「それでも、生きてゆく」ディレクターズカット完全版 [DVD]/瑛太,満島ひかり,風間俊介

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こんなものを発見しました。

坂元裕二×我孫子武丸 ドラマ「それでも、生きてゆく」対談

1.殺人犯がいて、その妹がいる
http://www.excite.co.jp/News/reviewmov/20120221/E1329755091036.html
2.突然事故死したらあのAVは?
http://www.excite.co.jp/News/reviewmov/20120222/E1329826933533.html
3.大竹しのぶは、もう化け物です
http://www.excite.co.jp/News/reviewmov/20120223/E1329828459499.html
4.殺人犯の主観でドラマは作れるか
http://www.excite.co.jp/News/reviewmov/20120224/E1330012746536.html


坂元裕二さんというのは「それ、生き」の脚本家であり、我孫子武丸さんというのは作家さんで、「それ、生き」を半世紀に一度の名作と評価された方です。
「それでも、生きてゆく」については、真剣に見てた人の中では本当に評判が高いです。
ネットの熱いレビューの数々は、偽りのないコメントたちだなと思いました。

たとえば

私が50何年見てきたドラマの中でNo.1!
こんなに人に薦めたいと思ったのは初めて
登場人物の役者さんが出てる他番組にこのドラマが引きずられる
このドラマを見ずして何を見る!と思うくらい名作



とか。
まぁ、詳しくは検索でどうぞ(笑)

もっとも強烈なコメントが確か、ありました。




このドラマがあったから今ぼくは生きてます。ありがとう。




これです、これ!
僕がすすめたいと思ってる理由です。

実を言うと、僕は昨年の7~9月というのはプライベートで非常に落ち込んでいる時期でありました。
そのとき、タイトルに惹かれて見たのがこのドラマです。
視聴率が低いのは気になっていましたが、最後まで群を抜いた完成度と、ドラマが放つ強いメッセージに魂から震え、途中から録画していたやつを何度も見返しました。

何故こんな秀作が視聴率を取れないのか?
そしてそれでも秀作であり続けることができたのか、対談でよくわかります。


低視聴率だったことについて

・いまのドラマは「わかりやすさ」が重要。しかし、本作はそういったベタな演出を極力排除した。
(「家政婦のミタ」は非常にわかりやすく、キャラクターつくりがしっかりしていたことにも言及しています)
・元々夏クールはお盆等で視聴率が低くなりがちなのは織り込み済み
・視聴者をあえて突き放すような(キャッチフレーズ、過剰な宣伝等一切なし)わかる人にわかってもらえればいいというスタンス



おぉぉ!!


要するに、最初から夏クールに重厚な内容のドラマを放送する、っていうことで視聴率が低くなることは覚悟していたということですね。
そしてベテランの坂元さんならではの、「視聴者を突き放す」的な発言。
プロデューサーがドラマ部門に初めての所属で熱い情熱を持ってる、ということもあって、端っから


視聴率ガン無視の良い作品を作る!


という意気込みだったわけですね!!
このような素晴らしいテレビマンがいる限り、テレビもまだまだ捨てたもんじゃありません。


さらに、脚本、演出に加えて素晴らしいのは、それに応える役者さんです。
「大竹しのぶさんは化け物」という過激発言がありましたが、それはドラマを見れば誰もがそう思うんじゃないでしょうか。
それと対等に渡り合った少年A役の風間俊介さんの奮闘ぶりも評価されてしかるべきです。
彼は、金八先生のときから思ってましたがジャニーズにいることが非常にもったいない気がしますね。

瑛太&満島ひかりのコンビは、このドラマ以外正直見たくないくらいハマリすぎです。
まず、満島ひかりさん、苦労人の役をやらせたら右に出る者はいないんじゃないでしょうか。
特に好みのタイプではありませんが、女優さんとして本当に尊敬に値します。
元フォルダー5のメンバーであり既婚者だってことも後から知りました。
す、すごい・・・。

瑛太さんは、なんだかんだで安定感抜群。
よくよく考えれば、「ウォーターボーイズ」しかり「嫌われ松子の一生」しかり、僕が好きなドラマや映画にちょこちょこ出てるんですよね。
説得力があるというか、自然というか。


最後に、音楽。
小田和正さんの「東京の空」、これアルバム曲なんですよ。
マイナーな曲にあえて注目したこと自体挑戦的。
一番大きいのは、辻井伸行さんのピアノでしょう。
辻井さんを起用しなかったら、本当にあそこまでドラマを盛り上げることはできなかったと思います。
改めて、映像作品における音楽の重要性がわかります。

オープニングです↓


これはダイジェスト↓


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それでも、生きてゆく オリジナル・サウンドトラック/辻井伸行

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※辻井さんの入り口としてはこっちの方がおすすめ↓

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こう考えてみると、すべてが奇跡的でした。
題材として、一歩間違えれば駄作になる危険性すらあったと思います。
それが蓋を開けてみればどうでしょう。
駄作どころか、視聴率が伴わなかっただけで、一部ではありましたが多くの視聴者にとって感動という一言では表せないほど心に残る名作を生みだしたのです。


テレビがつまらない、とよく聞きます。
確かに、僕もよく感じます。
だけど、これだけは言いたいです。


視聴率に捉われてるからつまらなく感じるのかも・・・!


作る側も、見る私たちも、です。
僕は、視聴率はそれはそれで国民のニーズを知るひとつの指標であると思っていますが、それとは別に自分の感性を大切にしたい、と思いました。
音楽も、今やランキングをほとんど見なくなりましたしね。


僕がお気に入りの名シーンが、ようつべに中国からUPされてたのですが、ネタバレになっちゃうので自己責任で見てください(笑)
第10話の後半の圧巻シーン。

http://www.youtube.com/watch?v=RjdY4s1Af8U&feature=related




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(追記)



なにげなくネットサーフィンしていたら、こんなのを見つけました。
http://japan-film-award.livedoor.biz/archives/1716455.html

第66回 日本放送映画藝術大賞 放送部門


最優秀作品賞『坂の上の雲』

優秀作品賞 「家政婦のミタ」 「坂の上の雲」「鈴木先生」「それでも、生きてゆく」「南極大陸」

最優秀監督賞 柴田岳志『坂の上の雲』
最優秀脚本賞 坂元裕二『それでも、生きてゆく』『さよならぼくたちのようちえん』
最優秀主演男優賞 瑛 太『それでも、生きてゆく』
最優秀主演女優賞 満島ひかり『それでも、生きてゆく』

最優秀助演男優賞 高良健吾『おひさま』
最優秀助演女優賞 大竹しのぶ『それでも、生きてゆく』
最優秀撮影賞 安藤清茂『坂の上の雲』
最優秀音楽賞 辻井伸行『それでも、生きてゆく』
最優秀美術賞 山下恒彦『坂の上の雲』『蝶々さん 最後の武士の娘』
最優秀照明賞 牛尾裕一・富岡幸春『坂の上の雲』(第三部)
最優秀録音賞 野原恒典・高橋英明・加村 武『坂の上の雲』(第三部)
最優秀編集賞 瀧田隆一『鈴木先生』
最優秀衣装デザイン賞 澤田石和寛『勇者ヨシヒコと魔王の城』
最優秀メイクアップ賞 梅沢壮一『妖怪人間ベム』
最優秀新人賞 剛力彩芽『大切なことはすべて君が教えてくれた』『アスコーマーチ』
最優秀視覚効果賞 曽利文彦・松野忠雄『南極大陸』
最優秀音響効果賞 谷口広紀『南極大陸』/『JIN-仁- 完結篇』
最優秀主題歌賞 中島みゆき『南極大陸』



堂々の5冠達成!!


中身を読むと、「坂の上の雲」と僅差だったことがよくわかります。
そして、脚本・演技・音楽がいかに評価されていたか。
ちなみに、2011年のマイベスト3は「それ、生き」「鈴木先生」「家政婦のミタ」でした。(「鈴木先生」はDVDで見ましたが・・・)

さらに!!


第62回芸術選奨 受賞者30人

【放送】脚本家坂元裕二(44)=「それでも、生きてゆく」


今朝の新聞に掲載されていた内容です。
いかに質が高い作品であったかの裏付けですね。

これからも、視聴率がともなわない良作があったら、どんどん紹介していこうと思います!



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