明言している=

亀井 

わが国が、専守防衛の立場に立って、日本の防衛体制をきちんと整備することが大切だ。

自分の国を守るという魂のなくなった国が他国から攻められないはずがないのだ。

他国の抑止力を借りてきたところで、抑止力にはならない。

まず、自衛隊の抑止力を強化すべきだ。

わが国は軍事大国になる必要もないし、核武装する必要もないが、軍事技術を発展させることを躊躇してはいけない。

同時に、技術力、経済力を含め、わが国が持つ力をフルに活用して、自ら安全保障体制を強化する必要がある。


次項に続く・・・・