8月もそろそろ、終わりに近づこうとしています。
子供達の夏休みも終わり、相模原市役所も2学期に向けて、放射能対策において色々と準備を始めています。
9月11日は、震災から半年を迎えますが、相模原市とその近郊の、放射能の汚染状況が何となく掴めて参りましたので、当会が考察したものを、ここにご報告いたします。

以下 長文になりますが、ご一読頂ければと思います。(長すぎて嫌になるかもしれません)

この報告は、相模原市役所、環境保全課、危機管理室、学校保健課、保育課にも提出してあります。



相模原市の放射能汚染の現状と考察

まず土壌中の放射能物質を、個人や民間で計測した方々の数値と調査地を記します。

南区相南2丁目             セシウム1300ベクレル/kg 採取日不明
下溝2000番台 相模原浄水場横の農道 セシウム962ベクレル/kg 5月26日 採取
南区 鵜の森 場所不明 公園       セシウム381ベクレル/kg 6月15日 採取
中央区田名     農耕地       セシウム736ベクレル/kg 7月上旬 採取?
緑区 西橋本     庭         セシウム 64ベクレル/kg 6月12日 採取
緑区長竹    ヨウ素31ベクレル/kg  セシウム 61ベクレル/kg 5月22日 採取
緑区牧野                セシウム248ベクレル/kg  採取日6月上旬
座間栗原6丁目6の公園         セシウム101ベクレル/kg 6月26日 採取
栗原の畑   ヨウ素20ベクレル/kg  セシウム131ベクレル/kg 5月13日 採取
座間 ざかい橋 田んぼ          ヨウ素、セシウム不検出  6月26日 採取
町田                  セシウム313ベクレル/kg  採取日不明 
川崎市麻生区上麻生  庭        セシウム 38ベクレル/kg 6月17日 採取
川崎市多摩区長沢   庭        セシウム431ベクレル/kg 6月16日 採取
横浜市鶴ヶ峰本町   庭        ヨウ素、セシウム不検出   6月12日 採取
秦野市鶴巻      庭        ヨウ素、セシウム不検出   6月12日 採取
秦野市曽谷      庭        ヨウ素、セシウム不検出   6月10日 採取
逗子市新宿      庭        ヨウ素、セシウム不検出    7月3日 採取
横須賀市港が丘    庭        セシウム2236ベクレル/kg  6月1日 採取
          
  
 上記は現在ブログなどで公表されている数値です。
放射性物質が検出された場所と、検出されていない場所があります。それと栗原の公園と、栗原の畑は距離にして500mほどしか離れていないそうで、数値も大幅に違います。

また、南区相南と相模原浄水場の農道の数値が他地域よりも異常に高いのが気になります。
秦野市はセシウムの堆積が無く、鶴ヶ峰もありません。横須賀市が異常に数値が高いです。
以上の18ケ所の放射能の数値のバラつき具合から考えると、一定の量のセシウムが降下したのではなく、不均一に堆積してる場所、全く堆積していない場所もあります。

また、相模原市が行った土壌中の放射能濃度の検査結果では、市内29ヶ所の土壌中放射能濃度は、29.9ベクレル/kg~266ベクレル/kgが検出されており、全ての地点においてセシウムは検出されていますが、「電離放射線障害防止規則第28条」にある、1平方cmあたり4ベクレル以上は除染対象になりますが、全ての地点において除染レベル以下の数値が検出されています。(市の検査結果の詳細は相模原市HPでご覧下さい)



相模原市が実施した市内、29区画の放射線量の調査結果を見ますと、高い数値が見られた場所は以下。

若葉台カタクリ公園 0.15マイクロシーベルト/時 7月13日 調査 計測地表より5cm
堀之内わんぱく公園 0.14マイクロシーベルト/時 7月14日 調査 計測地表より5cm
向原南公園     0.14マイクロシーベルト/時 7月13日 調査 計測地表より5cm  
長竹白山公園    0.13マイクロシーベルト/時  7月13日 調査 計測地表より5cm
ユートピア公園   0.11マイクロシーベルト/時 7月13日 調査 計測地表より5cm
鳥居原ふれあい公園 0.11マイクロシーベルト/時 7月13日 調査  計測地表より5cm
鳥居出張所     0.12マイクロシーベルト/時 7月13日 調査 計測地表より5CM


緑区の田名の中段~城山までの小高い場所の線量が高いようです。相模原段丘の下段、上段は0.12マイクロシーベルト/時くらいの数値です。(上溝、番田も線量は高い傾向があります)
詳細は「相模原市のHPに29区画の検査数値が載っています」 ※藤野も数値が高い場所有り


相模原市の土壌中の放射能濃度の調査結果が出ました。調査日は7/29~8/2。
上記の6ヶ所の数値は、


若葉台カタクリ公園 セシウム 87.8ベクレル/kg
堀之内わんぱく公園 セシウム 40.2ベクレル/kg
向原南公園     セシウム 38.5ベクレル/kg
長竹白山公園    セシウム160.7ベクレル/kg
ユートピア公園   セシウム254.7ベクレル/kg
鳥居原ふれあい公園 セシウム266.0ベクレル/kg
鳥居出張所     セシウム186.7ベクレル/kg


上記から見ると、放射線量の数値と、セシウムのベクレル量が比例していません。
相模原市の様な低線量を計測している地域では、一概に放射線量が高いからといって、土中のセシウム量が高いという事ではないようです。

これには訳がありまして、そもそも昔から土壌中にあったカリウム40という同位体が、相模原市は116ベクレル/kg~680ベクレル/kgまで土の中に含まれています。(環境保全課情報提供)



若葉台カタクリ公園のカリウムは、685ベクレル/kg
堀之内わんぱく公園のカリウムは、435ベクレル/kg
向原南公園のカリウムは、 529ベクレル/kg
長竹白山公園のカリウムは、270ベクレル/kg



と、なっておりまして、比較的高い放射線量を計測しているところは、セシウムの濃度は低く、カリウムの濃度が高い傾向があるのが分かります。

福島第一原発事故前からカリウム40はその場所に存在して、比較的高い線量を大昔から放っていたと考えられまして、市内の0.13マイクロシーベルト/時 以上の線量を計測している場所は、セシウムの影響よりもカリウム40から放出されるガンマ線の影響の方が強いものと考察されます。

多摩川以西の地域で、線量の値が0.13マイクロシーベルト/時以上を計測している場所があるならば、カリウム40の含有をまず疑ってみて下さい。
相模原市においてセシウムの堆積は、それほどまで多いとは考えられませんで、線量の数値はセシウムとカリウム40の両方合わさったガンマ線が影響している事は確かです。

川崎のプール横では、0.90マイクロシーベルトを計測した汚泥と落ち葉から、2万4千ベクレルのセシウムが検出されているので、高線量とセシウムの相関関係は確実に認められます。

それと、相模原市の全てでセシウムが堆積しているかと言えば、違うかもしれません。相模川の、ざかい橋の田んぼでは、セシウムは検出されていないので、地域によって堆積している場所、堆積していない場所の2つに分けられる可能性があります。




相模原市と近郊のセシウム堆積量について

相模原市と近郊付近のセシウムの堆積量の違いですが、座間市、海老名市、綾瀬市と海側に近い地域は放射線量も低い数値が出ており、セシウムの堆積は少ない可能性もあります。

逆に、相模原市南区相模大野、鵜の森、麻溝台付近はセシウムの堆積が多く、中央区、橋本付近は少ない傾向、緑区田名がセシウムの堆積が多い傾向です。緑区佐野川付近のセシウム堆積量は多くありませんが、茶葉からは500ベクレル/kgを超えたセシウムが検出されています。

愛川町の山側、厚木市飯山付近の土壌中の放射能濃度の調査結果はありませんが、放射線量が多いので、堆積量が多い可能性もありますが、相模原市や近郊地域の様な低線量地域では放射線量とセシウム量の関係が現在 判明出来ていないので何とも言えない状況です。

この相模原市に堆積したセシウムは、3月21日未明に福島第一原発からの放射能プルーム(放射能雲)に乗って、雨として地上に降り注いだ物で、未明に水戸市、筑波、柏、都内上空を経て、八王子方面に伸びて、山沿いに西部へ移動したものであることが大学等の調査で分かっています。




放射線の線量数値のばらつきについて

1.5m四方の枠を作り、その中の何カ所かで計測すると、数値のバラツキが出てくることが分かっています。1ケ所数値を得たからと言って、汚染数値の傾向は掴めるものではないようで、50cmの距離が違うだけでも、線量の数値は変わってくる事が分かってきました。

東林間の通称3角公園にて、セシウムが堆積している土を除くと、線量がどれほど低くなるのかの除染実験を行いました。(2011年7月31日に実施 小雨)
シンチレーションカウンター CLEARPULSE A-2700 ガイガーカウンター TERRA MKS-05を使用。

まず、土を除かない状態ではシンチレーション式で0.09マイクロシーベルト/時
ガイガー式で0.15マイクロシーベルト/時が計測されました。

次にその土を6cm掘って計測してみると

シンチレーション式で、0.045マイクロシーベルト/時
ガイガー式で0.08マイクロシーベルト/時が計測され、次にこの状態から、空間の放射線を防ぐ為に、鉄の鍋を線量計に被せて5分分程時間を経過させて計測してみましたら、以下の数値になりました。
シンチレーション式で0 .036マイクロシーベルト/時
ガイガー式で0.07マイクロシーベルト/時

おそらく、最終的に計測された数値が、3月11日以前か、80年代までに行われた大気圏での核実験前の土壌の放射線量であると考察されます。

0.036マイクロシーベルト/時の数値を安全として良しとするか、土を取り除く前の0.09マイクロシーベルト/時を安全とするか、行政の判断を仰ぐしかありません。

またシンチレーション式の計測器で0.036マイクロシーベルト/時が計測されていますが、同時にガイガー式の線量計で得られた0.07マイクロシーベルトの数値もどう解釈するかも問題として残ります。
また、市販の携帯型ガイガー式線量計は、核戦争や原子力災害時の高線量計測の測器であり、低線量計測では放射線のゆらぎや、数値の誤差もあり、正確な線量調査には向いていないような気もします。

ガンマ線の他に、セシウムからはベーター線も出ており、このベーター線は放射する物体から、1mも飛ばないと言われていますが、実際にはベター線の身体に及ぼす影響も気になるところです。




雨に含まれている放射性物質と、空気中に含まれている放射性物質について


雨の日と、晴の日に、同じ場所にてシンチレーション式カンターで放射線を計測しても、大きな数値の変化が観測されませんでした。(7月31日 調査において)

また、各都市に設置されたモニタリングポストにおいても、現時点では線量の変化があまり見られないので、福島第一原発事故から1日に放出されている240億ベクレルの放射性物質(放射線量1シーベルト セシウム0.2グラム)は、相模原市には飛散していないものと考えられます。(0.04マイクロシーベルト/時~0.07マイクロシーベルト/時の範囲内で増減)

(千葉、茨城のモニタリングポストの日々の数値の増減は多く見られるので、空気中に確実に漏洩しているのは確かですが、千葉県から西の数値に、変化があまり見られません。この数値の増減の理由を調査しなければなりません)

また雨天時の線量の増減もないので、雨の中にはセシウムの混入は現時点では無いものと考えられますが、2011年8月19日(金)の雨では、午前10時頃より関東地方の各地と神奈川県のモニタリングポストの放射線量を示す数値が上昇し、一時0.1マイクロシーベルト/時を計測し、同日 22時には放射線量は下がりました。
この日、各地のモニタリングポストの数値が上昇した事は計測で確認されていますが、各地の放射性物質定時降下量の計測値は不検出でしたので、この放射線数値の上昇は大気中を漂うラジウムが降下してきた可能性があります。

現状では、相模原市内においての空気中のセシウムの飛散は無いものと考えられますが、福島第一原発が再度爆発する危険性は排除できないので、北茨城、日立、水戸、つくば、千葉、新宿、茅ヶ崎の各都市のモニタリングポストの数値と、定時降下物の計測数値は注視しておいたほうがいいものと考えます。
モニタリングポストは、セシウムが生活圏に飛散してきているかどうかを、事前に知らせるための役目を負っています。

また、相模原市役所危機管理室では、再度福島第一原発、もしくは他の原子力災害時事故等で関東地方もしくは、相模原市に放射性物質の降下がありそうな時は、ヒバリ放送にて、注意.警報を流すとの事です。




相模原市内にて常時線量が高い場所は

雨水マス、あまどい、レンガ、芝生、アスファルト、コケむした石 植え込み、落ち葉等

雨水マスは 0.25マイクロシーベルト/時 程、高い所で0.68マイクロシーベルト/時
神奈川県綾瀬市の雨樋では、毎時1.6マイクロシーベルトを計測した所もあります。
植え込みの落ち葉の上では、毎時0.2マイクロシーベルトを計測した所もあります。
アスファルトの放射線量は南区東林間で平均 0.1マイクロシーベルト/時(シンチレーションカウンターにて地面の直置き)

芝生は0.07マイクロシーベルト/時、20cm隣の土は、0.45マイクロシーベルト/時と調査では計測されているので、僅かな距離でも線量は変化する事が確認されています。
また芝生の根に近い湿った部分にセシウムの吸着があるのではないかと考えられます。




アスファルトのセシウムを除染出来るかどうかの、除染実験を行ってみました。

0.1マイクロシーベルト/時を計測したアスファルトを、デッキブラシを使用して水を使って除染を試みましたが、放射線量は低下しませんでした。
セシウムの大きさは、0.0006ミクロンで、ブラシでは到底こすり落とすことは出来ませんでした。福島での除染実験では、アスファルト全体にパックのような吸着物を塗って、セシウムを吸着させ除染実験を行っているそうです。
高圧洗浄も効果があるようですが、セシウムを側溝に洗い流してしまい、結果的に側溝内に汚泥を貯めてしまう事になり、この除染方法には賛否両論があります。



土の除染費用について

取出市「稲保育園」の土壌除去を業者が行う形での試算では、1平方メートルあたり1800円と除去費用の試算が出ています。園庭600平方メートルの除去費用は、108万円です。
相模原市内の残土処理場に土を持っていく時にかかる費用ですが、10kg 約100円で、土嚢1袋 約200円になり、土を車に積んで処分場に持っていけば捨てられます。
1.5m四方の面積から出る土の重量は、大体80kg~100kgあると思われますので、
24m×24mの園底では4トンほどの土が出ますから、処分費用は約4万円くらいです。
茨城県などでは、園独自で行政の手を借りないで除染作業を行っている保育園もあるので、土の捨て場も問題ありませんので、園独自の除染活動は可能です。
郡山の小学校では100m四方の面積の校庭で、土の除去 処分、整地におよそで270万円の試算が出ています。



関東地方の自然放射線量

関東地方の自然放射線量は、0.044~0.079マイクロシーベルト/時と言われています。
神奈川県の自然放射線量は、0036マイクロシーベルト/時。
現時点で表土を6cm掘ると、0.036マイクロシーベルト/時の放射線量をシンチレーション式の線量計にて計測することが出来ます。

相模原市の自然放射線の放出源の1つである、カリウム40は市の調査で116ベクレル/kg~685ベクレル/kgが土の中に含まれている事が確認されています。
相模原市の放射線計測器で計測されている放射線であるガンマ線の半分は、このカリウム40からの放出の可能性があり、緑区の一部、相模大野、相模原段丘の中段の下溝付近から城山付近までは土中のカリウムが多い傾向があります。



次に実際施設の職員が土の除染、汚泥を処理した実例を記します。


相模原市立 向陽小学校

 父兄が小学校の雨水マスを線量計で計測し、0.72マイクロシーベルト/時を観測。父兄の指摘を受けて、向陽小学校では、この雨水マス近辺を閉鎖にして、中に溜まっている土を除去したそうです。
この小学校ではプール掃除を生徒ではなく、職員が行い、全校生徒の父兄に対して 放射能関連の学校の取り組みをプリントで配布しています。
なお、相模原市学校保健課はこの取り組みについて、報告を受けていないそうです。



小山地区 こばと児童館

 父兄が児童館の園庭のぶらんこ付近を線量計で計測し、0.15マイクロシーベルト/時を観測。
この数値を施設側が重く判断して、相模原市 子供施設課が「ぶらんこ」に乗る足がすれて、凹んで水がたまる土の部分を除去して、新たに土の入れ替えを行い、水が溜まらないようにマットを敷いた処置を施しています。
 この除去について、学校保健課、環境保全課などの子供施設課以外の担当部署は報告を受けていないようで、各課の情報共有の連携はあまり取れていないようです。
 

上溝中学校
 毎年この中学校では、お茶の栽培を行い、小規模ながら市場に出荷しておりましたが、足柄や愛川町、相模原の茶からセシウムが検出されたので、規制値内ではありながらも出荷を自粛する判断をとりました。



保育園 幼稚園の園底の放射線量について(相模原市ホームページより)

幼稚園53園中 毎時0.13マイクロシーベルトを計測している園は、大島幼稚園、田名幼稚園、鳩川幼稚園、相模女子大幼稚園の4園。
また相武台幼稚園は毎時0.14マイクロシーベルト、太陽の子幼稚園は毎時0.15マイクロシーベルトを計測。

毎時0.13マイクロシーベルトを計測している保育園は、鳥屋保育園、星の子第二保育園
横山台保育園、せんだん保育園 たけの子保育園の6園
毎時0.14マイクロシーベルトを計測している園は、串川保育園、ふじ第二保育園、南大野保育園の3園。
毎時0.17マイクロシーベルトを計測している園は、エンゼル保育園の1園
毎時0.18マイクロシーベルトを計測している園は、友愛保育園の1園

乳児に関しての放射線の被爆量は、大人よりも放射線を受ける感度が40%ほど高いと言われており、0.15マイクロシーベルト/時の放射線は、乳児に当てはめると、0.21マイクロシーベルト/時になり、文部科学省が指針としている屋外8時間の線量目安の0.19マイクロシーベルト/時を超えることになります。

幼稚園53園の地上5cmで計測した放射線量の平均値は、毎時0.108マイクロシーベルト
保育園77園の地上5cmで計測した放射線量の平均値は、毎時0.10マイクロシーベルト
文部科学省が指針としている暫定基準値の屋外活動0.19マイクロシーベルト/時は、保育園、幼稚園にいる乳幼児には放射線の感度や、しきい値も考慮して上記の平均数値以上の毎時0.11以上を計測した園は、放射線計測の継続、土壌のセシウム堆積量とカリウム40の堆積量の調査を行うことが望ましいと思います。




その他 幼稚園 保育園の対応等

東林間付近にある幼稚園では、市に対して土壌調査を要望する署名活動に賛同して、170名の署名を集めています。
市内の体育幼稚園では、相模原市に対して放射能対策の要望の手紙を記している園もあります。
緑区 のびるっ子保育園では、父兄が自主的に園庭の土壌中の放射能濃度を検査して、園庭の除染を行っています。
町田市桜美林幼稚園では、園が率先して放射線量を計測しており、園児の水筒持参も許可しているそう
です。
相模原市緑区の幼稚園で園庭の除染作業を行った様です。また、中央区の保育園の園庭も土の除去を行ったとの情報が入っており、相模原市内において園庭の除染を行った園は3園です。


※残念な対応
上溝小学校では、プール掃除を生徒が行っていた事が分かりました。
向陽小学校と上溝小学校の、対応の仕方が全く異なることは、残念でなりません。各学校の校長先生の考え方次第で対応は大きく変わってきてます。
市教育委員会の各学校に対して、一律した指導を求めたいものですし、こういった公立の施設が対策をとっている事を公表して、市民の放射能への感心を高める努力を行って欲しいものです。




学校給食について(担当課 学校保健課 保育課)

 小中学校のお弁当持参については、各学校の校長先生に要望を伝えればOKとの事です。
当日の食材の産地については、各学校の給食担当の栄養士に問い合わせを行えば、教えてくれます。

 保育園の給食ですが、お弁当の持参は許可されています。
お弁当を持参される父兄は、各保育園に希望を出せばいいそうです。またその際の給食費の減免は無いとのこと。
 食材の産地を原発事故の影響を受けていない、九州などに変更する予定は現時点では考えていないとの事。

 また、給食に使われる食材の放射能検査の実施に向けて、学校保険課が夏休み期間中に準備に入り、9月2日分の給食より野菜関係の検査を開始しました。
これに際して、公立の保育園に関しても食材(野菜)の検査を、学校給食と一緒に行う方向性で現在 保育課の方でも検査実施に入っております。

保育園では火曜日の給食分の検査を、月曜日実施して、小中学校では金曜日給食分の検査を、木曜日に行っており、保育園は月曜日のみ検査、学校関係は木曜日のみ検査の、1週間に1度の検査実施となっています。

これは、大体 保育園も学校関係も、野菜の産地と市場がほぼ同じ所のものを使用しているので、月曜日の保育関係で「ピーマン」を検査、木曜日の学校関係で「キャベツ」を検査という形で、1ケ月で約10品目を検査して、野菜の安全を確認していく作戦です。

また、検査は東日本産や福島産を優先的に行うというよりも、子供達が良く口に入れるもの、良く食すものを優先的に検査していく方法をとっていますので、北海道産のニンジン等も食材での使用率が多いので優先的に検査を行っています。

(北海道のニンジンなんか検査しないで、福島のキュウリを検査しろ!と市に苦情の連絡が入ったそうですが、学校保健課の検査の考え方には道理が通っていて、間違いはありませんので、苦情のご連絡ではなく、良くやってくれた!という言葉を掛けてあげて下さい。今回の放射能汚染問題でほとんどの地方自治体に落ち度はありませんので、逆に速度は遅いけれど対応をしてくれている事に、労いの言葉を掛けて頂ければと思います)

※一部学校にて、水筒の持参が許可されていない所があるようです。これは、学校判断によるところが大きく、この改善に向けて、現在 学校保険課が問題の改善に向けて動いてくれています。




相模川の鮎から、280ベクレル/kgのセシウムが検出されています。(担当課 環境保全課)

鮎の餌となるのは、幼鮎のときは水性昆虫、成長すると珪藻類(石についたコケ)を食べています。
川の中の食物連鎖を通じて、鮎の体内にセシウムは入っていったと考えられます。
珪藻類や、水性昆虫、その他魚類の放射性物質の被曝調査を行う必要があります。
この事について、環境保全課は、市内29ケ所の土壌調査の結果次第で、河川の実態調査を行うかどうか判断するそうです。
相模川水系は神奈川県の水源なのですから、市役所は土壌中の放射能調査が終り市内の傾向を掴ん後には、すぐにでも調査を行うべきです。



お茶について

 農協が主体となって対策を考えているようです。
東電の賠償する態勢が整っていないので、農家や農協の補償は宙に浮いたままです。
相模原市が、実際に被害に遭われた方々や、風評被害に遭っている方々に対して、国と生産者の間に立って問題の交通整理や、支援を行えばいいのですが、この支援については、農政課が検討するとのことです。(東電が7千万円の仮払いを行っています)

それと、相模原市内では、ブルーベリーから5ベクレル/kgのセシウムが検出されています。木の実類はお茶の葉と同じようにセシウムを取り込みやすいようで、これに関して、桑の実、木いちご類は、県の放射能検査を受けていないので、今年は食べないほうがいいかもしれません。
藤沢では、小麦から15ベクレル/kgのセシウムが検出されています。




樹木に付着もしくは、吸収されたセシウムについて

町田市の剪定枝を使った堆肥チップより暫定基準値の500bq/kgを超える580bq/kgの数値が測定されました。
福島第一原発事故において街路樹などの樹木はセシウムを多く吸着もしくは吸収している可能性があり、晩秋には落ち葉の問題が出てくると思われます。落ち葉の処理、樹木伐採の時に出た枝の処分方法、樹木の処分方法を検討しなければいけません。
樹木の下の地面の放射線量は低い値が出る傾向であるので、樹木の葉等に多くの セシウムが付着、もしくは吸収されている可能性があります。
針葉樹、落葉広葉樹、常緑樹と木々によってもセシウムの吸収量は違ってくるかもしれませんで、桜の落ち葉の放射能検査ではセシウムは不検出でありまして、コナラの落ち葉では744ベクレル/kgが検出されています。(落ち葉の中にあったカリウム数値も含まれています)



清掃工場の焼却灰に含まれたセシウムについて(担当課 清掃事業課)

 相模原北清掃工場から出た焼却灰は、南清掃工場に移動しています。
1ケ月 約300トンの焼却灰が生まれています。この焼却灰のセシウムは、南清掃工場で2093ベクレル/kgです。
 4月~7月までの3ケ月で、およそ1000トンのセシウム入り焼却灰が生まれ、その全てはすでに最終処分場に埋め立てられています。
市独自で灰の処分を判断するのは仕方がないですが、市民にこの情報は伝わってはおらず、直接担当課に問い合わせないと知る術もありません。
 焼却場の煙突からセシウムは飛散しておらず、灰の中にのみ混入しているとの報告を受けており、プラント外への拡散は無いとの事です。




モニタリングポストの設置について
 
 相模原市では、10月に本庁舎の屋上にモニタリングポストを設置する予定だそうです。
先日 相模原市に要望を提出した際、屋上設置と地上への設置の二つに意見が分かれるのであれば、屋上と地上の2ケ所に設置すればいいのでは?と、要望を出しておきました。
モニタリングポストの役目は、原発事故や核戦争になった場合の、放射能が市内にやってくるかどうかの、第一通報的な役割であり、継続的計測機器というものではないので、本庁舎屋上に設置するとの事です。
屋上ではなく地上に固定された計測設備がないのですから、市内全域を定期的にシンチレーションカウンター等で放射線量を継続的に計測する事も必要であると思います。



食材について

 暫定基準値内を安全とするか、全く放射性物質の入っていないものを安全とするか、大きく二つに見解が分かれています。
暫定基準値を設定したときも、見識者からは、厳しく数値を設定する意見と、ゆるく設定する意見とに分かれたそうです。
いずれにせよ、暫定的な数値設定ですが、かなりの強制力が ありますので、この基準をどう判断するかは消費者自身に委ねられていると言っても過言ではありません。

比較的、九州産の食材を置いてあるのは、OKストアーや、アルプス、コストコ、
ヨーカドー 三和などは、地産地消の考え方で、北関東の物が多いようです。時々、熊本産と茨城産のピーマンが混在して売られている店もあります。
九州産、北関東産を半々くらいで置いてある店が、イオンでしょうか。

関東以西の地域の長野などの野菜を購入している消費者が多いです。
長野等の放射線量は、相模原市とあまり変わりませんが、相模原と数値が同じでも、元々その地域にある自然放射線量と、今回の事故で堆積した放射性物質の場合があるので、放射能マップで放射性物質の情報を見たか らと言って、相模原市と長野県が数値が同じで、長野県に放射能物質が堆積していると判断するのは現時点では危険であります。

放射能マップに載っている関東以西、福島から北の東北地方の数値は、あくまでも参考としておいたほうがいいようです。

食材の地域の放射線量が心配な場合は、3月11日以前に計られた自然放射線数値と必ず、比較するようにして下さい。

食材に関して、心配が募りますので、どうしても北関東や関東産の食材を食べたくない方は、肉類は海外のものか長野、岐阜以西、卵も長野、岐阜以西か、青森から北の地域、野菜も前述した地域と同じような所のものか、放射能検査をして、生産者や八百屋さんが、絶対に大丈夫と判断した野菜を選んで購入するという様な自衛策を取った方がいいと思います。

また、お子様には安全な地域の物を、大人は子供に対して放射線の感度が低いので、今まで通りの関東や北関東の食材を食べさせてもいいだろうという考え方もあります。



水道水については、3月22日以降 10ベクレル/kgを越える数値は検出されていませんが、10ベクレル以下の微量のセシウムは検出されているとの報告もあります。
これは、内部告発的なものらしく、情報の裏も取れておらず、真意は分かりません。
ペットボトルや、長野以西の水を飲料水として使っている方は多くいらっしゃいます。

また、国内の複数の逆浸透圧式を使用している浄水器メーカーが、セシウムを取り除ける浄水器を販売しています。
水道の蛇口につけるシリコンや活性炭を使用した浄水器では、放射性物質の除去は無理です。逆浸透圧式のように、最低でも4層くらいのミクロン単位のフィルターを使用し、ナノ技術を取り入れているものだけ信用できます。ちなみに、値段は1台50万円くらいします。(大阪のクリス タルバレー浄水器等)



井戸水について
 深さ20mほどの井戸は、放射性物質の混入の可能性は排除できません。
関東ローム層の下にある深さ75m以上の堀抜き井戸は問題ないと言われています。



給食等の食品の検査について

相模原市では、市衛生研究所が6月上旬 ゲルマニウム半導体検出器を購入していました。
この機器を使って、水道水、プールの水の放射能検査を行っているそうです。
6月8日にプールの水を検査していますが、放射性物質は不検出だったそうです。
検出限界は、1ベクレル/kgで、精度が高いです。
学校保険課と保育課では、2学期より給食食材の放射能検査を実施しています。



まとめ

行政のこういった対応を、不安に思う市民もいる事から、検出機器を購入して独自で野菜などの放射能を計る方もおり、畑の作物の放射能濃度を計測して、消費者に安心出来る食べ物を供給する生産者や、販売店もあります。
ざっと、現在 把握している情報を記しましたが、放射性物質は、この相模原市近郊の大体の地域に多かれ少なかれ、堆積しています。(一部 堆積していない地域もある)
3月11日 の福島第一原発事故前の、2倍の放射線を検出していますから、これは一大事なのですが、数値自体の意味が一般の市民には良く分からないのが現状です。

また、TVや新聞報道では福島の汚染に関してのニュースは出ますが、その他の地域の放射能汚染に関する情報は皆無と言っても過言ではありません。
パソコンを持って、毎日WEBで情報を見ている方と、TVの情報を得ている方とでは、情報格差が生まれてきます。

暫定基準値が福島に通用するのみで、関東や東北の地域では汚染はされているが、しかし基準値が当てはまらない事が殆どで、地方自治体は身動きがとれません。
このような要因で、市は市民に対して、正確な見解を出せないので、広報やHPに市の具体的な対応を載せることが出来ない のが現状です。
まずは、自治体が放射能汚染対策に取り組んでいる事実を公表することが、市民が疑心暗鬼になっている、この混沌とした状況を改善する唯一の方法です。

行政は決定した案件に対しては、広報等で公表出来ますが、検討中の案件に対しては公には表に出せません。こういった事情が、市民への情報の公開が遅れている原因です。
行政が進めている案件に対して表立って公開が出来ないのであれば、行政と市民の間に立つ、情報公開の場があればいいだけの事ですので、当分の間は、当会は行政が進めている案件に関して、情報収集を行い、市民の為に集めた情報を公開していきたいと考えています。


一番頼りにできる自治体が動ける方法は、市民が後押しをして行くことしかありませんので、要望をドンドン出して行き、世論を高めるしかありません。

これは、行政の立場になってみると、少々五月蝿く感じるかもしれませんが、結果的には行政がフットワーク良く動くための、一番良い方法です。


また、相模原市の放射能汚染対策を求める有志の会が6月~7月上旬に行った土壌中の放射能汚染調査要望の署名活動には2600名の方達から署名を頂きましたので、少しずつですが市民の放射能への感心は高まっています。

それと、セシウムの他にも放射性核種の、ストロンチウム、コバルト、キセノン、ルテニウム、クリプトン、プルトニウム等も飛散している可能性もありますので、 もう少し細かい範囲において土壌調査や、線量調査を行う必要があると考えます。
放射能の影響は、個人の個体差で変わってきますので、身体に取り込まないに、こした事はありません。

また、土壌中の放射性物質の堆積量にバラつきがあり、場所によっては堆積していない所もあるので、まずは現在のご自分が置かれている状況を正しく把握して、決して消極的にならず、対策を考えるなどの前向きな姿勢でいる事が大切であると思います。

また放射線量が計測されましたら、その源は福島からのセシウムではなく、昔からその場所に堆積しているカリウム40の可能性が大きいので悲観的にならないようにして下さい。

相模原市は、楽観的な状況でもなく、悲観的な状況でもなく、ギリギリのラインにあるようので、後は市民と行政が協力して問題を解決出来るかどうかがポイントになります。
また、関東圏はチェルノブイリの汚染地域と同等の汚染レベルの様に言われていますが、多摩川から西の地域は、土壌中のセシウム数値や、線量の数値から判断すると、チェルノブイリの汚染地域と同じ汚染レベルではないようです。

同心円上にまんべんなく汚染されている状況ではなく、川、山、谷、線路、道路、樹木の数、風向き、ビルの高さ、降雨量の大小等、多くの要因が関係して、セシウムの堆積量が変化しているものと考えられます。

また、30cm間隔で、放射線の数値は変化していますので、ガイガーカウンターの数値のみで線量の増減を判断する事は難しいので、必ずシンチレーションカウンターと、ガイガーカウンターの2つの線量計の数値を比較して、現状把握に勤める事が必要と考えます。

柏、流山、我孫子、北茨城、足立区、江戸川区等の放射線量は高いですが、現状では相模原市と近隣の地域は充分暮らしていけるレベルであると思います。

地域のセシウム堆積量と放射線量の数値はほぼ出揃い、カリウム40の関係も判明してきました。
風の強い日は、0.1マイクロシーベルト以上が計測された校庭では、砂埃などを吸わないようにマスクをする、0.1マイクロシーベルト以上計測された公園では遊ばない等の対策を講じることが出来るようになりました。
後は、内部被ばくをしない様にする為に、食品の購入に気を使う等の自衛対策を行う事が、これからの生活に求められているものと思います。

また、暫定基準値が安全か否かという問題ではなく、放射性物質が普段の生活に 存在してはいけないものですので、基準値に惑わされずに、まずは諦めずに出来るだけ、3月11日以前の状態に戻すことが求められています。